【PXC49】宇良を秒殺、フランク・カマチョ 「PXCライト級王座を目指す。日本で戦えるなら170ポンドも」
【写真】キャリア17勝3敗としたフランク・カマチョ。宇良の控室を訪れ感謝の言葉を伝えた直後に話を訊いた (C)MMAPLANET
7日(金・現地時間)、PXC49で宇良健吾に初回TKO勝ちを収めたフランク・カマチョ。マリアナ諸島ナンバーワン・ライト級ファイターが、その強さをまざまざと見せつけた勝利のあと、感極まった表情を浮かべた。
あの涙の意味は何だったのか。そして、今後に関して試合直後のカマチョに尋ねた。
――試合後、かなりエモーショナルな雰囲気になっていました。
「まず、ケンゴと戦えて本当に嬉しかった。僕が12、13歳の時に初めてサイパンでファイティングの練習を始めた時のセンセイがテツシ・カトーだったんだ。そしてカトーとケンゴはピュアブレッド大宮で一緒に練習していた仲だと知っていた。そんなファイターと、PXCで戦えて本当に良かったよ。
そして、この週の初めに台風がサイパンを襲い、けが人がたくさん出て、家屋倒壊や色々な被害があった。知事からは緊急事態宣言まで発せられた状況で、僕は島を離れグアムでこの戦いに挑んでいたんだ。そしてケンゴの国、ジャパンでは4年前に大きな津波に襲われことを想い出し、試合後は本当に色々な想いが去来したんだ」
──そこで粕谷優介選手の名前を出していました。
「ユースケとまた戦いたい。あの試合、僕はもう絶対に勝ったと思った。そうしたら、一瞬、ほんの一瞬のことでバックを取られRNCでタップを強いられた。戦いの怖さを教えてくれたユースケと、もう一度戦いたい」
──粕谷選手との試合が実現するには、ひょっとするとPXCというステージではないかもしれないですね。
「PXCでも、日本でも。どこでも構わない、もう一度彼と戦いたいよ」
──そんなフランクとの再戦を熱望する選手が日本にいます。中村K太郎選手です。K太郎選手は7月にDEEPウェルター級王座に就き、170ポンドで減量の厳しいカマチョ選手と再戦をしたがっていると聞いています。
「170ポンドかぁ……。いや、確かに僕はこれまで本当に155ポンドに落とすことに苦労してきた。ケージの中で戦う前に計量というもう一つの戦いに勝利する必要があった。ホント、計量を終えた時には1試合終わったぐらいにフラフラになっていたんだ。
グアムにいたら分かるだろう? 本当にご飯が美味しいんだ(笑)。そして、すぐに太ってしまう。でも、僕はプロフェッショナルだ。もう変わった。しっかりと栄養学を考え、ダイエットの指導を受け、この戦いに打ち勝つことができた。
だから気持ち的にはこれからも155ポンドで戦っていきたいし、今後1試合、2試合とクリアしPXCライト級王座を狙っていきたい。チュージ・カトーがベルトを返上したようだし、また新たな戦いが始まると思っている。
でも、日本で戦えるなら170ポンドだろうが、ナカムラと再戦することは頭にいれておきたいね。さっきも言ったように僕の最初のセンセイは日本人のカトーだった。彼の国で試合がしたい。それはずっと僕が持ち続けている夢なんだ。170ポンドか……そうだね、日本で戦えるなら考えたいと思う」
──試合直後にありがとうございました。
「こちらこそ。ケンゴ・ウラと戦えた光栄だった。そして、勝てて良かった。これからもベストを目指し戦っていく。そのなかで日本で戦う機会を得ることができたら、本当に嬉しいよ」