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【RFC28】福田力、初防衛戦の相手は距離感抜群のチャ・ジョンファン

Riki Fukuda【写真】これまでと同じようにプレッシャーを掛ける戦い方で勝機を掴めることは間違いない福田。そのプロセスに変化をつけたい (C)ROAD FC

31日(日・現地時間)、韓国ソウルのチャンチュン体育館で開催されるROAD FC28のメインで福田力が7月の日本大会で獲得したミドル級王座初防衛戦を行う。

2014年1月のROAD FC初出場以来、イ・ドルヒ戦のNCこそあったものの再戦を制し、前述したようにRFC24でジョン・オジンを下してベルトをその腰に巻いた福田。UFCリリース後、RFCでの課題は打撃で圧力を掛けること。打ち勝ってテイクダウン。さらにパウンドアウトという行程のなかで、ダーティボクシング&首相撲からのヒザ蹴りなど組み打撃でも圧倒的な強さを見せるようになり、ROADミドル級の頂点になった。

このように圧力を掛けて、倒すという部分で確かな強さを手にした福田だからこそ、今回の挑戦者=チャ・ジョンファンとの対戦では、これまでと違う戦いが不可欠となる。RFCではウェルター級で戦ってきたチャ・ジョンファンはブラジル勢を相手に1勝1敗2分、RFCでは通算2勝1敗1分の成績を残す。この間、ONEでイゴール・グレイシーにTKO勝ちし、カザフスタンのアラッシュPRIDEでも3勝0敗だったアイベク・サメタエフを腕十字で下すなど、過去10試合は長南亮戦の勝利も含め6勝2敗2分と大きく勝ち越している。

【写真】距離を取って回転系の蹴り技も繰り出すチャ・ジョンファン(C)MMAPLANET

【写真】距離を取って回転系の蹴り技も繰り出すチャ・ジョンファン(C)MMAPLANET

チャ・ジョンファンがこれまでの福田の対戦相手と違うのは、無暗にラッシュしてこない点に尽きる。しっかりと距離を見て、相手の攻撃を被弾しない戦い方は愛弟子でフェザー級王者のチェ・ムギョムに通じるものがある。自らの攻撃としてはオーソドックスの構えから右ミドルや右ローを効かせ、右ストレートも伸び、柔術ベースだけにトップ&ガードどちらも基本に忠実な動きができる。

福田は常に韓国MMAらしいバチバチの真っ向勝負に打ち勝ってきただけに、間合いを外す相手との戦いはUFC以来となる。特に気を付けたいのは右ローだ。サウスポーの福田はワイドスタンスでローを前足に受けながらも距離を潰してパンチを入れてきた。しかし、チャ・ジョンファンは福田の攻撃を真っ向から受け止めるような無策なことはしない。バックステップやサークリングでかわして、ローで前足を削ってくるはずだ。福田が前に出る気持ちが強くなりすぎると、ローを重ねて前足が殺されかねない。そうなると得意のテイクダウンや距離を詰める動きに影響を及ぼすので、まず試合の入り方には気を付けなければならない。

言ってみればUFC時代を思い出して、相手のレンジに入らない戦いも頭に入れるべき。だからといって、福田はこの2年で身に着けた強さを捨てる必要はない。接近戦のヒザ蹴りやアッパーの威力が、距離を取ることに長けたチャ・ジョンファン相手だからといって半減するわけでもない。その強さを発揮するために、これまで韓国で見せてきた前に出る打撃から組みという流れに溜めを作るなど、変化をつければ福田の攻撃力こそチャ・ジョンファンに自分の戦いをさせない一番の武器となる。そのためにも、これまでよりやや距離を取りながら、テイクダウン狙いをフェイントにして距離を潰すような動きも大切になってくるだろう。

もう一点、福田が気を付けたいのは、チャ・ジョンファンはサウスポーでも戦えることだ。下がると見せて、構えを変えてから狙うカウンターの蹴りやパンチには十分に気を付けたい。そのチャ・ジョンファンも寝技の展開でガードになって動きを止めると、即減点という新しい加点式裁定基準があるだけに、テイクダウンに対して相当ナーバスになっているに違いない。逆に福田はトップを取れば、コツコツとパンチをいれておけば加点が続く。そのテイクダウンを取るまでの攻防で、いかに前足を削られないか。ここさえクリアすればROADの新裁定方法は福田の追い風にもなる。

■ROAD FC28対戦カード

<ROAD FCミドル級選手権試合/5分3R>
[王者]福田力(日本)
[挑戦者]チャ・ジョンファン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
ムン・ジェフン(韓国)
根津優太(日本)

<バンタム級/5分3R>
クォン・ミンソク(韓国)
アラテン・ヘイリ(中国)

<女子アトム級/5分2R>
パク・ジョンウン(韓国)
リュウ・ジャオニ(中国)

<フェザー級/5分3R>
キム・ヒョンス(韓国)
チョ・ヒョンオク(韓国)

■ Young Gun26 対戦カード

<フェザー級/5分2R>
ハ・テウン(韓国)
ヤン・ボー(中国)

<ライト級/5分2R>
パク・チャンソル(韓国)
ルウ・カイ(中国)

<ミドル級/5分2R>
チェ・インヨン(韓国)
チェ・ウォンジュン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
ソ・ジンス(韓国)
ユン・ホヨン(韓国)

<フライ級/5分2R>
チェ・ジョンホン(韓国)
パク・スワン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
キム・ヨングン(韓国)
イ・ユンジン(韓国)

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