【RFC11】ヨアキム・ハンセン(02)「ソ・ドゥウォンに勝つことから」
【写真】グランドスラムの練習には、常に少し遅れて参加しているというヨアキム。マイペースが信条。ウォーミングアップもなくスパーリングに臨むこともあるようだ(C)MMAPLANET
4月13日(土・現地時間)、活動開始から2年半を経て11度目のイベント開催で最大のビッグショーを行うRFC。ソウルのオリンピック・ホールで開かれるRFC11で、ソ・ドゥウォンと対戦するヨアキム・ハンセンのインタビュー。
その後編はSBで戦うことのMMAファイターとしての利点、そして階級について語ってもらった。
<インタビュー前編はコチラから>
――2月23日のSB、金井健治戦は70キロ契約。以前はその体重でMMAも戦っていたとはいえ、先日の試合のヨアキムは本来の動きとは言い難く、やや重かったように見受けられました。
「そう見えたら、正解だ(笑)。長い間70キロで戦って来たけど、10年前と今が同じスピードだとは思っていない。それが普通さ。それにカナイ戦ではクリンチを多用し、彼を疲弊させてようという作戦だった。
カナイは、切れとスピードが信条の選手だ。そこを潰して戦おうと思っていたんだ。でも、決してホールドしていたわけじゃない。クリンチからの投げで、2度シュートポイントを取れたのは嬉しかった(笑)。あれがSBルールに適合した、僕の立ち技のスタイルだよ。
シュートボクシングで戦って投げでポイントを得るには、テイクダウンではなく、スローイングが必要になってくる。腰より上で投げないと、ポイントもつかない。ダブルレッグなら、しっかり相手を肩に乗せてから倒さないと、加点もなく疲れるだけになってしまうんだ」
――そんなSBの経験は、どのようにMMAに生かされるのでしょうか。
「SBとMMAは距離、角度、高さも違う。ホントにSBの戦いには以前から興味を持っていた。スタンドのバーリトゥードという興味深いコンセプトを持っている。SBでシュートポイントが取れるようになると、MMAはずっと戦いやすいものになる。パンチや蹴りからクリンチという部分を磨きあげることができると、当然のようにMMAではダブルやシングルは当然として、ボディロックからのテイクダウンもずっと仕掛けやすくなるからね」
――なるほど。RFCでのファイトはフェザー級契約ですが、もともとヨアキムはほとんど減量をしないファイターでした。ライト級とフェザー級で戦う時に体力面での違いを感じることはありますか。
「どうなんだろう? 元々、修斗時代は70キロで戦い、PRIDE武士道では73キロだった。DREAMで途中からフェザー級で戦うようになったけど、僕のなかではライト級時代の方がスピードもあったし、また70キロに戻すことも考えている。RFCでの試合は65.5キロ、今は73キロだし、計量前日に残り2キロほどまでに落す必要があるかな。寝て、また500グラムぐらい落して、残り1キロから1.5キロを当日に減らす。試合の時は70キロに戻っているから、ライト級で戦うなら、そんな手間がなくなるしね」
――ただし、ライト級なら普段は80キロ・オーバーという相手と戦うことがザラになり、瞬発力が求められる機会が多くなったMMAで、どのように判断するからですね。RFCではフェザー級王座決定トーナメントを開き、ヨアキムは新王者へのナンバーワン・コンテンダーとなることも期待されていますよね。
「とにかく今回の試合はフェザー級で戦う。そこから、また時間を置いてライト級かフェザー級にするか考えるよ。RFCが僕に期待してくれるのは嬉しい。でも、今年の終わりごろにどうしているかとか、余り考えていないんだ。ソ・ドゥウォンとの試合で、どんな風に感じるか。まずは、彼に勝つことからだよ。だから、基本的にロングタームの契約はどこともしていないし、今は一戦、一戦を大切にしたい」
――そういえば、昨年、韓国を訪れKTTで練習したと伺っています。
「去年のSカップの前にビザの書き換えで、5日間だけソウルに行った。練習をしたのは1日だけだよ。驚いたよ、3時間ぶっ通してトレーニングするんだ。ジョン・チャンソンがいたかどうか分からないけど、良い選手が多かったよ。ベリーハード・ウォームアップから、延々とスパーリングが続く。とにかく練習時間が長かった(笑)。
日本では色んな場所で練習していて、1日だけ練習したKTTと比較することはできないけど、それぞれの形でハード・トレーニングをしているってことだよ。長い練習時間でハートが強くなることもあるし、日本の練習も十分に気持ちが強くなるくらい厳しいモノだよ」
――改めて、韓国の印象を聞かせてもらえますか。
「日本と韓国はとても似ていると思うよ。人々は親切で、文化と伝統を重んじている。もちろん、日本人と韓国人は欧州人とアジア人より似ている部分がある。ただ、韓国人の方が日本人よりもアメリカナイズされているかなって感じた」
――へぇ、それは興味深い意見です。
「より開かれているっていうのか……。きっと、大陸の一部の韓国と、海に囲まれている日本の違いだろうね。まぁ、分からないや(笑)」
――分からないですね(笑)。ところで今日はグランドスラム横浜で練習していますが、基本的にはAACCがベースとなっているのですか。
【写真】すっかり周囲の雰囲気に馴染んでいるヨアキム・ハンセン。初めての韓国、そしてケージでどのような試合を見せてくれるだろうか(C)MMAPLANET
「グランドスラムは週に2回来ている。プロ練習は午前中にあるみたいだけど、午前中は練習しないから夜のグラップリング・クラスに出ているんだ。小見川や加藤忠治ととても良い練習ができるよ。あとはAACCやシーザー・ジム、シーザー力道場を中心にトレーニングしているよ。力道場には同じ大会に出るミノワマンも来ているよ」
――ヨアキム、今日は練習前の慌ただしいなか、時間をとっていただき、ありがとうございました。では、韓国と日本のファンに何か一言をお願いできますか。
「韓国で試合ができることが楽しみにしている。自分のスキルを十分に発揮して、勝ちたいと思う。韓国で勝ったら、夏には日本に戻ってきて、またシュートボクシングやMMAの試合をしたいと思っているので、応援してもらえると嬉しいよ」
■RFC11対戦カード
<RFCライト級T決勝/5分3R>
ナム・ウィチョル(韓国)
久米鷹介(日本)
<フェザー級/5分3R>
ヨアキム・ハンセン(ノルウェー)
ソ・ドゥウォン(韓国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ティエリー・ソクジュ(カメルーン)
ウィ・スンベ(韓国)
<ミドル級/5分3R>
ミノワマン(日本)
ソン・ヘソク(韓国)
<ウェルター級/5分3R>
ルイス・ラモス(ブラジル)
チャ・ジョンファン(韓国)
<ライト級/5分3R>
ムラット・ハズガン(トルコ)
イ・ヒョンソク(韓国)
■Young Guns07対戦カード
<RFCバンタム級T準決勝/5分3R>
第5試合の勝者
第4試合の勝者
<RFCバンタム級T準決勝/5分3R>
第3試合の勝者
第2試合の勝者
<RFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
イ・ユンジュン(韓国)
キム・ホジュン(韓国)
<RFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
アラン・ヨシヒロ(日本)
ソン・ミンジョン(韓国)
<RFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
クァク・ミョンシク(韓国)
ホン・ジュンギ(韓国)
<RFCバンタム級T準々決勝/5分2R>
佐藤将光(日本)
ムン・ジェフン(韓国)
<RFCバンタム級T補欠戦/5分2R>
イ・ギルウ(韓国)
キム・ソンジェ(韓国)