【on this day in】3月21日──2006年
【写真】アクション、上から制すると1ポイント。マウントは4ポイントだが、バックマウントを5ポイント。それがミソだった (C)MMAPLANET
All Japan Shooto Grappling Championship
@東京都台東区、台東リバーサイドスポーツセンター
「修斗グラップリング――。9年前の今日、ミドル級決勝で中村K太郎が八隅孝平をRNCで破り修斗グラップリングの全日本王者となった。K太郎は準決勝で高木健太にもRNCで一本勝ちしている。この他の階級ではライト級で上田将勝が徹肌ィ郎をレフェリー判定で下し優勝。端智弘がフェザー級、高橋良治がウェルター級、竹下嘉奈子が女子フェザー級で全日本修斗グラップリング王者となった。打撃がないから修斗グラップリングなのか、修斗運営陣、協会が行うから修斗グラップリングなのか。とにかく修斗は色んなことをやっていた。修斗グラップリングがあるのだから修斗ストライキング、あるいはジャケット修斗という発想も当然存在した。あの頃、僕はレスリング・ルールでジャケットを着て戦い、ジャケット・レスリングなんてあり得るか――という非常に硬い頭で、修斗××を捉えていた。思うに八百長が普通にまかり通っていた時代、修斗だけは八百長がないという信頼感、というかすがるような思いもあり、大会や団体じゃない競技だという修斗のあり方に絶対の価値を置くようになった。一競技なんだから、打・投・極があってこその修斗。打がないグラップリングや打だけのストライキング、道着を着たからジャケット――そんなものはあり得ないと思っていた。もう、UFCはTUFシーズン3に突入する頃に、だ。修斗グラップリング、ジャケット修斗はおろか、修斗柔術、修斗ムエタイ、修斗テッキョン、修斗カポエイラ、ちょんまげ&廻し修斗があっても良いだろうと今は思う。そこにMMAで強くなるというコンセプトが存在するなら。強くなるコンセプトを漢字で表せば――修斗になる。一体感がなくなった修斗に関わる人たちを見て、修斗って競技云々でなくコンセプトだったんだと思うようになった。修斗グラップリングの開催に踏み切った人たちは、そんなことずっと昔にに気付いていたに違いない」
on this day in──記者生活20年を終えた当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。