【UFC FX08】サウスポー対決の妙、ヴィトー×ロックホールド
【写真】ヴィトーがMMAデビューを果たした1996年10月、ロックホールドは12歳になったばかり。とはいえ年齢差は7つの2人の対戦の行方は―― (C)MMAPLANET
18日(土・現地時間)、ブラジルはサンタカタリーナ州ジャラグァドスウのアレーナ・ジャラグァで行われるUFC FX08「Belfort vs Rockhold」。地元ブラジルのヴィトー・ベウフォートが元Strikeforce世界ミドル級王者ルーク・ロックホールドを迎え撃つ一戦が組まれた。
UFC on FOX7ではギルバート・メレンデスがベンソン・ヘンダーソンに肉薄し、ジョシュ・トムソンがネイト・ディアスをKO、UFC159でパット・ヒーリーがジム・ミラーから一本勝ちを収めるなど、UFCにおいても確実に強さを見せているストライクフォース勢。ロックホールドもUFCミドル級で活躍が期待される一人だ。
キャリア3戦目でストライクフォース出場を果たし、直後は1R決着も多く、フィニッシャーとしてインパクトを残してきたがロックホールドだが、特筆すべきはサウスポー&長い手足、そして距離感を活かすファイトスタイルにある。
両手を下げ気味に構えて、基本的には後ろ重心。まずは相手との距離を把握しながら、前手のジャブ、しっかり軸足のカカトと腰を回して蹴る左ミドルで打撃を組み立てていく。ホナウド・ジャカレとの王座戦ではその左ミドルで間合いを詰めさせず、完封した。続くキース・ジャーディン戦ではジャブ→右フックのカウンターでKO勝ちしている。
ストライクフォース最後の試合となったティム・ケネディ戦は、やや単調な試合展開となったが、ある意味、テイクダウン&スプロールの勝負になっても強いところを見せたといえるだろう。柔術ベースで打撃を進化させたロックホールド。バックボーン、スタイルは異なるものの、スタンドの局面でバックステップも駆使しながらジャブ&左ミドルで距離を支配する戦い方は、リョートに近いタイプに分類される。対戦相手としては、第三者が見ている以上に戦い辛さを感じているに違いない。
対するヴィトーは今年に入ってブラジル大会に2連続参戦。ここ5戦は3勝2敗、敗れた相手がアンデウソン・シウバとジョン・ジョーンズと、なかなか実力査定の難しい相手との試合が続いている。ただし、1月のマイケル・ビスピン戦では見事な左ハイキックで不利な予想を覆すなど、一発で試合を決める攻撃力は健在だ。敗れた試合でもジョーンズにガードポジションから腕十字を極めかけるなど、試合の随所に光るものを見せている。
両者ともまずはスタンドの攻防でイニシアチブをとるタイプだが、ロックホールドがジャブ&左ミドルで距離を把握してフィニッシュするのに対し、ヴィトーはプレッシャーをかけて左の強打につなげる。ロックホールドがしっかりと自分の距離をキープできるか、それともヴィトーがプレッシャーをかけられるか。そのペースの取り合いがポイントになる。
そんな2人の試合で注目されるのが、両者ともにサウスポーということだ。ロックホールドの距離感はリーチによるところも大きいが、サウスポーで懐が深く、オーソドックスの相手に対して左ミドルが有効だったという点が挙げられる。一方のヴィトーもオーソドックスの相手に対して半歩外側に踏み込んでの左ストレート、左のロングフック、それと同じ軌道で蹴る左ハイキック、この組み合わせを武器としており、オーソドックス対策としてのコンビネーションと言える。
今回はサウスポー同士の対戦となり、2人にとって得意なパターンが使いづらい状況での試合となる。そうなればこれまでの試合で見せていない、もしくはあまり見せていない技の引き出しが必要とされる。
過去の試合からそれを抽出すれば、ロックホールドはデイブ・カマリロに育てられたグラップラーの一面もあり、またテイクダウンゲームに持ち込み、そこで削り勝つ術を持っている。一方のヴィトーも前述したように、ガードポジションからのサブミッションという武器がある。キャリア33戦目のヴィトー、12戦目のロックホールド――打撃の攻防以外で、MMAファイターとしての幅の広さを見せた方が有利に試合を進める一戦になる。
■UFC FX08対戦カード
<ミドル/5分5R>
ヴィトー・ベウフォート(ブラジル)
ルーク・ロックホールド(米国)
<ミドル級/5分3R>
ジャカレ・ソウザ(ブラジル)
クリス・カモージ(米国)
<ライト級/5分3R>
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)
エヴァン・ダナム(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ハファエル・ナタウ(ブラジル)
ジョアォン・ゼフェリーノ(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
ハクラン・ディアス(ブラジル)
ニック・レンツ(米国)
<ライト級/5分3R>
フランシスコ・トリナルド(ブラジル)
マイク・リオ(米国)
<ライト級/5分3R>
グレイゾン・チバウ(ブラジル)
ジョン・チョリッシュ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
パウロ・チアゴ(ブラジル)
マイケル・プラゼレス(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
ユーリ・アルカンタラ(ブラジル)
イリアーディ・サントス(ブラジル)
<ライトヘビー級/5分3R>
ファビオ・マルドナード(米国)
ロジャー・ホレット(米国)
<フライ級/5分3R>
ジョン・リネケル(ブラジル)
アザマット・ガシモフ(ロシア)
<フライ級/5分3R>
ジュズエ・フォルミーガ(ブラジル)
クリス・カリアソ(米国)
<ライト級/5分3R>
ルカス・マルチンス(ブラジル)
ジェレミー・ラーセン(米国)