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【UFC210】ライトヘビー級頂上決戦。コーミエーを居着かせるためのジョンソンの攻撃手段とは?

AJ【写真】AJはフィジカルの強さを利して、DCの運動神経の良さを逆手に取った攻撃を繰り出すことができれば……世界の頂点に近づく (C)KEITH MILLS

8日(土・現地時間)、ニューヨーク州バッファローのキーバンク・センターで開催されるUFC210「Cormier vs Johnson 2」。メインはイベント名にあるようにダニエル・コーミエーの持つUFC世界ライトヘビー王座にアンソニー・ジョンソンが挑む一戦だ。


昨年はジョン・ジョーンズのタイトル返上劇や、ダニエル・コーミエーの負傷などが続きタイトル戦が一度も組まれなかったライトヘビー級戦線が、ようやく動き始める。

この両者は2015年5月に王座決定戦で拳を交え、コーミエーがRNCでジョンソンからタップを奪いベルトをその腰に巻いており、ジョンソンからすればリベンジ戦の意味合も持つ。ジョンソンはコーミエー戦後は3試合連続KO勝ちで圧倒的な強さを見せて、JJがオクタゴン外でステップバックしたタイトル戦線で再浮上を果たした。

強烈なパンチ力はいうまでもないが、ローキックを要所で繰り出し、左右上下の対角線コンビネーションを武器に中間距離で圧倒的な強さを誇るジョンソン。さらに遠い位置からのオーバーハンドの威力も抜群で、実際に前回のコーミエー戦でも右を当ててダウンを奪っている。

ただし、直後にジョンソンは近距離でもフルパワーで倒しに掛かり、振りが大きくなったところでワキを潜られてバックを許すというミスを犯した。とはいっても、それがコーミエーの強さでもある。ジョンソンのパンチを効かされたファイターは、続くプレッシャーに対して下がる一方、前に出て逃げでない組みつきを見せることができる選手などそうはいない。

コーミエーが前に出ることができるのは、ジョンソンが得意とする中間距離から内側の距離は、彼にとってはシングルレッグ、ダブルレッグ、ハイクロッチというテイクダウンに入れる距離でもあるからだ。一旦掴んで倒してしまえば、卓越したボディコントロール&パウンドで削ることができる。結果的にジョンソンは、ここから体力的に削られ、判断力が鈍り、多くのミスを犯すようになった。その結果、最後は心が折れたように背中を預けて絞めで敗れた。

コーミエーとすれば、今回も同じ試合展開を狙うはず。間違っても中間距離で殴り合うことはしないはずだ。ではジョンソンとすれば、どうすれば良いのか。より慎重に戦うことも必要だが、慎重が過ぎるとプレッシャーが弱くなる。そこで見てみたい攻撃が、ジョンソンから組み付くこと、だ。

ジョンソンは打撃のプレッシャーを与えておいてからのテイクダウンも実は強いファイターだ。ただし、今回の相手はコーミエー──ここで使う組みは組み勝つためではない。組みを見せておいて、打撃を入れる。中間距離と対角線のダッチ・キックボクシングのコンビネーションのなかで、コーミエーの視線と姿勢を崩すためのテイクダウンのフェイントを織り交ぜるという、あくまでも打撃の一環としての組みが必要になってくる。

コーミエーが一流のレスラーであるのは、防御がしっかりして攻撃力を発揮しているからに他ならない。つまり、組みを織り交ぜることで瞬時にしてレスリングの防御姿勢を取る。この瞬間、コーミエーは武術用語を用いると居着くことなる。

無意識の動きは本来はコーミエーの強味になるが、同時に無意識の動きを出させれば──打撃への意識も根絶できる可能性がある。コーミエーを居着かせるための組み、そんな攻撃をジョンソンが見せることができれば、タイトル移動は大いにありえるだろう。

■ UFC210対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]ダニエル・コーミエー(米国)
[挑戦者]アンソニー・ジョンソン(米国/1位)

<ミドル級/5分3R>
クリス・ワイドマン(米国/2位)
ゲガール・ムサシ(オランダ/4位)

<女子ストロー級/5分3R>
シンシア・カルヴィーロ(米国)
パール・ゴンザレス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
パトリック・コーテ(カナダ)
チアゴ・アウベス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ウィル・ブルックス(米国)
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル/9位)※フェザー級

<ウェルター級/5分3R>
ショーン・ストリックランド(米国)
カマル・ウスマン(米国/11位)

<フェザー級/5分3R>
シェーン・バーゴス(米国)
チャールス・ロサ(米国)

<ライト級/5分3R>
デス・グリーン(米国)
ジョシュ・エメット(米国)

<フェザー級/5分3R>
マイルズ・ジュリー(米国)
マイク・デラトーレ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヤン・ブラボヴィッチ(ポーランド/12位)
パトリック・カミンズ(米国/13位)

<ライト級/5分3R>
グレゴール・ギレスピー(米国)
アンドリュー・ホルブルック(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
アイリーン・アルダナ(メキシコ)
ケイトリン・チューケイギアン(米国)

<フライ級/5分3R>
マゴメドフ・ビブラトフ(ロシア)
ジネル・ラウサ(フィリピン)

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