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【UFN96】+6.5ポンドのオリヴェイラがブルックスにTKO勝ち。いつまでこういう勝利が続くのか……

<161.5ポンド契約/5分3R>
アレックス・オリヴェイラ(ブラジル)
Def.3R3分30秒by TKO
ウィル・ブルックス(米国/11位)

6.5ポンドの体重超過もなんのその笑顔でダンスを見せてケージインするオリヴェイラ。ワイドスタンスで手を下げた構えのオリヴェイラが、ブルックスのローに右を合わせていく。組んでケージにブルックスを押し込んだオリヴェイラ、ブルックスは巧みにケージを利用し倒れない。ハイクロッチから一瞬ブルックスをオリヴェイラが持ちあげるがテイクダウンに至らない。左腕でしっかりとおっつけ、体を入れ替えたブルックスが逆にテイクダウンに成功する。

立ち上がったオリヴェイラはヒザ蹴りを見せて左のパンチをクリンチの攻防で見せる。オリヴェイラのシングルレッグもブルックスは右を差しかえて、ヒザをつかせる。勝負どころで組み勝ったブルックスは、エルボーも構わず最後の15秒でテイクダウン。首を取られたままマウントに入り初回をモノにした。

2R、オリヴェイラが右ロー、続いて右前蹴りからローを蹴り込む。ブルックスはシングルレッグからハイクロッチ、そしてシングルに切り替えてテイクダウン。直後にマウントに入る。上体を安定させたいブルックスに対し、しがみつくオリヴェイラは左のエルボーを被弾しブリッジ。そのままバックを回ったブルックスが、スタンドでRNCを仕掛ける。

手首をはがしたオリヴェイラにパンチを入れるブルックスだったが、胸を合わされダブルレッグでテイクダウンを取られる。背中を預けた立ち上がったブルックスが胸を合わせるも、ケージに押し込まれ再度テイクダウンを許す。ブルックスはハイガード、オリヴェイラがエルボーを落とす。ケージを蹴って立ち上がったブルックスはワキを潜ってバックに入り、後方への崩し。そのままバックに乗って両足をフックしてフェイスロックを仕掛ける。振り落されても、シングルからダブルに移行したブルックス。オリヴェイラはエルボーを背中に落として耐えた。

最終回、ワキ腹を気にした素振りを見せたブルックス。オリヴェイラはローに右を合わせると、ブルックスがバランスを崩す。立ち上がり際に組みつき、ケージに押し込んだオリヴェイラがテイクダウンに成功する。この瞬間、痛そうな表情を見せたブルックスだが、左腕を差して立ち上がる。ヒザをボディ、顔面に突き上げるオリヴェイラの時間が続く。再びテイクダウンを取られたブルックスはエルボーを被弾。

残り2分を切り、左のパンチを集中されたブルックスは動きを止めレフェリーが試合をストップ。と、オリヴェイラが敗者に対しsuck itのパフォーマンスから何やら挑発。起き上がってマウスピースを投げつけたブルックスは、直後にわき腹を抱えてキャンバスに崩れ落ちた。

ケージの外に出て、知人と勝利を喜ぶオリヴェイラだが、6.5ポンド・オーバーの選手の勝利と、敗者をいたわらない振る舞いが人間性が疑われる。コール時の大ブーイングに笑顔を見せたオリヴェイラは「いつも対戦相手をリスペクトしてきた。体重を落とせなかったのは初めて、それなのにヤツは計量で目を合わせなかった。これからウェルター級で戦う」と語ったが、いつまでMMA界はこの後味の悪すぎる勝利を見続ける必要があるのだろうか。


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