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【UFC95】ディエゴ×スティーブンソン他、注目ライト級戦

2009.02.20

02dcdabb今年に入って、早くも2度目の開催となる欧州・英国圏のUFC。2月21日(土・現地時間)ロンドンのO2アリーナで行われる大会の最大の見所は大会タイトル『SANCHEZ vs STEVENSON』にも謳われている、メインのライト級戦=ジョー・スティーブンソン×ディエゴ・サンチェスの一戦だ。

【写真】ライト級転向第一戦が、タイトル挑戦に向けていきなりの大一番となるディエゴ・サンチェス (C) ZUFFA

TUFシーズン1覇者ディエゴ・サンチェス(当時はミドル級)とシーズン2優勝のジョー・スティーブンソン(当時はウェルター級)の一戦は、王者BJ・ペン×ケニー・フロリアン戦以降のライト級戦線に大いに影響を持つカードといえるだろう。


昨年10月にチアゴ・シウバと対戦予定だったが負傷欠場、今回初めてのライト級で復帰戦を迎えるディエゴに、一度はライト級タイトルに挑戦経験もあるスティーブンソン。両者ともにグラップラーとしても活躍した組み技師だ。

テイクダウンから流れるようなポジショニングやパウンドを加え、関節技で仕留めるスタイルのディエゴは、サンディエゴのユニバーシティ・オブ・ジウジツでサウロ&シャンジのヒベイロ兄弟の指導の下、その組み技の精度を高めてきた。

この試合に向け、レイクタホで高地トレーニングを積み、15分間動き続けることができるスタミナを養っている。一方、ギロチンを最大の得意技とするスティーブンソンは、ラスベガスのマーク・ライモン率いるコブラカイで、米国ナンバーワン軽量級グラップラー軍団と、その腕を磨いている。

ストライカー全盛のように感じられる北米MMAにあって、実際のところ軽量級は打撃を消化したグラップラーが、その上位を占めており、この両者にとっても打撃という要素が勝敗を分ける鍵になることも考えられる。

9a5e31c8【写真】待望のUFCデビューを英国で迎えることとなったブライアン・コッブ。いわゆる地味強のファイターだが、どこまで上位進出できるか (C) MMAPLANET

この他、アンダーカードで3試合組まれたライト級戦に、気になるファイターが二人登場する。一人は急遽、代役出場となりテリー・エティンと対戦するブライアン・コッブだ。コッブはカリフォルニアを中心し、キャリアを重ねてきたテイクダウンが強いグラップラー。打撃は今どきのMMAでは珍しいほど、不得手としているが、どこからでも組みついて倒し、そして極めるというスタイルが試合を重ねるごとに完成度を高めている。

日本でもケージフォースに参戦経験があるコッブ。来日後、米国のプロ修斗公式戦で実力者・富樫健一郎を破り、登竜門大会として注目されるPFCで世界ライト級王者に君臨、1月22日に王座防衛を果たしたばかりだ。

本来はM-1グローバルが開く、世界対抗チーム戦でコリン・オーヤマ率いるUSAウェスト・チームのライト級代表メンバーだったが、今大会で念願のUFCデビューとなる。シュアな打撃を誇るエティンが相手だが、長い下積み時代を経てつけた実力を大舞台で発揮してもらいたい。

5232b494【写真】キャリア8戦目でUFC進出を果たすエバン・ダンハン。スタンドのヒザ、そしてパウンドからの極めに注目 (C) MMAPLANET

もう一人、そのコッブが世界王者のPFCからUFCデビューを決めたのが、スウェーデンのペル・エクルンドと対戦するエバン・ダンハンだ。エクストリーム・クートゥアー所属で、MMA戦績は7戦7勝。一番最近の試合では、ユライア・フェイバーの愛弟子ダスティン・アクバリをトップからの攻めで圧倒、最後はリアネイキドチョークで仕留めている。一時はWEC参戦という噂もあったダンハンだが、英国でUFCデビュー戦を掴んだ。

対戦相手のエクルンドは、デンマークで指導者を行っていた時代に、奇しくもダンハンの現在のチームメイト、マイク・パイルと同門だったことがある。

寝技の精度を高めるためにブラジルのノバウニオンで修行し、日本では川尻達也と対戦した経験もある。自らのキャリアを比較し、ダンハンのことを「本物と戦っていない」と切って捨てたエクルンドだが、決してイージーファイトにはならないだろう。

■UFC95『SANCHEZ vs STEVENSON』全対戦カード

<ライト級/5分3R>
ジョー・スティーブンソン(米国)
ディエゴ・サンチェス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ダン・ハーディ(英国)
ローリー・マルカム(米国)

<ミドル級/5分3R>
ネイト・マーコート(米国)
ウィルソン・ゴヘイア(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
デミアン・マイア(ブラジル)
チェール・ソネン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジョシュ・コスチェック(米国)
パウロ・チアゴ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
テリー・エティン(英国)
ブライアン・コッブ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジュニオール・ドスサントス(ブラジル)
ステファン・シュトゥルーフ(オランダ)

<ヘビー級/5分3R>
マイク・シエスノレビッチ(米国)
ネイル・グローブ(英国)

<ライト級/5分3R>
ペル・エクルンド(スウェーデン)
エバン・ダンハン(米国)

<ライト級/5分3R>
ポール・ケリー(英国)
トロイ・マンダロニズ(米国)

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