【Amecian National】道着=エンリケ、ノーギ=AJが無差別制す
7、8日(土&日・現地時間)、国際ブラジリアン柔術連盟(IBJJF)主宰の「2013アメリカン・ナショナル柔術選手権」がカリフォルニア州カーソン、カリフォルニア州立大学ドミンゲス・ヒルズ校体育館において行われた。
初日に行われたギ着用の柔術部門においては、ヴィトー・エンリケ(GFチーム)が激戦のミドル級と無差別級の両階級を制し完全優勝。翌日に行われたノーギ部門の無差別級においては、前日エンリケに敗れたAJアガザーム(グレイシー・バッハ)が、古豪エドゥアウド・テレス(ブラザ)を押し切って優勝を果たした。
7日に行われたギ着用の柔術部門において、強豪4人がエントリーして注目されたアダルト黒帯ミドル級。JT・トレス(アトス)が欠場するなか、もう一人の優勝候補のヴィトー・エンリケ(GFチーム)が、マジッド・ヘイジ(グレイシー・バッハ)とショーン・ロバーツ(ハウフ・グレイシー)という2人の新鋭を撃破して優勝。決勝のロバーツ戦では、13-2という大量得点差をつけての完勝だった。
勢いに乗ったエンリケは無差別級でも勝ち上がり、決勝でAJ・アガザーム(グレイシー・バッハ)と対戦した。オハイオ州立大学在学時、NCAA D-1レスリングで活躍したアガザームのタックルを切ったエンリケは、背負いで投げるとそのまま腕十字一閃。エスケープ力に定評のあるアガザームは腕を伸ばされた状態で粘りに粘ったが、深く極められるとついにタップした。
この日、米国の誇る3人の若手有望株を連破し、今年のパン&ムンジアル両大会のミドル級3位の実力を見せつけたエンリケ。一週間前のアトランタ・オープンでもルーカス・レプリを破って優勝しており、充実ぶりを伺わせる。来年あたりビッグ・タイトル獲得も期待できるかも知れない。
また、アダルト黒帯フェザー級はハファエル・フレイタスとAJ・アガザームのグレイシー・バッハ勢が1、2フィニッシュ。今年で37才となる「亀ガード」の名手エドゥアウド・テレス(ブラザ)は、アダルトミディアムヘビー級にエントリー。アントニオ・アントリオーリ(ヒベイロ)に決勝で敗れて準優勝に終わった。
黒帯シニア1ミディアムヘビー級に出場したアルベルト・クレーン(グレイシー・バッハ)も準優勝、黒帯シニア3の無差別級ではメガトン・ディアス(ウマイタ)が優勝している。なお、茶帯の部において最有力選手とみなされていたキーナン・コーネリアス(アトス)は欠場している。
続く8日に行われたノーギ部門においては、前日無差別級決勝で敗れたAJ・アガザームが活躍した。前日同様、チームメイトのホドリゴ・フレイタスとライト級において1,2フィニッシュを決めたアガザームは、無差別級でも勝ち上がり決勝進出。ミディアムヘビー級を制した大ベテラン、エドゥアウド・テレスと優勝を争った。
ダブルレッグダイブを仕掛け続けるアガザームと、それを切るテレス。やがてテレスが十八番の亀ガードを取ると、アガザームは恐れず果敢に両足フックを狙ってゆく。フックこそ入れられないものの、アガザームは上から積極的に動いてアドバンテージを重ねてゆく。対するテレスもハーフからのキムラロックや、得意の前転してからの足関節狙いでアドバンを返すが、追い付くには至らない。
残り時間が少なくなったところで、テレスはテシッティングガードからアガザームの足を掴んで倒すことに成功。しかしスピードと体力で勝るアガザームは、テレスに押さえ込まれる前に脱出しポイントを回避。結局、アドバンテージ6-4でアガザームの優勝が決定した。
この10月、北京で行われるアブダビコンバット本戦への初出場も決まっているアガザーム。レアンドロ・ロ、レオ・ヴィエイラ、クロン・グレイシーら名だたる強豪が集まる-77kg級で、この若者が見せる思い切りの良い戦いに期待したい。
■アメリカン・ナショナル柔術選手権:ギ着用の部主な結果
【アダルト黒帯ライトフェザー】
優勝 ファビオ・パッソス(アリアンシ)
準優勝 ミルトン・バストス(パラゴン)
3位 グスタヴォ・アーネスト(マッハセンキ)
ブランドン・ミュリンス(グレイシー・バッハ)
【アダルト黒帯フェザー】
優勝 サミール・シャントレ(カイオ・テハ・アソシエーション)
準優勝 オズワルド・アウグスト(カイオ・テハ・アソシエーション)
3位 ジェフリー・ヴィラリアル(ファビオ・サントス)
【アダルト黒帯ライト】
優勝 ホドリゴ・フレイタス(グレイシー・バッハ)
準優勝 AJアガザーム(グレイシー・バッハ)
3位 オリバー・ゲデス(ホジャー・グレイシー)
ハファエル・オリヴェイラ(グレイシー・バッハ)
【アダルト黒帯ミドル】
優勝 ヴィトー・エンリケ(GFチーム)
準優勝 ショーン・ロバーツ(ハウフ・グレイシー)
3位 マジッド・ヘイジ(グレイシー・バッハ)
【アダルト黒帯ミディアムヘビー】
優勝 アントニオ・アントニオーリ(ヒベイロ)
準優勝 エドゥアウド・テレス(ブラザ)
3位 ディエゴ・ノゲイラ(BTT)
ベンジャミン・ロス(ヒベイロ)
【アダルト黒帯ヘビー】
優勝 エリオット・アンドリュー(コアリション95)
【アダルト黒帯スーパーヘビー】
優勝 ジェイムズ・リチャード(ヒベイロ)
準優勝 レオナルド・エンリケ(アトス)
3位 ディラン・ディアボーン(BJJレヴォリューション)
【アダルト黒帯ウルトラヘビー】
優勝 ハファエル・ゴウラート(BTT)
準優勝 グスタヴォ・ディアス(ウマイタ)
3位 レイモンド・ウォーレン(アンディスピューテッド)
【アダルト黒帯無差別】
優勝 ヴィトー・エンリケ(GFチーム)
準優勝 AJ・アガザーム(グレイシー・バッハ)
3位 ジェイムズ・リチャード(ヒベイロ)
サミール・シャントレ(カイオ・テハ・アソシエーション)
■ノーギの部主な入賞者
【アダルト黒帯フェザー】
優勝 オズワルド・アウグスト(カイオ・テハ・アソシエーション)
準優勝 サミール・シャントレ(カイオ・テハ・アソシエーション)
3位 ジェフリー・ヴィラリアル(ファビオ・サントス)
【アダルト黒帯ライト】
優勝 AJ・アガザーム(グレイシー・バッハ)
準優勝 ホドリゴ・フレイタス(グレイシー・バッハ)
3位 デニー・プロコポス(10thプラネット)
【アダルト黒帯ミドル】
優勝 ヴィトー・エンリケ(GFチーム)
準優勝 オリヴァー・レイズ(ホジャー・グレイシー)
3位 ジェイソン・マンリー(グレイシー・ファイター)
【アダルト黒帯ミディアムヘビー】
優勝 エドゥアウド・テレス(ブラザ)
準優勝 オマー・サッバ(BTT)
3位 アンドレ・フランコ(チェッキマット)
【アダルト黒帯ヘビー】
優勝 ベンジャミン・ロス(ヒベイロ)
準優勝 ディエゴ・ノゲイラ(BTT)
3位 ジェイソン・ヘネ(BJJレヴォリューション)
【アダルト黒帯スーパーヘビー】
優勝 ジェイムズ・リチャード(ヒベイロ)
準優勝 エリオット・アンドリュー(コアリション95)
【アダルト黒帯ウルトラヘビー】
優勝 ハファエル・ゴウラート(BTT)
準優勝 レアンドロ・エンリケ(アトス)
【アダルト黒帯アブソルート】
優勝 AJ・アガザーム(グレイシー・バッハ)
準優勝 エドゥアウド・テレス(ブラザ)
3位 サミール・シャントレ(カイオ・テハ・アソシエーション)
オズワルド・アウグスト(カイオ・テハ・アソシエーション)