【Invicta FC19】ロクサン、スプリットで世界王者ならずもスピリット見せつける
<Invicta FC暫定世界フライ級選手権試合/5分5R>
ジェニファー・マイア(ブラジル)
Def.2-1:49-46.48-47.47-48
ロクサン・モダフェリ(米国)
飛び蹴りをいきなり見せたロクサンが、左ジャブを放っていく。マイアも左ジャブから右を狙い、ロクサンが距離を取る。しっかりとやや遠目の距離からジャブを見せ、右を打つと踏み込むロクサンだが、マイアの右に中途半端な距離は危ない。
ミドルを入れ、間合いを取り直したロクサンはマイアの左ジャブをしっかりと額で受けて、左ミドルへ。さらに右ローを入れたロクサンだが、右から左ストレートを被弾する。前に出てラッシュを掛けたマイアが組み付いてロクサンをケージに押し込む。離れ際についていったロクサンだったが、ワキを潜られてバックを許しそうになる。胸を合わせ、離れそうとしたロクサンにマイアはアッパー、そして右ストレートを伸ばす。左ジャブから右ストレートを入れたマイア。この距離にいては、ロクサンは危ない。
ローにワンツーから左フックを続けたマイアに対し、ロクサンは組み付くも首を抱えてしまってバックを取られそうに。ここで初回が終わり、序盤の組み立ては良かったロクサンが終盤にポイントを失った。
2R、ステップを踏みながら右を伸ばすロクサン。マイアは踏み込んで右アッパー、離れたロクサンが右クロスを狙う。ワンツーがマイアの距離になり、右を返され被弾するマイア。左フックストレートから右フックにロクサンは左に回って離れる。思った以上に待ちの姿勢のマイアが、左ジャブから右ストレート。かわしたロクサンが組んでボディロックからテイクダウンに成功する。
しかし、左腕を差したマイアはロクサンがバックに回るところで、前方に落としてリバーサルを完成させる。ロクサンはハイガード&パンチ、そしてエルボーを入れる。残り90秒、腕十字に移行したロクサンが、足を払いに行く。ワキを完全に外されたものの、ロクサンは見事なスイープを決めてトップを奪取。残り30秒をトップで過ごし、マイアのハーフからの潜りを潰したロクサンはマウントと同時にラウンドも取った。
3R、右を放つロクサンにマイアは左を返す。ロクサンは左ミドルを入れ、右ストレートをヒットさせる。前に出るマイアだが、ロクサンはしっかりとサークリングして真正面に立たない。右ミドルからダブルを決めたロクサン。マイアはギロチンからクローズドガードの態勢に入る。頭を抜いたロクサンがトップを奪取し、左エルボーを落とす。
正面から右エルボーを入れたロクサンは、マイアの十字狙いを切ってバックを伺うも前方に落とされてしまう。ロクサンはここで腕十字へ。ケージ際で窮屈だが、マイアも回りこむことができない。ガードに戻したロクサンは、ケージを蹴ってもう一度アームバーへ。ここでラウンド終了となった。
4R、マイアは左右のローキックからショートのアッパーカット。さらに左ミドルを見せる。ロクサンは右に回って射程距離から離れると、左ミドル。続く後ろ回し蹴りは空振りとなり、テイクダウン狙いも切られる。右ストレート、右アッパーと序盤は手数が多いマイアに対し、ロクサンは何が狙いか。
左フックにも体が開かなくなっているマイアが左ミドルハイ。ロクサンはワンツーから左ミドルを当てる。マイアは前に出て右オーバーハンド、右ハイをキャッチされたロクサンがバランスを崩して尻もちをつく。スクランブルから立ち上がろうとしたロクサンの顔面を連打したマイアが、このラウンドを圧倒する。
さらにワンツー、右を入れたマイアがロクサンのシングルを切り、左ジャブから右ストレートを放っていく。右ボディフックを入れたマイア、ロクサンは厳しい時間が続く。残り20秒のダブルレッグも完全に真正面から潰され、トップ&サイドを許したロクサン。この回は完全に失った。
初回はマイア、2Rはロクサン。3Rもほぼロクサン、4Rは絶対的にマイア。そして迎えた最終回。ロクサンは左ミドル、そして右ローを蹴っていく。パンチの勢いが落ちないマイアに対し、ロクサンは前に出ていく。しかし、ここで左を被弾し間合いを取り直す。ロクサンが距離を詰めたときに攻撃を集中されるマイアは、自ら前に出て自分の距離で戦う。
ロクサンはスピニングバックフィストもクリーンヒットはなく、蹴りにマイアがワンツーを合わせる。残り半分、マイアの首相撲を振り切ったロクサンがスイッチしてからの右ハイを狙う。これはタイミングが合わなかったロクサンは、右ミドルをキャッチされた状態でパンチを続ける。マイアもパンチを返して、足を離す。
多くのフェイク、回転系の技からのコンビネーションと手を尽くすロクサン。ロクサンは左を当てて、テイクダウンへ。これをマイアがスプロール。それでもロクサンは左ミドルを当てたが、マイアが右を返す。最後の10秒、前に出てパンチを放っていくロクサンを右前蹴りで突き放したマイア。ここで暫定世界戦はタイムアップに。
最後まで体の軸が残っていたマイアが、スプリットを制し王座防衛に成功。「インヴィクタがとてもレベルが高く、タフな相手ばかり。打ち合いを勝てて嬉しい。ダメージはなかったけど、ミドルは痛かった。でも、ムエタイ出身で慣れているから」とこの勝利で、正規王者となったマイアは試合を振り返った。
ロクサンは判定を読み上げられる間も、敗北を認めるような表情を見せていた。やるべきことやり、最後まで諦めない姿勢を貫いたロクサンだった。