この星の格闘技を追いかける

【on this day in】2月02日──2013年

02 02 13【写真】BJの魂の絶叫が、2年後の今、しっかりと染み入ってくる(C)ONE FC

OFC07
@マレーシア・クアラルンプール、プトラ・インドアスタジアム
「このまま判定になると勝ち目は薄い。フィリピン・フライ級の二強の1人、レイ・ヨードーゲンに追い込まれていたBJは、左フックから右の拳を受け、動きが止まった。勝負ありかと思われた直後にギロチンを極め、逆転の一本勝ちを収めた。試合終了まで33秒の勝利、、感情が爆発したBJはケージに駆け上り、「日本人は強いんだ。見たか、このヤロー」と絶叫すると、さらに「日本人、頑張れ!!」と声をふりしぼって叫んだ。韓国が強くなっている――、フィリピンは侮れない。2011年9月にONE FCの旗揚げ戦を取材して以来、常に書き続けてきた。岡見勇信がアンデウソン・シウバに敗れた直後ということもあり、エドゥアルド・フォラヤンとクォン・アソルの激闘を目にして、そう思わずにはいられなかった。『北米の次はアジアか』。そんな風に思われたことだろう。UFCの頂点が限りなく遠くなり、日本のトップファイターが簡単に勝てない状況が増えるなか、アジアで勝つことでファンに評価され、その勝敗で日本のプロモーションがビジネスができれば――なんてことを考えていなかったわけじゃない。そのポテンシャルを認めても、本当の意味で日本人ファイターの危機が迫っているという切迫感はなかった。韓国に対して、そんな切迫感を認識し始めたとき、ヨードーゲンに追い込まれたBJの試合があった。日本人は負けていない。ただし、兜の緒をしめなければ韓国・フィリピンの勢いに飲まれる。今にして思えば、BJは2年後の日本人ファイターに絶叫したのかと勘違いするほど、この切迫感は現実のモノとなっている」

on this day in──記者生活20年を終えようという当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

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