【on this day in】5月15日──2004年
【写真】この試合で勝利したフレジソン・パイシャオンは2012年にMMAから引退。敗者ハニは、今もUFCで戦い続けている(C)MARCELO ALONSO
Jungle Fight02
@ブラジル・アマゾナス州マナウス、スタジオ5
「この前年に世界柔術──ムンジアルでペナ級(フェザー級)を制したフレジソン・パイシャオンが、その彼をグラップリングの試合で破っているハニ・ヤヒーラと11年前の今日、MMAデビュー戦を戦っていた。まだ茶帯だったハニはこの前年に弱冠18歳でADCCブラジル予選に出場。BTTのウドソン・ホシャ、RFTのルシアーノ・アゼレド、そしてマルコ・ロウロを破り本戦出場を果たした。マルセリーニョの影に隠れた感もあったが、既にMMAでも4戦4勝というレコードを残しており、なんだか分からないけどとにかく強いという評判の選手だった。この大会には彼ら以外にもホナウド・ジャカレ、ファブリシオ・ベルドゥム、ガブリエル・ナパォン、アドリアーノ・マルチンスらも出場している。スワッ、なんて豪華な大会なんだと思われる節もあるが、それは柔術で結果を残しているファイターが出場しているからであって、きっと世間的には空手黒帯とかっていう肩書きもムンジアル世界王者も変わらなかったはずだ。当時のブラジルにおいてジャングルファイトは、シュートボクセとBTTからPRIDEを目指すことができる選手を除いた──プロフェッショナル・ファイターを目指す人間にとって、国内最高峰のステージであり、世界への登竜門だった。今、UFCを目指すにはTUFという道がある。国内イベントがジャングルファイトのように登竜門、あくまでもゲートであるのに対し、TUFは路、ロードだ。そんなことで日本版TUF=ROAD TO UFC : Japanがスタートするけど、強い選手を輩出するには路だけでなく、門が活性化することは不可欠だ。だからパンクラス、修斗、DEEPが発展しないと、日本の格闘技界の再上昇は見込まれない──って、MMAPLANETの屋号を下ろしかねない意見で今日は〆させてもらいます(笑)。ちなみにパイシャオンとハ二はテイクダウンで圧倒したパイシャオンの判定勝ちでした」
on this day in──記者生活20年を終えた当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。