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【It’s Showtime】61㎏級世界王者・山本真弘インタビュー(後編)

Yamamoto

【写真】王座を奪取した一戦は蹴り技を多用した山本、その真意は? (C)BEN PONTIER/EFN

7月21日、日本人初のIt’s Showtime世界王者となった山本真弘。最近のパンチを多用したスタイルから、ハビエル・エルナンデス戦では足技を多用した。その理由とは?

またGloryに吸収されたIt’s Showtime世界王者として、成功を収めたキックボクサーとして、今後のキック人生&展望を尋ねた。(山本真弘インタビュー前編はコチラ
Text by Takumi Nakamura

――またいつも以上に前蹴り、左ミドル、左の飛びヒザ蹴りと蹴りが多く出ていましたよね、そこは意識されていましたか?

「はい。蹴りで腹を効かせて、そこに相手の意識を持っていかせて、次の攻撃につなげようとは思っていました」

――山本選手は一時期パンチに傾倒していて、かなりボクシングスタイルに近かった時期もあったと思うのですが、また蹴りを使うようになったことには理由があるんですか?

「パンチを活かすための蹴りだったり、自分の戦い方の中で蹴りを上手く使おうと考えながらやっているんですよね。そういった部分で上手くバランスが取れてきたんだと思います」

――50戦以上のキャリアがある山本選手ですが、少しずつファイトスタイルは変わってきていると。

「はい。ずっと試行錯誤しながら『これが良いんじゃないか?』と思うものを取り入れて自分のスタイルを作りながら、今に至っていると思います」

――戦い方がさらに洗練されて、新しいファイトスタイルを確立させつつ、念願だったにIt’s Showtimeの世界王者となった山本選手ですが、試合前にはIt’s ShowtimeがGloryに買収されるという話が飛び込んで来ました。試合前にそういった情報が入ってきて、試合への影響はなかったですか?

「ちょうど僕が試合をする3週間ほど前に正式発表されて、周りからはにIt’s Showtimeとしての世界タイトル戦は今回で最後になるかもしれないという話は聞かされていました。でも僕の中ではIt’s Showtimeの世界タイトルを獲ることが最大のモチベーションであり、目標だったので、It’s ShowtimeがGloryに買収されたからと言って動揺することはなかったです」

――ではIt’s Showtimeで世界王者になっても、団体がどうなるのか分からないという状況はどう捉えていますか?

「とにかく僕はIt’s Showtimeの世界タイトルを獲るためだけにやってきたので……、今すぐ今後のことをどうするかは考えられないですね……」

――試合後にはセルジオ・ヴィールセンと再戦したいというコメントもありましたが、山本選手が他の日本人選手にも負けているヴィールセンと再戦を希望していることが意外でした。

「ヴィールセンに負けたことがきっかけで考え方が変わって、It’s Showtimeの世界タイトルという目標を持ったので。もう一度、ヴィールセンと戦ったら、どれだけ自分が変化したのかが、分かると思うんですよね。

Yamamoto vs Sergio【写真】2010年12月セルジオ・ヴィールセンのヒザ蹴りで右瞼をカットし3RTKO負けを喫している山本真弘。それほど拘っているわけではないようだが、リベンジするシーンは見てみたい(C) BEN PONTIER/EFN

それでヴィールセンと再戦したいという気持ちはあります。でも……、強いて言うならそのくらいの理由だけで、特にヴィールセンとの再戦にこだわっているわけでもないし、どうしてもヴィールセンと戦いたいわけでもないんですよね、実は(笑)」

――そうだったのですか! てっきりヴィールセンには特別な思い入れがあるのかと思っていました。では本当に次のことは、今はまだ何も考えていないという状況のようですね。

「僕としてはヨーロッパで外国人選手と戦いたいという希望はありますが、日本人で戦いたい相手がいるのかと問われれば、いるわけでもないし……。次の試合がどこでどう決まるかですね」

――お話していただける範囲で構わないのですが、現時点で決まっていることは何かありますか?

「いえ、正式に決まっているものはないですね。藤原先生が色々と話を進めてくれているところです。GloryがIt’s Showtimeに買収されたことで、(It’s Showtimeが)どうなるのか未確定じゃないですか。それが明確になるまでは、自分がこの先どうするのかはまだ分からないです」

――例えば全日本キック時代には国内タイトル・トーナメントを優勝して、はIt’s Showtimeの世界タイトルも手にした。キックボクサーとして、他の選手にはできないものを一つの形を残したという充実感はありますか?

「それはありますね。この1年半はIt’s Showtimeの世界タイトルが目標にしていて、欲しかったものをすべて手に入れたという気持ちはあります。だから、今すぐに次のことは考えられないし、逆に言えばそれだけ僕にとってIt’s Showtimeの世界タイトルが大きなもので、今はそれを獲れたことに意味があると思っています。だから今後、自分がどうしていくか、そこに焦りを感じているわけでもないですね」

――なるほど。It’s Showtimeの世界王者になった山本選手がどんな試合をするかは誰もが注目すると思います。改めて次の試合が正式に決まってから話を聞かせてください。

「ありがとうございます。とりあえず今は焦らず、次の試合や方向性が決まってから、そこに向けてモチベーションを上げていきたいと思っています」

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