【UFC104】リョートが防衛成功、判定にはブーイングも
■第11試合 UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R
[王者]リョート・マチダ(ブラジル)
Def.5R終了/判定3-0
[挑戦者]マウリシオ・ショーグン(ブラジル)
今回の防衛戦のためにレコーディングされた序盤の和風テイストの入場曲で入場したリョートに、この夜一番の歓声が集まる。腰をかなり落とした構えのリョートは、いきなり首相撲からヒザを連打する意外な立ち上がりを見せる。顔を覆うようなディフェンスのまま前進したショーグンが、組みついてリョートをケージに押し込む。
組みついたままヒザ蹴りを見舞うショーグンだったが、テイクダウンはならずリョートが距離を取る。組みつこうとするショーグンに、思い切り飛び込んでヒザを見舞ったリョートだったが、ショーグンはそのままリョートをケージに追い込むと、差し返したリョートは、向き合って距離を取る。
飛び込んで左から右ハイを見せたショーグンだが、リョートは見切って距離を取る。飛び込んだショーグンに右ショートを入れるリョート。リョートの左ローに、右ローを返すショーグンへ、さらにリョートの左がヒット。だが、ショーグンの右がリョートの顔面を捉え、右ミドルの追撃を見せる。
じっくりと攻めるショーグン、アグレッシブな彼が抑え気味でポイントを抑えたかに見えた1Rだが、この神経戦が如何にスタミナに影響を及ぼすか。
2R、思い切り右ローを蹴り込むショーグンに、リョートはいきなりの右ストレートを見せる。リョートのヒザ蹴りに組みつき、シングルレッグを仕掛けるショーグンだったが、リョートは倒れず、再び距離を取る。左の足払いにバランスを崩したショーグンだが、何とかスタンドに踏みとどまる。
リョートの左ミドルにガードが下がってきたショーグン、さらにローを狙って飛び込んだところに突きを受ける。両者、ミドルでボディが赤くなるなか、リョートのヒザに再びショーグンが組みつく。細かいヒザを出し合った両者が、距離を取ったところで2Rが終了した。
3R、スイッチしたリョート、サウスポーに戻したところにショーグンが突っ込むが、王者はカウンターの蹴りを放つと、小刻みにスイッチを見せるようになった。また、オーソが増えたリョートが、サウスポーに戻しミドルを放ち、オーソから突き、ハイキックを繰り出すと、ショーグンは極端に手が少なくなる。
強烈な右ローをショーグンが放つと、リョートは構えを低くしてローに左ショートを合わせる。ショーグンのラッシュをかわし、サークリングしたリョートだが、最後のミドルを食らう。下段からヒザを突き上げたリョートは、そのままパンチの連打からラッシュを掛け、下段、ヒザ+突きを放つが、ショーグンの右クロスを受け、思わず組みついた。
4R、ショーグンのローを受けたが、続くミドル&ローをかわしたリョートは、左下段をかわされ、右ローを被弾。組みついたショーグンは、股でクラッチし、シングルレッグを耐えたリョートに下段を貰いながらも飛び込むタイミングをうかがう。
ショーグンがヒザ、ミドルと動きを上げ、またもローをヒット。両者が牽制するなか4Rも終わり、いよいよ最後の5分間を迎える。思い切りローを蹴り込むショーグン。リョートはミドルに突きを合わせる。ショーグンのローで体がよれるリョートは、ミドルを蹴り込むが、すぐさまローを返される。
組みついてヒザを突き上げたリョートに、組みついたショーグン。試合タイムは2分半を切ると、ブレイクがかかり、両者が中央で距離をとる。ショーグンがロー、リョートはスイッチし、右の突きを見せる。ショーグンが左エルボー&右フックを放ち、再び距離を取ったリョートは、前に出るショーグンにヒザを当てていく。ショーグンのパンチをスウェイでよけるリョート、残り10秒、そのまま決定的な勝機を両者が迎えることなく、タイムアップにとなった。
ダメージはローを受けたリョートという見方もできるが、果たしてジャッジの判断は?
判定は、48-47×3でリョートとなったが、裁定が発表された瞬間、メディアルームには「WHY?」という声が挙がり、場内はブーイングが起こった。「UFCにきて最も難しい試合だった。3人レフェリーがいて、この判断をした。申し訳ない」と観客に詫びたリョートは、再戦に対して「もう一度戦いたい」と返答した。
その一方で、大声援を受けたショーグンは「この試合のために4カ月ハードトレーニングを積んできた。僕は勝ったと思うけど、判定は僕はなんともすることはできない。リョートは素晴らしいファイターだから、1日に1000発のローキックの練習をしてきた」と語った。
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