【PXC38】北マリアナ諸島の大和魂フランク・カマチョ、「究極の夢」
【写真】左ワキ腹に大和魂というタトゥーがあるフランク・カマチョ。本土帰りのファイターが、グアムやサイパンのMMAを引っ張っている。今後の警戒が、日本勢も必要になるだろう (C)MMAPLANET
9日、PXC38で同イベント2連勝中だった松本光史が、テイクダウンを切られ続け、パンチを被弾するようになり、フランク・カマチョに3RTKO負けを喫した。
ケージレスリングの強さでは定評のある松本に一度もテイクダウンを許すことなく、カマチョは2度に渡りスイッチからトップを取った。6年に渡る本土滞在からグアム(※出身はサイパン)に戻ってきたカマチョ、勝利直後に試合を振り返ってもらった。
──松本選手を相手に見事なTKO勝ちを収めました。おめでとうございます。
「サンキュー。ヤマトダマシイ!!」
──その大和魂という言葉の立派なタトゥーを彫られていますね。
「僕はピュアブレッド・グアムでスティーブン・ロベルトに柔術を習っている。エンセン井上のチーム・ピュアブレッドの一員なんだ。6年前、18歳の時にメリーランドに引っ越し、ロイド・アーヴィンに柔術を習ってきた。彼の関係でサンディエゴのアライアンスMMAで、ブランドン・ヴェラ、ドミニク・クルーズ、フィル・デイビス、マイケル・チャンドラー、ロス・ピアソンたちとも練習してきたんだ。
アライアンスMMAではドミニク、マイケル、フィルとレスリングの強い選手たちに色んなことを教わった。4カ月前、グアムに戻ってきてからピュアブレット・グアム、スパイク22で試合に向けて準備をしてきた。そして、アライアンスで教わってきたこと、こっちでスティーブン、メルカ・マニブッセン、メインMMAコーチのパッド・ズズに教わった柔術とレスリングが、今日の試合で本当に役立ったよ」
──松本選手のシングルレッグを完全に防ぎ切りました。
「コーシは凄くタフだった。修斗で戦ってきた選手だけど、柔術がベースで、寝技に持ち込まれたくなかった。倒されてもすぐに立つつもりでいたんだ」
──フランクは2010年柔術世界大会青帯メジオ級で優勝し、今は紫帯を巻いているけど、寝技は避けたかったと?
「スタンドで戦い続けたかった。パンチを出して、テイクダウン狙いをディフェンスし、潰してトップをキープする。そしてパンチを入れる数を増やしていく。思い通りの戦いができた。接近戦でも良い動きが出来たと思うよ。
でも、シングルレッグで来るとは思っていなかった。イッパイ食わされるところだったよ。とにかくケージを背にして、落ち着いていようと心掛けた。セコンドも『息を止めるな』ってずっと指示してくれて、守り続けたよ。ワキをさして、首を刈る。スタミナを温存し、コーシが疲れるのを待ったんだ」
──まさに臨んだ通りの試合展開だったのですね。
「胸を合わせている時も、コーシが辛そうだと分かった。そして、手首を掴んで、しっかりと呼吸し続けリラックスしていたよ」
──この勝利によって、PXCライト級戦線で一気に上位に浮上したことになりますが、今後もPXCを主戦場にしていく予定ですか。それともまた米国本土に戻るのでしょうか。
「僕の前の試合はTUF16のイリミネーションマッチで、スタミナを切らして判定負けを喫してしまった。グアムに戻って、パッドとカーディオ・トレーニングを徹底してやり込んだ。そして、思い通りの試合ができた。PXCのベルトを巻くために、もっと練習を積む。もっと試合経験を積んで、究極の目標であるUFC出場を果たしたい。それが僕のアルティメット・ゴールだよ」