【Bellator131】まるで老兵版TUFフィナーレは、ティトが勝利。格好良く年を取るのって……難しい
<ライトヘビー級/5分3R>
ティト・オーティズ(米国)
Def.2-1 : 30-27, 30-27, 28-29
ステファン・ボナー(米国)
試合開始早々に組んでヒザを入れるティト。続いてシングルでテイクダウンを奪いバックへ。起き上がったボナーが胸を合わせ、ケージにティトを押し込む。体を入れ替えたティトだが、ボナーも粘り押し込み返してヒザをボディに突き上げる。さらに2度態勢を変えた2人は、残り3分を切って離れた。体の軸が乱れるようなボナーのパンチにティトが右、左フックを軽くヒット。ここから組み付いてケージ際へ。とティトのヒザが急所に入り、さらにエルボーも受けて試合が中断される。
再開後、左を打ち合う両者。かなりスローな打撃戦だ。ボナーは手打ちのようなワンツーで前に出て、軌道を変えて真っ直ぐ系のパンチへ。ティトがここで左ストレートを入れる。残り20秒、ボナーの右フックにダブルレッグを合わせたティトが初回を取った。
2R、荒いフックで前に出るボナーに対し、ティトが大きな振りの左フックを狙う。続くテイクダウン狙いを切ったボナーだが、ワンツーを受けて姿勢が乱れる。組みからがぶって寝技に移行したティト。バックには回れずスタンドに戻ると、フックを連続で被弾する。ボナーのパンチが当たるシーンが増えると、ティトはローシングルへ。体を捩じって逃げるボナー、2人とも動きが遅い。
残り50秒、テイクダウンからバックに回ったティトがRNCを狙う。一瞬のブリッジで正対し、またバックを預けてエスケープを測ったボナー。絞めは逃れたが、パンチを受けながら2R終了を迎えた。
最終回、フックの応酬から組んだティトをボナーがケージに押し込む。いなしたティトがシングルからバックへ。さらにテイクダウンにつなげたティトがレスリングでボナーを圧倒する。ボナーのキムラクラッチを嫌がり距離を取ったティトは、ローをキャッチされパンチを受けそうになる。背中を向けて間合いを外そうとしたティトを追いかけることができないボナー。残り2分、動けない両者。ヘロヘロになりながら、拳を出す、最後にパンチで前に出たボナー、連打で迎え撃ったティトは終了の合図を受けて、左右の中指をボナーに立てた。
結果はなぜか2-1に分かれたが、順当にティトのモノに。舌戦がなく、2人がビッグネームでなければ、素晴らしい気持ちを見せたと称えたくなるのかもしれない。特にティトのレスリング&コントロール力は目を見張るモノがあった。しかし、これは格闘技。同時間帯にUFCが行われていることを考えると、そのレスリングも若くて生きの良いファイターに通じなければ、マスターやシニアというカテゴリーが必要になってくる。何よりも勝者コール時も含め、試合後の2人を見ていると──、格好良く年を取りたい、と思わせられる老兵版TUFフィナーレのような戦いだった。