【on this day in】1月24日──2009年
【写真】ライブで見た最初で最後のアフリクション、滅多に見られない豪快な逆転KO劇でヒョードルがオルロフスキーを倒した(C)GONGKAKUTOGI
Affliction
@カリフォルニア州アナハイム、ホンダ・センター
「ディズニーランドの街アナハイムを訪れたのは──3度目だった。初めてのアナハイムはこの仕事に就く前の放浪中で、ディズニーランドでなくナッツベリーファームへ行き、MLBがストライキに入る直前にエンジェルズの試合を観戦した。シャーロッテでUFC03を見る1カ月ほど前の話だ。それから11年と8カ月後、TUF開始から2年目──今からすればMMAへの期待値が最も高かった時代のUFCをホンダ・センターで取材した。1万3千814人を飲み込んだ館内(※実に実券販売が1万3千060枚に及んだという)の盛り上がり方は凄まじいものがあった。そのメインでアンドレイ・オルロフスキーが右ストレートでダウンを奪いながら、立ち上がったティム・シルビアに逆に右のカウンターを打ち込まれKO負けを喫した。UFC王座を失った2年8カ月後、今度はアフリクションのリングでエメリヤーエンコ・ヒョードルと対戦したオルロフスキーの試合をホンダ・センターで取材した。フレディ・ローチ譲りのボクシング技術で試合を優勢に進め、右ストレートのクリーンヒットを続けたオルロフスキー。ついにヒョードルが前蹴りを受けてコーナーに退いた。と、飛びヒザを狙ったオルロフスキーのアゴを皇帝の右の拳が打ち抜く。顔面からキャンバスに突っ伏すように倒れたオルロフスキーは、今もよく戦い続けることができているなと思えるほど、強烈なKO負けをホンダ・センターで2度も喫してしまった。シンデレラ城を見たり、ミッキーの歌を耳にするとオルロフスキーは悪寒がするようになっているのではないだろうか……」
on this day in──記者生活20年を終えようという当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。