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【FOX Sports Presents】日曜午前4時から、リョート×ムニョス

Lyoto Machida

【写真】マチダ空手とグレイシー柔術の融合。そして、勝つための選択。リョートのミドル級初戦は非常に注目度が高い(C)MMAPLANET

10月26日(土・現地時間)、英国マンチェスターのフォン4u・アリーナでUFC Fight Night30「Machida vs Munoz」が開催され、メインではタイトル通りリョート・マチダがマーク・ムニョスと対戦する。

当初マイケル・ビスピンが、ムニョスと対戦することが決まっていたが、負傷欠場となり2週間後のテネシー大会でティム・ケネディと戦う予定だったリョートに代役の白羽が立った。元UFC世界ライトヘビー級チャンピオンのリョートにとって、この試合が初めて挑むミドル級戦となる。キャリア19勝4敗、王座返り咲きを狙った一昨年12月のジョン・ジョーンズ戦で敗れたものの、その後はライアン・ベイダー、ダン・ヘンダーソンを下しタイトル戦線に踏みとどまっていたリョート。

しかし、8月のフィル・デイビス戦では微妙な判定ながら敗れ、そのタイトル戦線から後退を余儀なくされた。結果、タイトルへのストーリーを組みにくくなったため、ミドル級転向を勧められ応じた形となった。ライトヘビー級時代も、水抜きなど行うことなく計量当日に食事を摂らないだけで、リミットを下回る体重だったリョートは、現代MMAでいえば、ミドル級こそ適正体重というところができるだろう。とはいっても、その現代MMAの最高峰=UFCにあって、リョートのファイティングスタイルは他に比肩しようがない。

ボクシングのちレスリング、時々キックや柔術というのが、今のUFCの主流だ。ムニョスもオクラホマ州立大レスリング部出身で、豪快なフックを武器にテイクダウンに結び付ける本流派といえる。さらにいえば、五輪スポーツとして広まったフリースタイルやグレコローマンのように倒したところで攻防の多くが終了するレスリングでなく、ムニョスはいわゆるカレッジスタイル、倒してから固める、立たさないとフォークレスリングを究めてきた。

オクラホマ州立大時代に、最高峰のD-1オールアメリカンレスラーに輝いているムニョスは、倒されても立ち上がる術に優れたフォーレスリングとブラジリアン柔術を融合し、ハーフガードから潜ってシングルへ移行、スタンドに戻ったり、上下を入れ替えるというグラウンドワークにも長けている。対して、リョートといえば間合い。伝統派空手を基礎とし、対戦相手との距離を伺い、正しいタイミングで正確な一撃を入れるのが信条だ。そのセットアップのためフットワーク、あらゆるフェイントを駆使して戦う。

加えてリョートは組技になっても空手流の足払いの他、幼少期から相撲で鍛えた腰の強さ、腰の切り方を生かし、非常に高いテイクダウン防御能力を持つ。手数+勢いでジャッジの支持を得るファイターが多い中で、リョートは精度を第一に戦っている。結果、前述したデイビス戦のようにジャッジの理解を得られず、判定負けを喫することもある。一撃必倒を成し遂げられなかった場合は、勝っても負けても裁定結果は論議の対象となるケースが多いのも事実だ。

自らの本質、空手の原義を守るファイト、ジャッジの理解を得られる戦い、その狭間にあるリョートが、ムニョス戦でどのような戦いを見せるか。非常に気になるところだ。なお、この一戦はエリオから受け継がれた護身としてのグレイシー柔術を現代に伝えるグレイシー・アカデミーの嫡男ヒーロンとヘナーが、それぞれのコーナーに就くことでも注目される。ムニョスに護身柔術を指導するのはUFC創始者=ホリオンの長男ヒーロン。リョートには、次男ヘナーが柔術をレクチャーしている。

元をただせば、リョートとムニョス自体が練習仲間という今回のメイン。殴り合い路線に拍手が掛かっていたUFCにあって、リョートの取る戦術がどうなるのか。何よりも、その試合を英国のファンは納得し、ジャッジがどのように判断するのか。ファン目線以上に、ファイター陣営目線で観察したいファイトだ。
この他、カナダと並びUFC開催数が14度を数え、米国に次ぐイベント数を誇るようになった英国MMA界から、13連勝中のジム・マヌワ、TUF9優勝のロス・ピアソンらが出場するマンチェスター大会。同大会の模様は26日(日)午前4時よりFOX bs238でライブ中継、同日午後6時より録画中継される。

■ UFN30「Machida vs Munoz」 対戦カード

<ミドル級/5分5R>
リョート・マチダ(ブラジル/※6位)
マーク・ムニョス(米国/5位)

<ライト級/5分3R>
ロス・ピアソン(英国)
メルヴィン・ギラード(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジミ・マヌワ(英国)
ライアン・ジモー(カナダ)

<ライト級/5分3R>
ノーマン・パーク(英国)
ジョン・タック(米国)

<ミドル級/5分3R>
アレッシオ・サカラ(イタリア)
ニコラス・ムサケ(スウェーデン)

<フライ級/5分3R>
フィル・ハリス(英国)
ジョン・リネケル(ブラジル/5位)

<ライト級/5分3R>
アル・イアキンタ(米国)
ピヨトル・ホールマン(ポーランド)

<ミドル級/5分3R>
ルーク・バーネット(英国)
アンドリュー・クレイグ(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ロジー・セクストン(英国)
ジェシカ・アンドレジ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
アンディ・オグル(英国)
コール・ミラー(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジミー・ヘッテス(米国)
ロバート・ホワイトフォード(英国)

<ミドル級/5分3R>
ブラッド・スコット(英国)
マイケル・カイパー(オランダ)

※ライトヘビー級

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