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【Interview】デューク・ルーファス(02)「リアルファイトの勝ち方」

2013.11.06

Roufusport

【写真】ミルウォーキーやウィスコンシン州のみならず、全米を代表するMMAジムに成長したルーファスポート (C)MMAPLANET

元K-1ファイターでありながら、UFC世界ライト級王者アンソニー・ペティスを育てたデューク・ルーファス・インタビュー後編。

アンソニーに続き、セルジオ・ペティス、エリック・コクなどアグレッシブなファイターを育て上げてきたデュークの心情とは。

<デューク・ルーファス インタビュー、Part.01はコチラから>

※ここで紹介したデューク・ルーファスが指導するルーファスポートや、ジェフ・カーラン率いるチーム・カーランMMAの模様が「Fight&Life 格闘紀行=米国中西部編」として掲載されているFight&Life Vol.39は現在、全国の書店で絶賛発売中です。

──ルーファスポートも小さなムエタイジムから、ケージも設置しMMAやグラップリングも盛んに行われるジムに成長しました。

「3つのジムがここに集まっているような感じだよ。黒帯の指導者が3人いる柔術ジム、GLORYの活動で注目度が上がるだろうキック&ムエタイ、そしてUFCやBellatorのファイターがいるMMAジム。ここに来れば、誰でもこれらの練習ができる。全てはTUFから始まった。ここもそうさ、さっきも言ったステファン・ボナーがやって来たから注目度があがった。

同時に柔術だけだとMMAは勝てなくなったことも大きいだろう。キックもレスリングも必要になり、ここには全てがある。ブラジルからもトレーニングをしにくるジョゼ・アファリーノのようにファイターが出てくるようになったんだ。ドイツからもプロファイターが練習にやってくるよ。UFC人気が、私のジム経営の大きな追い風になっている。最初のジムは、ここの柔術スペースぐらいの大きさしかなかったからね(笑)」

──ジムの練習生の数は何人ですか。

「400人だ。やはり私の名前があるから、キックボクシングを習いに来る生徒が一番多い。柔術も多くなっているし、その2つをトレーニングするジム生は当然のようにMMAにも興味を持っている。400人中、ファイターは40人だけだ。プロは15人から18人。ウィスコンシンにはアマMMAがあるから、選手志望のアマチュアがいる。アンソニー(・ペティス)の従兄弟も、今は6連勝中で次の試合に勝てばプロデビューさせようと思っている。まだ19歳だ。みんな、UFCで戦いたいのさ。

ミルウォーキーではUFC人気は絶大だ。RFAで戦っているセルジオだって、この街では有名人。アンソニーのことは皆が知っている。UFCへのステップアップの場として、ノースアメリカン・ファイティング・チャンピオンシップという大会も開かれている」

──GLORYのSPIKEの中継も、ジム経営の面でいえばまた追い風になりそうですね。

「確実にね。2005年の再現となって欲しいね。米国の人間はTVに放送されているモノに飛びつく。きっと、解説者の私もロックスターのようになるよ(笑)」

──UFCはボクシング界から忌み嫌われ、ケーブルネットワークから締め出された過去があります。UFCはGLORYに対し、何か圧力を懸けるということはないでしょうか。

「それはないだろう。違うスポーツだからね。ダナもロレンツォも、ここまでUFCを大きくした。キックボクシングはスタンドだけだし、敵視はしないはずだよ。実際にどれだけMMA人気が上がろうが、我々は今もボクシングも見続けているじゃないか。それと同じだ。UFCにとってはBellator MMAの方が気になる存在だろう」

──確かにそうですね。キックボクシング自体が日陰の存在だったことを考えると、MMA人気が上がり、しっかりとした打撃が必要となった今、時代がデュークに追いついたかのようですね。

「ハハハハ、本当だ。これからだよ。若い選手がどんどんと育っていく。ベンソン・ヘンダーソンはファンがどう思おうが、関係ない試合をする。私のファイターたちは、キックボクシングのトレーニングを十分に積んでいるから、ファンの好む打撃戦を問題なく戦うことができる。このようにジムは綺麗になっても、私は今も武士道を大切にしているんだ。

日本でもそうだったけど、ファンのために私は戦ってきた。倒されても、起き上がって戦い続けた。だから、私はMMAでもPRIDEが好きだった。彼らは真っ直ぐ勝利を目指して戦っていた。それが武道だ。アンソニーのファイトは、PRIDEファイターのようだろう? KOか一本だ。それがPRIDEスタイルだ。アンソニーが昨年のUFC JAPANで戦えて良かった。

MMAとマーシャルアーツは違うモノかもしれないが、我々はマーシャルアーツを続けている。リアルファイト、それはポイントで勝つことか? 違う、屈服させることだ。サブミッション、ノックアウトで勝つ。それこそがファイトで、判定にもつれこもうが、私の教え子たちはいつだってサブミッションかKOを狙って戦っているんだ」

<Bio>
Jeff Duke Roufus
1970年2月19日、米国ウィスコンシン州ミルウォーキー出身。
ルーファスポート主宰
キックボクシング戦績45勝36敗8敗1分
兄は元K-1ファイターで米国を代表するキックボクサーのリック・ルーファス

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