【WEC42】ガルシア勝利も、マスーにミス・ストラテジー?
■第7試合 フェザー級/5分3R
レオナルド・ガルシア(米国)
Def.3R終了/判定
ジャミール・マスー(米国)
【写真】序盤に勝負をかけたため終盤失速したガルシア。マスーが勝ってもおかしくない判定だったが、慎重になりすぎたか (C) ZUFFA
左ジャブを伸ばすガルシアを、マスーはステップバックでかわしていく。マスーがローキックを放つと、続いてミドルが交錯する。
マスーの右ミドルに、ガルシアの右ストレートの後、距離が開き、静かな展開となったがガルシアの左のリードから右ストレートがヒットする。
後方にゆっくりと崩れ落ちたマスーが、必死にガルシアに組み付いて、ガードから立ち上がるが、さらにヒザ蹴りを顔面に浴びる。だが、マスーは組みついて、テイクダウンからサイドへ。KO負けしてもおかしくないパンチを受けたが、マスーは果敢にマウントを狙い、パウンドを落としていく。
マスーの右エルボーにもんどり打ったガルシア。脅威のタフネスぶりを発揮したマスーに、ガルシアが腕十字を仕掛けるが、腕をやることなくパンチを落とし続け、イーブンに近づくカタチでマスーは初回を終え、大ピンチから脱した。
2R開始早々、テイクダウンを奪ったマスーは、ガルシアのギロチンを防ぎ、鉄槌を落とす。ガルシアを立たせず、しっかりと上体を固めてトップをキープできるマスーは、想像以上の実力を披露する。
ガルシアが潜りスイープを狙うと、マスーはダースチョークでサイドを奪う。ガルシアは立ち上がり、首を引き抜こうとしたが、そのままバックを許してしまう。
背中を見せて走るように距離をとったガルシアは右ミドルを見せるが、口を大きく開けて肩で息をしている。さらにヒザをボディに受けたガルシア。1R中盤には想像もできなかった厳しい展開に追い込まれる。
最終ラウンド、いきなりハイキックを見せたガルシア。2Rよりも拳が高くなり、ややスタミナを回復した模様。そのガルシアにローを当てるマスーは、さら左ハイを当てていく。
負けじとローを放つガルシアだったが、すぐに肩で息をするように。声を挙げながらパンチを放つガルシアは、精神的に相当厳しい状況に追い込まれているようだが、サイドキックを放っていった。
慎重に構えるマスーは、大切な3R、もう少し積極性が欲しいところだ。右ミドルから組みついたマスーは、ガルシアをケージに押し込むが、テイクダウンには至らず、右フックを見せる。残り1分、オクタゴン中央で距離をとった両者だが、マスーの左ストレートがヒットするも、手数はガルシアの方が多く、必死の形相で打ち込んだ右がマスーの顔面を捉えた。
試合終了のホーンと同時に、キャンバスを叩いて感情を爆発させたガルシア、一方のマスーは「逃げ切った」という風にもみて取れる余裕の表情を浮かべる。
結果、ジャッジの裁定は29-28でガルシア、29-28でマスー、最後の一人は29-28でガルシアに軍配。両手を当て、飛び上がって喜ぶガルシア。「あの右で試合は終わったと思って、スタミナを使い果たした。2Rと3Rはガス欠だったよ」と精根尽き果てた表情のガルシアを見る限り、スタミナを残し大切に戦い過ぎたマスーの3Rは痛いミス・ストラテジーだった。