この星の格闘技を追いかける

【on this day in】10月27日──2009年

27 10 09【写真】ノーギ柔術の練習をした格好のままサーフィンに行ってしまったジョエル・チューダー (C)MMAPLANET

Joel Tuder
@カリフォルニア州サンディエゴ、BJJレボリューション
「その道では本当に有名な人らしい。自分はサーフィンのことは全くしらない。そして、子供の頃は日本人がするものだという認識すら持っていなかった。ビックリしたのは、今年86歳の父親が戦後間もないころ、進駐軍に習ったことがある──と言っていたことだ。その話を聞いたもの、もう35年ぐらい昔の話だし、ジョエル・チューダーという柔術家に興味を持ったのは09年のADCC世界大会で、あのフーベン・シャーレス・コブリーニャを相手に、普通に勝負ができた米国人が、僅か6年で黒帯を取得したと聞いたからだ。ジョエル・チューダーのインタビューが掲載された時、何年も連絡をしたことがなかったかつての記者仲間から、『今、サーフィンをやっていてジョエル・チューダーの記事を高島さんが書いているから懐かしくなって』と連絡を貰った。そして、ロングボードの世界では知らぬ者がいないほどの存在だと教えられた。6年の前の今日、僕が会った時はもう既に現役のプロサーファーを退いて5年ほど経っていたが、スポンサー契約で生活ができ趣味の柔術に没頭していると言った時の泰然とした笑顔が強く印象に残っている。自然を相手に戦ってきた彼は、柔術といえども陸の上で起こり得る事態には、何も焦ることがない。そして、好きなことをして人生を謳歌している人ならではの朗らかさが感じられた。『柔術は筋肉を堅くさせても、頭と気持ちを柔らかくしてくる』。こう言ってジョエル・チューダーは柔術の練習後、アカデミーの裏に止めてあったピックアップ・トラックからショートのボードを下ろして、パシフィック・ビーチへ向かって歩き出した。彼を誘む太平洋の風は湿り気や潮っぽさは全く感じられない、爽やかさに満ちていた」

on this day in──記者生活20年を終えた当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

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