【UFC94】フィッチ、大差の判定で郷野から勝利
■第5試合ウェルター級/5分3R
ジョン・フィッチ(米国)
Def.3R終了/判定
郷野聡寛(日本)
【写真】入場では矢島美容室の格好で大声援を浴びた郷野だったが、試合はフィッチに防戦一方となり敗れた (C) ZUFFA
入場で大声援を浴びた郷野だが、試合開始早々から距離を詰められ、テイクダウンを奪われる。
すかさず立ち上がることに成功した郷野は態勢をいれかえ、フィッチがケージを背にする。首相撲からヒザを放ったフィッチに、距離をとった郷野だが、またもテイクダウンを奪われる。
ここでも立ち上がった郷野だが、すぐにグラウンドへと持ち込まれフィッチにバックを許してしまう。両足のフックこそ許さず、フィッチの左腕を脇に挟みこんで耐える郷野だったが、パンチを頭部に浴びて、1Rを終える。
2R、サウスポーに構えた郷野は、前蹴りを放ち、組みつかれても態勢を入れ替える。ボディフックを見舞った郷野は、フィッチの片足タックルを切るが、ケージを背にして小外刈りでテイクダウンを奪われる。クローズガードをとった郷野だったが、左エルボーを浴びケージに頭を固定される。
左腕をホールドすると、右のパンチを浴びる郷野。ボディと顔面にパンチを受け、ダメージが蓄積していく。左のエルボーを連打するフィッチは、中腰の姿勢でパンチを落とし、郷野が暴れると体を固定してエスケープを許さない。頭を起こして逃げようとした郷野のバックを制すると、間髪いれず細かいパンチを頭部に落とす。
体を反転し、立ち上がろうとした郷野の左腕に腕十字を仕掛けたフィッチ。郷野はヒジを抜くことに成功したが、パウンドの一つも落とすことなくラウンド終了を迎えてしまった。
飛びヒザを狙った郷野に、フィッチはボディで対応する。直後の打ち合いで、郷野の左がヒットするシーンも見られたが、直後にテイクダウンを奪われ、試合の主導権はフィッチに握られたまま3Rも進んでいく。
立ち上がり、距離を取り直した郷野は、右ストレートをフィッチのローキックに合わせるも、ジャンピングニーのタイミングが合わず、ケージを背にして組みつかれてしまう。バックを奪われそうになった郷野は、ヒザ十字を狙ったが、落ち着いて対処したフィッチがニーニンザベリーからパンチを落とし、またもバックを奪取する。回転し、トップを取った郷野が右のパウンドを落とすがフィッチは腕十字を仕掛けていく。
残り試合時間90秒、一本かKOしか勝利の芽がない郷野。ここでフィッチに立ち上がることを許し、スタンドでのハイキックも空振り、突進してパンチを仕掛けるが、どこか中途半端でフィッチに受け止められるとバックを許しタイムアップ。30-27が二人、30-26が一人と、ジョン・フィッチが圧倒的な力の差を見せつけ、郷野に勝利した。
世界のトップクラスを相手に、ディフェンス面、特にテイクダウンから立ち上がる際の攻防に成長のあとを見せた郷野だったが、攻めるまで至らないままの敗北。この日見せた成長のあとが確認できるチャンスをズッファが郷野に与えることがあるのか――。
契約が気になる郷野のUFC挑戦だ。