【on this day in】11月30日──2005年
【写真】無差別級優勝はホアン・ジュカォン・カルネイロ。2階級制覇で合計1500ユーロを手にした(C)MMAPLANET
Bruxelles International Grappling
@ベルギー・ブリュッセル、エッセルビック・スポーツセンター
「ここはリオデジャネイロか、サンパウロか。そんな風に錯覚してしまうほど、マット上でブラジル人選手が勝ち続けていた。ブリュッセル・インターナショナル・グラップリング、頭文字をとってBIGと呼ばれていた──当時、欧州で一、二を争うグラップリング・トーナメントは、フランスやオランダで指導を行っていた数多くのブラジル人選手が出場していた。80キロ級と無差別級を制したジュカォンはフランス、90キロ超級優勝のペガレヴィはオランダで組技の指導をしていた。柔術勢だけでなく、フランスとドイツでの普及しつつあったルタリーブリからは、レオナルド・ショコラーテが参戦、パリ在住のフラービオ・ペローバらも数多くの教え子を送り込んでいた。リバーサルにポイントが与えられず、テイクダウン&ニーインベリー<パス<マウント&バックマウントという得点換算で、柔術とは一線を画したルールを採用していたが、結果を残しているのは柔術家ばかり。たまたまパリ在住だった塩田さやかは無差別級に出場し結果を残せなかったBIGは、かなり質の高いトーナメントだった。あれから9年、ジュカオンはアトランタ、ペガレヴィはポートランドへ。残念ながら欧州組技界からは、今も本当にビッグな存在は生まれていない……」
on this day in──記者生活20年を終えようという当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。