【BFC75】本命ロジャースに覇気なし、ヴォルコフが優勝候補筆頭に
<ヘビー級T準々決勝/5分3R>
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)
Def.3-0:30-27, 30-27, 30-27
ブレット・ロジャース(米国)
左ジャブを伸ばすロジャースに対し、ヴォルコフは右ローや前蹴りを放ち様子を見る。と、距離を詰めて左ストレートから左右のショートフックを打ち込み、後回し蹴りを放つ。ロジャースの右は届かず、左を受けて後退する。ロジャースに一時期のスピードや勢いは感じられず、序盤からヴォルコフの打撃を被弾するシーンが目立つ。
右ローから右ストレート、さらに左ストレートとリズム良く攻めるヴォルコフに対し、ロジャースは下がるばかり。前に出ても左ハイを顔面に受けそうになるなど、突破口を開けないロジャースは中盤に組みつくが、いなされ右フックをヒットされる。ヴォルコフの右で動きが止ったロジャースは、首相撲からヒザを受ける。ボディへの前蹴り、右ストレート、右アッパーとヴォルコフが一方的に攻め続ける。
USAコールも虚しく、右ストレートで頭が下がったロジャースは反撃の糸口も見つけられないままヒザ蹴り、左ストレートを浴び、懸命に組みついたところで1Rが終了した。2R、左ジャブから右ストレートを伸ばしたヴォルコフが、早くもロジャースをケージ際に追い込む。ジリジリと前に出るヴォルコフに対し、下がるのみのロジャースは全く手が出ない。
左ジャブから右フックを打ち込んだヴォルコフは、ペースを考えてかラッシュを掛けることなくロジャースを追い込んでいく。中盤、右ストレートを受け動きが止ったロジャースは、左ハイをブロックして背中を見せて距離を取り直すも、真正面を向くといいようにヴォルコフのパンチを顔面に受ける。
頭を下げてテイクダウンを狙うロジャースだが、簡単にカットしたヴォルコフはワンツーにとどまらず、スリーフォーからファイブまでパンチを連打する。ガードを高くブロックに徹するロジャース。と、ヴォルコフはローで崩しに掛かるという老練さも見せる。残り10秒、ラッシュに出たヴォルコフ、ロジャースはケージを横移動し、なんとかしのぎ切った。
最終回、試合を一方的に進めてきたヴォルコフは、左ジャブの相打ちとなっても、プレッシャーをかけ続け、左ボディストレートから前に出てきたロジャースにヒザ、アッパーを打ち込む。動きだけでなく表情にも覇気のないロジャースは左ジャブを突くばかりで、有効な反撃はままならない。ワンツーから左ハイを受けそうになったロジャースは、そのまま下がり続け、右ストレートを受け続ける。
残り90秒、シングルレッグの仕掛けからショートでアッパーを放ったロジャース、初めて攻めらしい攻めを見せたが、直後に右ストレートを打ち込まれ背中を見せて距離を取る。ヴォルコフは余裕の後ろ回し蹴りを放ち、サウスポーにスイッチするなど、完全に逃げ切り態勢に入り、そのまま試合はタイムアップ。本命、ロジャースは全く良いところがないままタイムアップを迎えた。
結果、当然のようにフルマークでヴォルコフが判定勝ちを収め、「初めての米国での試合に備え、僕を支えてくれた人々に感謝している」と語った。