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【PXC45】死闘制したアグォン、ディを振り切り新PXCバンタム級王者に

<PXCバンタム級王座決定戦/5分5R>
カイル・アグォン(グアム)
Def.2-1
ロランド・ディ(フィリピン)

サウスポーに構えたアグォンにディが左ローを入れる。続く右ローをキャッチしそうになったアグォンが即組みついていく。ハイクロッチからテイクダウンに成功したアグォンは足を一本抜くも、ディもフルガードに戻していく、ならばと反対側の足を抜いたアグォンだが、ディはここでもガードに戻す。パスのプレッシャーを掛けるアグォンに対し、上半身を起こしたディが立ち上がって距離を取り直す。アグォンの左ミドルに左フックを合わせたディは、続いて左フックを打ち込みアグォンがバランスを崩す。

ディが連打で前に出ると、真っ直ぐ下がったアグォンは背中を見せるように距離を取る。右ハイから前に出てパンチを伸ばすアグォンは左フックから右を受けそうに。素早いジャブから左ローを入れたディが、打撃の勢いを終盤に見せつけた。

2R、ディはいきなり右ミドルを蹴り込み、さらにローにつなげる。アグォンは左ハイを見せ、そのままパンチから組んでいく。エルボーを頭部に落としたディはシングルにも頭を押して足を抜くなど反応が良い。ディは左フックから距離を詰め、プレッシャーを掛けていく。アグォンも左ストレートを伸ばすが、蹴りを織り交ぜたディの方が優勢だ。アグォンは左ミドルを返す。ディは右ローを入れ、右フックから前に出る。さらに右ボディストレートを見せたディは、飛びヒザを繰り出すなど勢いのある攻撃が目立つように。左を受けたアグォンは組みに行けない。ディは右ハイから左ジャブ、そして左ボディストレートと攻撃を散らす。

勢いのある左ミドルを受けながら、この足をキャッチしたアグォン。しかし、ここでテイクダウンを奪うことはできない。と、続くパンチの交換のなかで右を打ち込んだのはアグォン。動きが止まったディに再び右を入れると、ディが姿勢を乱す。後方にバランスを崩したディに対し、パンチをまとめたアグォンが、残り45秒からの猛攻で2Rを取った。

3R、ディの右ミドルにも思い切り前に出ることができるようになったアグォンは、左に対し右フックをカウンターで打ち込む。ディは左ミドルをキャッチして左フック。さらに右ミドルを入れると、アグォンはワンツーを返す。ディもヒザをボディに入れると、続いてボディにワンツー、右オーバーハンドから左フックを入れ、動きが止まったアグォンに首相撲からヒザ、さらにエルボーと猛攻を仕掛ける。何とか離れたアグォンの右ジャブに左ジャブから、重い右フックをディがヒットさせる。動きの止まったアグォンは懸命にサークリングでディのパンチをかわすも、右ハイを受け、右エルボーをケージ際に顔面に被弾する。ディが3Rを確実に自らのラウンドとした。

4R、ワンツーから組みに行ったアグォン、その肩の当たりにエルボーを落とすディは、ハイクロッチからテイクダウンを許す。スイープ狙いで隙間を作り立ち上がったディを再びケージに押し込むアグォンが、シングルへ。これを切って距離を取ったディは左フック、必至の形相でテイクダウンを狙うアグォンが今度はダブルレッグへ。スイッチからバックを窺うディに対し。胸を合わせたアグォンが低い姿勢でアンクルを取りに。そのアグォンの体を跨いだディが距離を取り直す。

徹底して組み付き続けるアグォンだが、ディは体を入れ替え逆にケージに押し込む。アグォンも態勢を変えて、ダブルでディを押し込むとハイクロッチへ。頭を下げていられなくなったアグォンは、ボディにヒザを受ける。必至にテイクダウンと押し込みを続けたアグォンが4Rを乗り切った。打撃を被弾せずに、ポイントをゲットしたアグォン、地味ながら重要なラウンドとなりそうだ。

最終回、ディが右ミドル、右ストレートから左フックを打ち込む。ここで組み付いたアグォンだが、体を捩じったディが離れ、左ストレートをヒットさせる。左フックは空振りになったが、続く右を当てたディは、アグォンのエルボーからワンツーを被弾。やや遠い距離から右ジャブ、左ストレートを伸ばすアグォンが打撃でも攻勢に。と、ディは右ストレートを打ち込み、流れを止めるがアグォンも右ジャブが伸ばす。アグォンのワンツーを一発の勢いで盛り返すディは、右ミドルを蹴り込む。続くワンツーをスウェイでかわしたアグォンは、右ハイをブロック。しかし、直後に右フックを受けそうになる。左アッパーから右を伸ばしたディ、もう少し手数が欲しいところだ。

慎重な両者、アグォンは右フックにアウトから右フックを狙う。残り時間が少なくなったところで組み付いたアグォンはヒザをボディに受けながら、金網にディを押し込み続けタイムアップを迎えた。直後に両手を高々と掲げた両者。ほとんど取られていた2Rを自らのラウンドとし、3Rに追い込まれながら、4Rを組みで押し切ったアグォン。確実に取られているラウンドは3Rのみ。1Rもテイクダウンを取っており、落とすことはないという計算も成り立つ。最終5Rは微妙ながらディか──。まずリングアナからスプリットが告げられ、続いてカール・アグォンの名前が読み上げられる。

戦前の予想より、ずっとタフな試合になったが、強力なディのパンチに打ち負けず激戦を制し、アグォンが念願のPXCバンタム級のベルトをその腰に巻いた。

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