【WEC41】ブラウンがユライアを返り討ち、防衛に成功
■第10試合 WEC世界フェザー級選手権試合/5分5R
[王者]マイク・ブラウン(米国)
Def.5R終了/判定
[挑戦者]ユライア・フェイバー(米国)
【写真】ユライアを返り討ちにした王者・ブラウン。次なる挑戦者はジョゼ・アルドでまず間違いないだろう (C) ZUFFA
ミドル、前蹴りを見せるユライア。続いてハイまで見せたが、ブラウンは構わず距離を詰め、ユライアのジャブをかわして組みついていったが、無理はせず距離を取り直した。
飛び込んでワンツーを放ったユライアが距離を取ったところで、ブラウンがテイクダウンを奪う。バックに回ったブラウンは、左手を腿に差し、ユライアが回りこまないよう阻止すると、後方からヒザを蹴り上げたブラウンに、向かい合ったユライアもヒザを繰り出す。右を思い切り振るったユライアだが、直後にまたもテイクダウンを奪われてしまった。
ワールドからサイドを奪ったブラウンに、片足で上を奪おうとするユライアだったが、立ち上がられたところで1Rが終了。2R、左ジャブから距離を詰めようとするユライアだが、ブラウンは右ハイから逆に左右のキックでプレッシャーを与えていく。
ここでもイージーにテイクダウンを奪ったブラウンは、バックから首を狙っていく。立ち上がったユライアの腿にヒザ、そのまま後方からパンチ、さらにテイクダウンと攻め続ける王者。ユライアはギロチンを仕掛けるも、首を抜いたブラウンはサイドへ。
足を差し込み、持ち上げるようにして距離をつくりながらサイドに抜け出し、立ち上がったブラウンは、片足タックルでユライアを持ち上げると、ケージサイドまで運び、優勢にラウンドを終えた。
3R、左ジャブと右ヒジを使い、近距離になると組みつくユライア。ブラウンはギロチンで切り返し、スイープの要領でトップを奪い、スタンド、グラウンドの状態でも常に動き続ける。トップのユライアを押しのけ、そのままヒールホールドを見せるなど、器用な一面も見せた王者ブラウンに、ユライアはトラウマになっていて然りのバックエルボーを繰り出した。
ユライアの右ヒジに対し、右フックを見舞い、組みついてはケージに追い込んだブラウンに対し、右の拳の明らかに痛めたユライアは、組技の展開でクラッチを組むことができない。
4R、ダーディ・ボクシングで攻めるブラウンは、ケージに詰まったユライアに左フックをヒットさせる。右のパンチを使えず、クラッチも組めないユライアを精神的にも圧倒し、優位に立つブラウンは、距離を詰めてボディ、左フック、右ストレート、ダーディ・ボクシングと攻め続ける。防戦一方のユライアは、反撃の糸口すら掴めない。
ユライアが飛び込んできたところに、ブラウンは右アッパーを合わせる。最終ラウンド、必死に組みつくユライアだが、やはり片手では攻撃の手段が限られてしまい、テイクダウンを奪われてしまう。
ギロチンでもクラッチできないユライアは、スタンドで向き合うと起死回生のギロチンを狙ったが、大きく持ち上げられるとキャンバスに叩きつけられてしまう。グラウンドで極めることにこだわるブラウンは、ここでもテイクダウンからバックを取り、着実に攻め続ける。
残り時間2分を切り、ノースサウス・チョークを狙ったユライアだが、これも決定的シーンには至らず、スタンドへ。残り時間30秒を切り、テイクダウンを狙ったブラウンに対し、ユライアは最後まで手を出し続けたが、ここで試合終了となった。
結果は、49-46が2人、48-47が1人というジャッジでブラウンが判定勝ち。防衛に成功したブラウンは感極り、涙を見せる。一方で「1Rにやっちゃった。申し訳ない。サクラメントのファンに礼を言いたい」と述べたユライア、その右の拳は尋常ではないほど腫れ上がっていた。