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【Special】キックボクシング・ルネッサンス Glory&K-1総括対談最終回

Glory & K-1

【写真】Glory World SeriesとK-1Rising、5月最終週の2日間はキックボクシング界の新たなる夜明。6月23日のIt’s Showtimeベルギー大会を終えると、欧州キックは夏のバカンスシーズンに突入。この間、まさにグローバルな視点で、キック再興へ動きが起こるに違いない (C) Glory & K-1 Grobal

5月26日(土・現地時間)にスウェーデン・ストックホルムで開催された「Glory World Series 2012」と、翌27日(日・同)にはスペイン・マドリッドで「K-1 RISING 2012」が開催された。キック再興への2日間を振り返る同対談もようやく最終回へ。ヘビー級戦線と、今後のリング上について語った。

高島 ここまで70キロトーナメントについて話してきましたが、Glory、K-1ともにヘビー級に錚々たるメンバーを導入していました。

中村 どちらもトーナメントのあとにヘビー級があって、日本のようにMAXはMAXだけという形ではなく、お客さんもヘビー級の試合も楽しんでいました。

高島 Gloryでいえば、MMAの試合までありました。

中村 そういう総括的な大会になっていくでしょうね。試合に関しては、セーム・シュルトの強さが目立っていましたね。

高島 少なくともバダ・ハリよりも、動きは良かったですね。

中村 いきなりエロール・ジマーマンにあの勝ち方をしてしまうなら、次はもう誰をぶつけて良いのか分からなくなります(笑)。逆にバダ・ハリの方は、これから調子を上げていってほしいですね。ボクシングへ進むのか、その辺りの兼ね合いも含めて――、今回はK-1新体制の大会のなかでメインを張るという、そこが重要な試合だったのかなと。

高島 アンダーソン・シウバも強かったですしね。あれだけバダ・ハリが振り回してくると、委縮するファイターが多いなか、もらっても打ち返していました。

中村 復帰戦にしては、強敵をぶつけてきたと思いました。あと、ミルコは……。

高島 あの相手にダラダラといってしまい、正直なところ残念なデキでした。

中村 ボクシング・グローブで、パンチを放った姿を見ると大きくなっている。上半身が大きくなって、K-1で戦っていたときのシャープで切れる動きではなかったです。

高島 ハイキックが代名詞のようになったミルコですが、もっと近距離でのパンチが速かったと記憶しています。

中村 スピード感、切れの問題、それは年齢も関係しているのでしょうね。

高島 It’s Showtime世界95キロ級王者ダンヨ・イルンガに挑戦し、明らかに力不足だったローレン・ハビエル・ホルヘは、明らかにミルコに用意された生贄だったのに――、リングでも追い詰められなくなっていました。

中村 K-1デビューが96年ですよね。20年近く戦って、UFCでも壮絶なKO負けもしている。ダメージの蓄積もあって、グッドシェイプをキープするのも難しくなっている。

高島 UFCでダメで、だからキックに戻って――で、昔のように戦えるわけがなかった……。

中村 MMAを戦うことで培ったものを、立ち技に転化していくのか。新しいミルコのスタイルを作って戦うのか。いずれにせよ、以前のミルコの戦いはできないでしょうね。

高島 では、最後にGloryとK-1の70キロトーナメントを見て、中村さんが思う本命、そして気になった選手は誰になりますか?

中村 Gloryはペトロシアン、そして期待を込めてキリア。ロスマーレンというと、もう当たり前過ぎるので(笑)。ビックリ技を一発当てると、何かが起こるかもしれないので。

高島 思い通りに戦えないときの粘りも良かったです。

中村 ケムに勝ったというのは、本当にデカイと思います。打倒ペトロシアンという部分を考えると、パンチャーは勝てない。そういうなかで、空手というバックボーンを持った選手がどう戦うのか。そこを含めてキリアに注目です。

高島 では、K-1MAXの方はどうでしょうか?

中村 サワーとキシェンコかと思うのですが、試合スケジュールや年齢を考えると、キシェンコが本命かなと。優勝候補も注目の選手も同じになってしまうのですが、リスティですね。

今までの立ち技の選手と違う概念、発想を持っている選手がこういうトーナメントでタイプの違う選手と1日複数回の試合をこなさないといけないと考えたときに、どれだけの試合ができるのか。もし、リスティが勝てるなら、今は異端、異分子である彼のスタイルが主流になるかもしれないので注目です。

ペトロシアンにしても、サウスポーで左回り、従来は「やるな」と言われていた動きをします。そういう選手が世界で一番強いということは、派手な動きではないですが、常識を変えているという部分で、ペトロシアンもリスティと同じだと思います。

高島 2人とも、体の大きさでいえば特に大きくはない。そういう部分でも注目したいですね。典型的なK-1スタイルということで、マイク・ザンビディスはどうでしょうか? シャヒッドに完勝しました。

中村 最近、あまり勝てていなかったのですが、前回のようなシーソーゲームにならなかったし、組合せと噛み合わせによっては、試合内容もよく結果も残せる選手ではあると思います。ただ、K-1MAXに関しては本命はキシェンコ、注目株はリスティですね。

結果、GloryとK-1MAXの優勝者同士の対戦を見たくなるということなんでしょうね(笑)。

高島 そのカードをIt’s Showtimeが組めるのか(笑)。あるいはGloryかK-1のどちらがハッキリとした業界の盟主になるのか。

中村 業界再編成とともに、技術革新が見られるのか。そういう転機になる両トーナメントだと思います。

<この項、終り>


5月27日の激戦も――、過去のGLORY WORLD SERIESアーカイブ映像はコチラ

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