【UFN83】見所の多い地味な攻防で判定勝ちのクラウス、「フィニッシュを狙った」と満足せず
<ライト級/5分3R>
ジェイムス・クラウス(米国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
シェーン・キャンベル(カナダ)
キャンベルの前蹴りに右ジャブから組み付いたクラウスがケージに押し込む。ケージを背にしたキャンベルはヒザ蹴りからテイクダウンへ。そのまま勢いで後方に回り、スクランブルに持ち込んだクラウスは小外掛けに。これを耐えたキャンベルだが、ボディストレート受けて再びケージに押し込まれる。自ら離れたクラウスに対し、キャンベルが右ミドル。サウスポーからオーソに構えたクラウスはボディを続ける。
キャンベルも左ミドルを返すが、ローを蹴った際にバランスを崩す。すかさず組み付いたクラウスだが、ここもテイクダウンを奪えない。離れて右ミドルを入れたクラウス、ハイキックは空振りしたが腹を効かせているのは明らかだ。左から右と蹴りを続けたキャンベルが右ストレートをヒットさせる。クラウスはここでダブルレッグからバックを奪取しスタンドで背中に飛び乗る。前転でかわそうとしたキャンベルの背中を伸ばしRNCを極めに掛かったクラウス。しっかりと極まったように見えたが、キャンベルはタイムアップまで持ち込んだ。
2R、序盤の打撃戦のなか、足払いでトップを取ったキャンベルはクラウスの腕十字を防ぐ。スクランブルからクラウスの立ち上がり際に右ハイを見せたキャンベル、クラウスは蹴り足をキャッチしてタイナーのように反対側のケージ際まで押し込む。態勢が乱れたキャンベルのバックを取ったクラウスがテイクダウン、一旦トップで抑え込みバックに回り込む。足のフックよりも腕を入れることに重点を置いたクラウスの攻めをしのぐキャンベルだったが、両足のフックを許しRNCの状態に持ち込まれる。キャンベルが尻をずらすと、クラウスはフックを外してスタンドに戻るも、その表情からは疲れが窺える。
それでもダブルレッグ&小外掛けでテイクダウンを決めたクラウス。すぐに立ち上がったキャンベルは、ここでもムエタイ流の足払いを見せてテイクダウンを狙う。踏ん張って組んできたクラウスにギロチンを仕掛けたキャンベルは、頭を抜かれガードでラウンド終了を迎えた。
最終回、前に出てくるクラウスに左ヒザ、構えを変えたところで右ミドルと腹を狙うキャンベル。クラウスも右ハイを返し、中間距離での打撃戦のなかでダブルレッグを仕掛ける。バックに回ったクラウスは時間の経過を待つようにキャンベルを動かせる。その動きに反応し正面に回り、再びダブルレッグでテイクダウ狙いへ。キャンベルが防ぐと、距離を取る。これで2分半を稼いだクラウスは、やや受け身になるなかで左エルボーを顔面に被弾する。キャンベルはラッシュを掛けたいが、そこまで体力は残っていない。
それでも足払いで振り回すようにクラウスを倒したキャンベルがバックマウント&RNCへ。クラウスの動きに合わせて肩固めへ移行しようとしたキャンベル。クラウスが察知し、一度背中を見せて起き上がろうとする。そのクラウスを股間の下で泳がせ、マウントを取ったキャンベルは終了間際にパンチを連打し試合終了となった。
決して派手ではないが、力のこもった攻防。キャンベルは足払い&バック逃げなど、印象に残る動きを見せたが、オクタゴン・ジェネラルシップを握っていたクラウス優勢は動かせない。結果、ジャッジ3者とも29-28をつけクラウスだが「フィニッシュを狙っていたので、嬉しくない」と厳しい表情で試合を振り返った。