【Pancrase】シカゴに出稽古へ。石渡伸太郎<03>「自分の感性に響くものが見つけられるか」
【写真】3週間のシカゴ、イジー・レスリングでのトレーニングに石渡は何を求めたいたのか (C)MMAPLANET
9月の第1週から、シカゴのイジー・スタイル・レスリングクラブへの出稽古に旅立った石渡伸太郎インタビュー最終回。
なぜ、このタイミングでイジーなのか。そして、盟友・神酒とシカゴへ向かったのか。ここで石渡が何を掴み、何を乗り越えようとしているのかが、明らかとなる。
<石渡伸太郎インタビューPart.01はコチラから>
<石渡伸太郎インタビューPart.02はコチラから>
――このタイミングで再びイジーの下でテイクダウン、組みという部分を確かな武器にしようと?
「シカゴが寒くなる前に行きたかったのと、単純にボーナスをもらえたのでお金ができたから、強くなることに使いたいと思いました」
――そして一緒に行くのが神酒選手と。
「あの野郎、叩きのめしてやろうと思って(笑)」
――せっかく2人でいって、神酒選手とスパーをする必要はないじゃないですか(笑)。
「まぁ、ホントのことをいえば2人で行けば、反復したり持ち帰ってからも研究できますしね。僕は神酒さんをアウトプットに使っているんです。神酒さんに何かいうことで、技術的な確認をしていて」
――それなのに神酒選手が自分の思っているのと違う反応だと腹が立つということですよね?
「ぶっ飛ばします。そりゃあ、ぶっ飛ばしますよ」
――どう考えても神酒選手の方が、石渡選手に迷惑をかけられていますよね(苦笑)。
「そりゃそうですけど、神酒龍一が強くなるには僕が必要なんです。だから、イジーのところに連れていきます。ハッキリ言って、神酒さんがフライ級王座をこのまま防衛していくのは厳しいと僕は思っています」
――……。
「ここまで……チャンピオンまではなると思っていました。ただ、これから外国人でもバンタム級からフライ級に落としてくる奴がいるみたいだし、日本人でも春日井(健士)選手とかもいる。そういう選手たちと神酒さんがやるってなると……。やっぱり、上積みが必要になります」
――なるほど。神酒選手のことばかりでなく、同じブラジル人でハファエル・シウバなどバンタム級でも怖いブラジル人が台頭していますが。
「でも、シウバはビクター・ヘンリーに勝てないと思いますよ。めちゃくちゃ強いのは分かっています。僕が戦っても前半は話にならないぐらい圧倒されると思います。でも、チャンピオンシップは5Rなんで(微笑)」
――そして、イジーの下で新たなる武器も携えると。
「今回は……とにかくブルッキンズ戦は消化不良でしたが、組み技に将来を少し見出すことができました。なのでそこを磨きに行きたい。3週間の滞在でしっかりと掴んで帰ってくることはできないので、いかに自分の感性に響くものが見つけられるか。練習の仕方を見てきたりだとか。
そうピュアレスリングですよね。学生達がやっているピュアレスリング、フォークスタイルに触れようと思います。僕らはきっと向こうの高校生に勝てないと思います。投げられ、倒されて。
とにかくやられまくりに行ってきます。ただ3週間、体がもつかどうかが心配です。投げられて首をやっちゃわないかとか……」
――神酒選手がいるし、2人なので心強いじゃないですか。
「神酒さんはね、僕に感謝していますよ(笑)」
――ハハハ。帰国後、石渡選手の次戦の予定は?
「まだ何も決まっていないです。ハファエル・シウバとビクター次第じゃないですか。ハファエルは強いですけどビクターに勝てない。ジョシュ・バーネットとビクターのタッグは本当に厄介ですから。アイツらのタッグは最低です。
ヒロ・ヤマニワとの試合でもジョシュのアドバイスが、本当にシンプルで的確で。それをちゃんとビクターが遂行する。ホントに最低ですよ。でも、僕も自分の陣営には自信を持っていますから」
――ハイ、では米国で何か見つけてこられること期待しています。
「……前にジャクソンズMMAでアルバカーキーに行ったとき、本当にホームシックになったんですよね……。寝る環境が劣悪すぎて、寝ることができなかった。だけど質の良い練習をしないといけないって焦っちゃって。寝てないから体調が悪くなったり、ケガをしたらって考えると――もう、部屋から出られなくなったこともあったんです。そんな感じになったら、戻ってきます(笑)」
――それだけ責任感をもって練習、行動をしているということだと思います。
「なので……1週間ぐらいで帰ってきているかもしれないですけど、そのときはすいません。神酒さんを1人、シカゴに残して帰国していたとしても(笑)」
※このように語っていた石渡伸太郎のイジーの下での武者修行もそろそろ終了を迎える。期待と不安をもってシカゴへ向かった石渡(と神酒)の現地の模様は、石渡のブログで確認してほしい。その後のパンクラスのカード発表も併せて、このインタビューで石渡が語っていたことの意味がより伝わるはずだ。