【LFC10】初防衛に向けて。 川那子「日本人でもこのルールで勝てる」
【写真】3月30日に中国のジー・シェンを破りLFCフェザー級王者となった川那子祐輔。アグレッシブな姿勢でLFC関係者の信頼も厚い (C) MMAPLANET
24日(金・現地時間)、香港のアジアワールドエキスポで開催されるLegend Fighting Championship 10でフェザー級王者、川那古祐輔が挑戦者ロブ・リシタとの初防衛戦を迎える。
今年3月に中国のジー・シェンに一本勝ちして、LFCフェザー級のベルトを獲得した 川那子。今回がLFCでは4戦目、アジアで勝つ、アジアから世界を目指す川那古に防衛戦への意気込みを聞いた。
Text by Takumi Nakamura
――いよいよ初防衛戦が目前に迫ってきましたが、今回はどういったことを意識して練習されてきましたか?
「対戦相手のロブ・リシタの過去映像を見ると、すごくパワフルな選手なんですよね。もともと70キロでやっていた選手でもあって、本人もパワーを売りにしているという情報も入っています。なので僕もリシタと同じ土俵で勝負するわけではないですが、今回はフィジカルトレーニングをかなりやり込んだので、そういった部分ではいい勝負が出来るんじゃないかなと思っています」
――主にどういった箇所をフィジカルトレーニングで強化したのですか?
「下半身を追い込んで、走り込みもやりました。これまで約20戦やってきたのですが、本格的な練習の追い込みが始まって、これだけフィジカルトレーニングの成果を感じたことはないですね」
――技術的な部分で意識して取り組んだことはありますか?
「LFCはラウンド毎に採点がつけられて、ドローがないルールなんですね。だからLFCに出るようになってからは、必ず最後までフィニッシュを狙うことを意識して練習を続けています。基本的にはリシタも極めを狙う、グラウンドを好む選手なので、逆に僕はしっかりとストライキングで戦えるようにしたいと思っています」
【写真】6月のチェ・ヤンガン戦ではテイクダウンに強さを見せたが、スタミナ切れも同時に目立っていたロブ・リシタ。直線的なファイターのようにも感じる(C)LFC
――では打撃で削って、最終的にフィニッシュまで持ち込むというイメージですか?
「そうですね。前回の試合も一本勝ちだったのですが、打撃でしっかりダメージを与えてから流れで一本を取ったので、そこはブレずにやりたいです」
―― 川那子選手自身も打撃からサブミッションという流れが自分の得意パターンだと認識していますか?
「うちの道場生はみんな極めが強い選手ばかりなので、そこで揉まれていくうちに自然とそうなりましたね。僕はスタイル的に『極める!』みたいな試合をするタイプではないですが、やはり極めは武器になると思います」
――また打撃のスパーリングではヒザ蹴りの調子が良かったそうですね。
「あまりスパーリングでヒジやヒザはガツガツ出せないのですが、今回はそこをしっかりと練習しました。日本ではあまり出来ないような技を使いたいですね」
――今回は3月に獲得したフェザー級のベルトの防衛戦ですが、どういった心境で防衛戦を控えていますか?
「僕のキャリアの中で初めての防衛戦ですし、僕自身に『防衛する』、『ベルトを守る』という意識はないですね。同門の藤原(敬典)がZSTの王者で何度も防衛戦を重ねているんですけど、あいつも守るより攻めている防衛戦の方が動きがいいんですよ。
それを会長に話したら『結局は試合で勝った方がチャンピオンなんだよ』と言われて、やっぱり攻めなきゃダメだよなと思っています。だから僕は防衛戦ではなくてベルトが懸かったタイトルマッチのつもりでやります」
――日本国内ではなかなか国際戦が組まれない状況で、川那古選手はアジアに試合の場を求めてベルトも獲得しました。LFCで戦うことでファイターとして変わることが出来ましたか?
「僕は香港とマカオで試合をしているのですが、日本で戦う時とは意識が全く違いますね。もし僕が日本で試合を続けていたら、そのまま埋もれていく選手だったと思うんです。そんな時にLFCからチャンスをいただいて、周りのサポートのおかげで結果を出すことが出来ました。LFCに出たことで大きく成長させてもらったと思っています」
――今年11月にはUFCのマカオ大会も開催されますが、同じアジアで戦う一ファイターとして意識する部分はありますか?
「やはりそこは意識しなきゃいけないと思うし、僕の中で“アジアから世界へ”というイメージはばっちり出来ています」
――そこで 川那子選手はLFCのベルトを巻いた日本人選手としてどんな試合を見せたいですか?
「今、UFCに挑戦している日本人選手はどの選手も日本のトップ選手ばかりだと思うのですが、UFCで結果が出ていないという状況があるじゃないですか。LFCはUFCと比べればまだまだレベルは低いと思いますが、僕はそこで揉まれてきたと思うし、次の試合でもきっちり一本かKOで勝って、海外の大会で、このルールで勝てる日本人がいるというところをアピールしたいです」