【on this day in】11月10日──2012年
【写真】米国のカジノリゾートでUFCやMMAを誘致するのは、宿泊客、ファンとギャンブルに勤しむ層が一致しているから。2年前のマカオ第1回大会では、そんな風な様子には余り見受けられなかった……(C)MMAPLANET
UFC MACAO
@マカオ、ベネチアン・リゾート内コタイアリーナ
「特別行政区とはいえ、欧米の感覚でいえばマカオは中国なのだろう。近頃、大学生たちの抗議活動が行われていた香港と並び、マカオは僕のなかでは中国とは一致しない。中国本土には行ったことがないので偉そうなことはいえないが、もう20数年も昔にF3世界一決定戦を見に行った時に──ミハイル・シューマッハーがミカ・ハッキネンをヒットし優勝した年──喧噪の香港と余りにも対照的なマカオの鄙びた雰囲気は、僕のなかでは美しい思い出として残っていた。初めてのUFCマカオ大会の際、香港、韓国、米国、そして日本の記者陣が列をなしてパスの受け渡しを待っているにも関わらず、時間になると3倍ぐらいの大陸系の記者が横入りしてきたときには思い出が汚されたように感じた。人の良い・悪いに国籍も人種も宗教も関係ない。良いヤツは良い。悪いヤツは悪い。それが信条だ。そのためには国や肌の色、信じている神でなく、個の付き合いが必要になってくる。そのツールが僕にとっては格闘技。中国人ファイターがもっと強くなって、取材を通して『中国の人』を今より知りたい」
on this day in──記者生活20年を終えようという当サイト主管・高島学いわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。