【FOX Sports Presents】木曜午前9時から、ケネディ×サッポ
【写真】観客=米国軍人とその家族の声援がケネディに集中することは確実な一戦で、サッポの愛称を持つナタウはどのように戦うか (C)MMAPLANET
6日(水・現地時間)、ケンタッキー州フォートキャンベルでUFC Fight Night31「Kennedy vs Natal」が開催される。このフォートキャンベルという名の響きに、ピンとくる人も少なくないだろう。そう、フォートキャンベルはケンタッキー州ホプキンスビルとテネシー州クラークスビルの境、414平方キロという巨大な土地にある――ウィリアム・ボーウェン・キャンベル准将から、その名がつけられた米軍基地だ。
今大会は「Fight for the Troops 3」という名でも通っており、つまりは米軍基地慰問大会ということになる。2006年12月にUFC Fight Night07としてサンディエゴのミラマー基地で慰問大会が行われて今回が通算4度目の試み。Fight for the troopsとしては、2011年1月にテキサス州キリーンで前回大会が行われて以来、2年10ケ月振りの開催となる。
そんな一般人の観戦が不可能な米軍慰問大会に相応しいファイターの名前が、ラインナップに確認できる。TUFシーズン16ウィナー、マイケル・キエーザと戦うコルトン・スミスは現役軍人、セミの女子バンタム級に出場するリズ・カモーシェも海兵隊に5年間属し、中東は赴いたこともある。
そして、メインに出場するティム・ケネディは2004年に大学卒業後、米軍入りしレンジャー部隊の一員としてアフガニスタンやイラクの最前線で戦闘に加わってきた現役の2等軍曹だ。ブライアン・スタン引退後、軍役系ファイターでは一番の実績を持っている。そんな軍人としての経歴が注目されるケネディだが、MMAを始めたのは1999年で軍役よりも長くファイトと付き合ってきた。
17歳で格闘技を始めた彼は、サンルイスオビスポ生まれということもあり、チャック・リデルやジェイク・シールズらとMMAの練習を行い、大学生時代の2001年にプロMMAファイターとしてのキャリアをスタートさせている。ケネディは米軍入りするまでの3年間で5勝1敗の戦績を残し、入隊後は3年半に渡り、MMAの表舞台から姿を消していたが、2006年9月に復帰後は常にメジャーシーンを歩んできた。
米国MMA界で初のリーグ戦を登用するも、活動停止に追い込まれたIFLで頭角を現すと、エリートXCの人材育成大会=ShoMMAで連勝を飾り、そのままEXCからストライクフォースに契約が委譲される。ストライクフォースでは王座こそ奪取はならなかったが2度に渡り世界ミドル級選手権試合を経験した。また、スペシャルフォースに属していた期間も軍隊内でのハンドトゥハンド・トーナメントで優勝するなど、無手の戦いも実践してきた。
ケネディは、それが軍人として大切な素養かもしれないが、大きな特徴のないファイターだ。打撃も組みも、寝技も平均点以上。ただし、満点ということでもないオールラウンダー。UFC初戦となった7月のホジャー・グレイシー戦では、序盤はグラウンドで攻め込まれたが、ここを耐えきるとスタミナの切れたグレイシー一族最強の男をテイクダウンからパウンドで疲弊させ、オクタゴン初勝利を手にしている。
恐らくは最上最強のUSAコールの下で、ケネディと戦うのはハファエル・ナタウ。サッポの愛称に親しまれているブラジリアン・ファイターは、リョート・マチダのマンチェスター大会繰り上げ出場により、同大会のメイン出場権を手にした。これまでUFCで5勝2敗1分の戦績を残す黒帯柔術家。ブラジリアン柔術の総本山=グレイシーバッハのMMA実戦部隊といわれたベロオリゾンチの出身で、名匠ヴィニシウス・マガリャエス・ドラクリーノの指導を受け、現在はNYのヘンゾ・グレイシー門下となっている。
フランキー・エドガーのボクシングトレーナーであるマーク・ヘンリーに打撃を習うようになり、ボクシングが飛躍的に伸びているナタウは、ケネディにとっても決して楽な相手ではない。MMAに恐怖を感じることのない、精神力を持つケネディとはいえ、MMAで問われるのはまずは技量。その技量が互角の場合、彼の気持ちの強さ、冷静さほど強い武器になることはないが果たして……。そんな一種独特の軍慰問大会=Fight for the Troopの模様は、7日(木)午前9時よりFOX bs238でライブ中継、8日午前1時&9日午後8時より録画中継される。
■ UFN31 Fight for the Troops03 「Kennedy vs Natal」対戦カード
<ミドル級/5分5R>
ティム・ケネディ(米国)
ハファエル・ナタウ(ブラジル)
<女子バンタム級/5分3R>
リズ・カモーシェ(米国/4位)
アレクシス・デイヴィス(カナダ/6位)
<ミドル級/5分3R>
ホニー・マルクス(ブラジル)
ヨエル・ロメロ(キューバ)
<ライト級/5分3R>
ホルヘ・マスヴィダル(米国)
ルスタン・ハビロフ(ロシア)
<ライト級/5分3R>
コルトン・スミス(米国)
マイケル・キエーザ(米国)
<ライト級/5分3R>
ジェイムス・クラウス(米国)
ボビー・グリーン(米国)
<バンタム級/5分3R>
ジョージ・ループ(米国)
フランシスコ・リベラ(米国)
<フェザー級/5分3R>
デニス・ベルムデス(米国)
スティーブン・サイラー(米国)
<女子バンタム級/5分3R>
ジャーメイン・デランダミー(オランダ/9位)
アマンダ・ヌネス(ブラジル/8位)
<ミドル級/5分3R>
クリス・カモージ(米国)
ロレンツ・ラーキン(米国)
<ライト級/5分3R>
イーブス・エドワーズ(米国)
ヤンシー・メデイロス(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ニール・マグニ―(米国)
セス・バジンスキー(米国)
<ミドル級/5分3R>
デレック・ブルンソン(米国)
ブライアン・ヒューストン(米国)