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【Glory03】佐藤嘉洋(後編)「僕にフィームーは向いていません」

Yoshiriko Sato

【写真】海外で無類の強さを発揮した佐藤が、このところは苦戦を強いられている。そんな佐藤がジャバル・アスケロフ戦前に語った自らのファイティングスタイル、そしてGLORYへの期待感 (C) WORLDKICKs

今週末3日(土・現地時間)、ローマのパラマット・マティカで開催されるGLORY03 ROME「Final8」のGLOLY WORLD SERIES 70kg Tournamentのリザーブファイトに佐藤嘉洋が出場する。

『世界のトップキックボクサーの90パーセントと契約した』と豪語するGlory Sports Internationalと日本大会を共催するG-Entertainmentの提供による、GLORY Fighterインタビュー=佐藤嘉洋編。アスケロフに対し、自分が挑む立場であると強調する佐藤が、自らのファイトスタイルを分析。そして、今後を見据えたGLORY出場を語った。

<佐藤嘉洋インタビュー、前編はコチラから>

――惜しくもスプリットで判定負けを喫した前回のシェムシ・べキリ戦で、どんな反省点がありましたか。

「改めて自分は相手を見て老獪に戦うタイプじゃないなと思いました。あの試合は華麗に1Rを戦おうと思っていたら、それが上手くいかなくて、エンジンがかかってきた頃には時すでに遅し、だった。僕自身、華麗に戦う選手に憧れがあるんですよ。

でも、やっぱりそれは自分に合わない。僕は華麗に戦えないけど、逆にそういう選手が出来ない試合を出来ると思うんです。だから自分は自分で、自分らしい試合をしようと思います」

――なるほど。ただ、日本では佐藤選手は距離を取りながら上手くポイントで戦っているというイメージを持たれていることも事実です。

「それは自分でも不思議です(苦笑)」

――表現は悪いかもしれませんが、泥臭く戦って勝ちをもぎ取るのも、佐藤選手のスタイルのようにも映ります。

「いや、僕のスタイルはそうですよ。K-1で山本優弥に勝った試合は華麗に見えたかもしれないですけど、打ち合う時は打ち合っていますからね。

僕は華麗に戦う、上手い試合はしたことがない。僕にフィームー(※ムエタイ用語でテクニシャンタイプの選手を指す)は向いていません」

――今回は「やるかやられるかの試合をしたい」というテーマも掲げていますが、それはどういった心境からですか。

「僕はGLORYから他の日本人よりも高く評価してもらっているし、キャリアも後半に差し掛かっています。見ている人たちの記憶に残るような試合をしたい。今はそういう心境です」

――「これが佐藤嘉洋だ」と言える、代表作のような試合をしたいということですか。

「そうですね。もちろんそれは、最後は自分が立って勝っている試合で――です」

――ローマでのアスケロフ戦、完全燃焼して勝利を得ると?

「そのつもりです。ただ今は体の状態がすごくいいので、一戦一戦、自分が潰れるつもりで戦いますが、来年はガンガン試合をしていきたいですね」

――今回はリザーブファイトでの出場ですが、ワンマッチを戦うような心境ですか。

「目の前の試合を全力で戦えば、ラッキーなことも起こると思うんですよ。だからアスケロフ戦に集中しています」

――佐藤選手は日本大会の開催が決まる前に、GLORYに参戦しました。GLORYというイベントには何を期待しているのでしょうか。

「旧K-1は最後、エンターテイメントのまま終わってしまったと思うので、GLORYには競技として世界的に盛り上がって欲しいなと思います。そこまでスタッフと話す機会はないのですが、インタビューを読んでも、競技的な部分でも盛り上げたいというコンセプトを感じますし。

そこで競技に振り切っちゃうと尻すぼみになると思うので、競技とエンターテイメントのバランスを上手く取ってやってもらえればと思います」

――佐藤選手は2005年から約6年間、K-1を主戦場に戦ってきました。K-1が新体制で再スタートする中、GLORYで戦うことについて思うことはありますか。

「新生K-1は僕が出ていた頃の旧K-1とは別の組織・イベントだと思っています。だから(新生K-1に対して)旧K-1に対するような、ノスタルジックな想いはないです。

僕はGLORYという大会で戦っていくことを選び、そこで結果を出すことに全力を注いでいます。新生K-1には、名前は“K-1”のままですけど、新しいイベントとして『お互い切磋琢磨して頑張りましょう』という気持ちです」

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