【UFC192】レスリング時代の因縁の決着、凸凹マッチ=ウッドリー×ヘンドリックス
【写真】大砲を打ち合うようなチェスマッチが見られそうなウッドリー×ヘンドリックス (C)MMAPLANET
3日(土・現地時間)、テキサス州ヒューストンのトヨタセンターでUFC 192「Cormier vs Gustafsson」が開催される。メインはUFC世界ライトヘビー級選手権試合=ダニエル・コーミエー×アレクサンダー・グスタフソン戦の同大会、セミでウェルター級トップコンテンダー対決が組まれている。
開催地ヒューストンと並ぶテキサスの中心都市ダラス在住の前世界ウェルター級王者ジョニー・ヘンドリックスと、タイロン・ウッドリーの一戦。両者、D-1オールアメリカンレスラーながら、オクラホマ州立大時代のヘンドリッグスはNCAAを2度制し、準優勝が1回と2004年から2007年に掛けて、カレッジレスリング界を制圧していた。
一方、ウッドリーは2003年から2005年までミズーリ大レスリング部のキャプテンで、戦績的には同じオールアメリカンでもBig12カンファレンスで03年に優勝、05年の準優勝が最高位だ。この西部の大学が名誉を掛けて戦う対抗戦、05年の決勝でミズーリ大はオクラホマ州立大に敗れている。当時もキャプテンだったウッドリーは、165ポンド級で大学ナンバーワンのヘンドリッグスと対戦。クォーターから背後を取られている状態で、ウッドリーがヘンドリッグスの指を噛んだとしてペナルティポイントを取られ敗れている。
ただし、当時の映像を見る限り両者の背中越しにアングルのためことの真相は分からない。突然ヘンドリックスが頭をホールドしていた右手を離し、大きなアクションで手首を振るっている。ウッドリーは何が起こったのかという表情を浮かべるといった具合だ。後に別角度から写真をメディアに公開したウッドリーは、ヘンドリックスがフックしてきたにも関わらず自作自演を行ったと主張している。
そんな因縁の両者、今ではMMAを代表するファイターとしてレスリングだけでなく強力なKOパンチを有している。とはいっても、両者の打撃&MMAレスリングは対照的だ。サウスポーの構えから、左ストレートやアッパーを伸ばして前進、そのままケージに押し込んでテイクダウンを奪っていくヘンドリッグスに対し、基本ウッドリーは距離を取る。構えはオーソドックスで、中間距離の打撃戦を続け、相手が出てきたところで右のオーバーハンドを入れるのが常套手段だ。
自然、ウッドリーは相手を自分の射手距離内に誘うために足をよく使うため、爆発力とアグレッシブなスタイルで人気を博すヘンドリックスと違い、会場のファンの支持率は高くない。自らの波状攻撃で試合のペースを掴むヘンドリッグスと、相手との距離をコントロールし待ちの姿勢のウッドリー。またウッドリーはケージを背にした時のサークリングも長けており、相手が距離感を失って組み合いになった時には左手で相手の右ワキを差し、右手で左足をリフトし、テイクダウンを奪っていく。
このテイクダウンの攻防に置いても、両者の違いは明白で前述したようにヘンドリッグスは打撃の圧からケージに押し込んでダブルレッグへ移行する。まるで凸凹コンビのように、サウスポーとオーソ、ラッシュとカウンター、ケージに詰める×サークリングと何もかも正反対の両者。
右手前のヘンドリッグスの左ストレートに代表される前に出る圧力、まずはそこをウッドリーが見切ることができるのか。また、バックステップとサークリングに秀でたウッドリーに対し、ヘンドリックスが戦い方をアジャストしてくることはあるのか。先行ヘンドリッグス、後攻めのウッドリー的。どのようなMMA戦いの数式がオクタゴン内で繰り広げられるのか。一発KOの可能性も、観客に伝わらない試合になる可能性もある一戦、ガスとペースが1Rの中盤以降は鍵を握る。
■ UFC192対戦カード
<UFC世界ライトヘビー級/5分5R>
[王者] ダニエル・コーミエー(米国)
[挑戦者] アレクサンダー・グスタフソン(スウェーデン)
<ウェルター級/5分3R>
ジョニー・ヘンドリックス(米国)
タイロン・ウッドリー(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ライアン・ベイダー(米国)
ラシャド・エヴァンス(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ショーン・ジョーダン(米国)
ルスラン・マゴメドフ(ロシア)
<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカ・アイ(米国)
ジュリアナ・ペニャ(米国)
<フライ級/5分3R>
ジョセフ・ベナビデス(米国)
アリ・バガウティノフ(ロシア)
<フェザー級/5分3R>
ジャイー・ロドリゲス(メキシコ)
ダン・フッカー(ニュージーランド)
<ウェルター級/5分3R>
アラン・ジョバーン(米国)
アルベルト・トメノフ(ロシア)
<女子ストロー級/5分3R>
ローズ・ナマジュナス(米国)
アンジェラ・ヒル(米国)
<ライト級/5分3R>
イスラン・マカチェフ(ロシア)
アドリアーノ・マルティンス(ブラジル)
<フライ級/5分3R>
クリス・カリアソ(米国)
セルジオ・ペティス(米国)
<ヘビー級/5分3R>
デリック・ルイス(米国)
ビクトー・ペスタ(チェコ)
<ライト級/5分3R>
フランシスコ・トレビノ(メキシコ)
セイジ・ノースカット(米国)