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【Interview】リオデジャネイロ五輪柔道銀メダリスト&柔術黒帯、トラヴィス・スティーブンス<01>

travis-stevens【写真】日本で考えられている以上に米国での柔道のバリューは低い。それでいてメダリストが存在する。サッカーのように人気がなくとも実力者がいることが、スポーツ大国の凄さか (C)KEITH MILLS

昨夏に行われたリオデジャネイロ五輪、柔道81キロ級で銀メダルを獲得したトラヴィス・スティーブンス。

ロンダ・ラウジーやケイラ・ハリソン、リック・ホーンと同様にジミー・ペドロ門下生のスティーブンスは、ヘンゾ・グレイシー柔術門下、ジョン・ダナハーの下でブラジリアン柔術を学んだ黒帯柔術家でもあることは有名だ。

そんな五輪メダリストに柔術を学ぶことで柔道にどのような変化があったのか、これからの米国柔道界、今後の現役活動について尋ねた。


──米国を代表する柔道家のトラヴィス。君はどれぐらいの練習期間でブラジリアン柔術の黒帯を巻くようになったのかい?

「柔道は7歳の時に始めて、11歳の時にシリアスなケガが原因で一度辞めた時期があったんだ。で17歳の誕生日に再び稽古を初めて13年が経つ。柔術は26歳の時から練習するようになり18カ月で黒帯を巻くようになった」

──僅か1年半で!!

「実質的にトレーニングをした日数でいえばね。柔道のベースがあったからね。クラスに出るようになって数日後には紫帯になった。ただし、ケガもありクラスに出られない日も続いたし、柔術をより理解する必要はあったよ。練習できる状態の時は1日に5セッションはトレーニングに参加していた。ジョン・ダナハーのクラスに出ることで心がオープンになった。ジョンとヘンゾ・グレイシー、ヘンゾ・グレイシー・アカデミーの皆が全てを与えてくれた。

ジョンと話すと、全てのたわごとを忘れ去れることができた。そのことで本当に早く成長することが可能になったんだ。何も疑うことなく指導を受けた。あとでとやかく考える必要も全くなかったんだよ」

──そのジョン・ダナハーから学んだ柔術で、トラビスの柔道はどのような変化があったのだろうか。

「技術面ばかりじゃないけど、技術的なことでいえは時折り、柔術的な動きで油断させるとかはあるね。それよりも僕がブラジリアン柔術の黒帯だから、相手が寝技に行きたがらないという作用の方が大きいと思う。

そのことによって立ち技、投げという部分で優位に立てる。対戦相手が投げを失敗して、寝技に持ち込みたくないから慎重になるんだ。相手が慎重になれば、僕の方も余裕をもって戦うことができるようになる。そんな感じだよ」

──対戦相手は自らの動きで敗北に近づくような感覚だろうか。

「敗北への一歩かな。それはね、柔術の試合でも同じなんだ。僕が柔術トーナメントに出場すると、僕の柔道を嫌がりスタンドの展開がまずない。絶対に引き込んでくる相手に対して、もうこっちは心の準備ができているんだ」

──リオ五輪では銀メダルを獲得したけど、30歳を過ぎこれからの現役生活に関してはどのように考えているのかい。

「まだ年内(※インタビューは昨年に行われた)にヨーロピアン・クラブ・カップ決勝が引欠けているし、まぁ2016年の試合出場はそれで終わり。2017年に関しては、ファイナンシャルとにらめっこして考えるよ(笑)」

<この項、続く>

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