【写真】純粋なストライカー対決、ただし打撃になってもベースが違うマヌーフとシリング。読めないのはシリングの方だ (C)BELLATOR & GLORY

15日（土・現地時間）、カリフォルニア州サンディエゴのザ・バレービューカジノ・センターで開催されるBellator 131「Tito vs Bonnar」。ティト・オーティズ×ステファン・ボナーというオールド・ビッグネーム対決、本格派＝ベラトール世界ライト級王座決定戦ウィル・ブルックス×マイケル・チャンドラー戦などと並んで、メルヴィン・マヌーフのベラトール2戦目がメインカードに見られる。

9月のサークルケージ初陣では、元WEC世界ライトヘビー級王者でベラトール・ミドル級タイトル・コンテンダーのダグ・マーシャルを105秒でKO。即ミドル級王座挑戦かと思われたマヌーフだが、UFCの裏番組で立ち技決着必至のジョー・シリングを対戦相手に迎えることとなった。MMA戦績29勝11敗1分1NCのマヌーフと、1勝3敗のシリング。なぜ、こんな試合がマッチングされたのか、それはシリングがベラトールと同様Spikeの格闘技番組＝キックのGLORYファイターだからだ。

金曜日の格闘技枠を視聴者に定着させたいSpike。そのMMAとキックのクロスオーバー・ファイトがこの一戦ということになる。そして、キックの実績でいえばシリングは昨年のGloryミドル級ワールドチャンピオンシップT優勝者で、初のPPV大会となった6月のラストマン・スタンディング・ミドル級Tでも準優勝と、同トーナメント初戦で敗退し、キックでは過去6連敗のマヌーフとは立場が逆転する。

本来、MMAとキックは違う──と力説したいところだが、この両者が求められているのはキックグローブをMMAグローブに装着しなおした打撃戦だ。それでも自らの強さを認めてプロファイターになった両者だけに、勝つためにはあらゆる手段を使うべきだ。同時に戦いが打撃中心であろうとも、四角いリングとサークルケージではステップから防御から違ってくる。

加えて、マヌーフのキックでのパフォーマンスが優れないのには、理由があった。3年ほど前よりスネが割れやすくなっており、彼の一番の武器である右ローを使わずに試合をしてきた。そしてスネのサポーターが禁じられるケースが多い米国MMAで戦うことを決めたマヌーフ、9月のベラトール初陣では左とともに右の蹴りも使っており、ようやく傷も癒えたようだ。こうなれば、米国産キックボクサーのシリングが足下から削れる可能性はかなり高くなる。

その一方で、フック中心のマヌーフの顔面を、シリングのストレート系のパンチが捉える可能性も低くない。となれば、やはりこの試合はMMA。かつてATTで組技を磨いた時期もあったマヌーフが、ちょっとした組みのフェイントを交えることで、より打撃を使いやすくなるのだが──果たして。シリングにしても、マヌーフがK-1ルール系のキックで活躍してきたのに対し、彼はムエタイ系の立ち技ファイター。

元WBCムエタイ世界ライトヘビー級暫定王者だけに、首相撲やヒジなど、GLORYで見せられない打撃が見られる可能性もある。何よりも、MMA唯一の勝利が三角絞め、そしてニック・ディアズの下に合流したというのも気になるところだ。ある程度動きが読めるマヌーフに対し、MMAでは何を持っているのかベールに包まれているシリング。マヌーフがラフに攻めると何が起こるか分からない、この試合のカギを握っているのはシリングといえるだろう。

■Bellator131対戦カード

＜ライトヘビー級／5分3R＞
ティト・オーティズ（米国）
ステファン・ボナー（米国）

＜Bellator世界ライト級王座決定戦／5分5R＞
ウィル・ブルックス（米国）
マイケル・チャンドラー（米国）

＜ライトヘビー級／5分3R＞
キング・モー（米国）
ジョシュ・ヴェデポ（米国）

＜ミドル級／5分3R＞
メルヴィン・マヌーフ（オランダ）
ジョー・シリング（米国）

＜バンタム級／5分3R＞
マイク・リッチマン（米国）
ナム・ファン（米国）

＜ミドル級／5分3R＞
AJ・マシューズ（米国）
カイル・ボルト（米国）

＜フライ級／5分3R＞
ロン・ヘンダーソン（米国）
ジョナサン・サンタマリア（スロベニア）

＜フェザー級／5分3R＞
ジョーダン・ベイリー（米国）
アレックス・ハイリー（米国）

＜フライ級／5分3R＞
マシュー・ラミレス（米国）
ニック・ガルシア（米国）

＜ウェルター級／5分3R＞
アンディ・ムラド（米国）
ババ・ピュー（米国）

＜フェザー級／5分3R＞
ローランド・ペレス（米国）
マーク・ボージャス（米国）

＜ライト級／5分3R＞
イアン・バトラー（米国）
ジョアォン・パウロ・ファリア（ブラジル）

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