【特集アジア】チーム・インディアで指導、ビキニ・ホールマン(02)
【写真】8月11日のチアゴ・タバレス戦が、プロMMA69戦目となるデニス・ホールマン。このビキニ・ショーツでダナ・ホワイトを激怒させた (C)GONG KAKUTOGI
インドのSuper Fight Leagueのプロモーターであるラジ・クンドラとサンジェイ・ダットがインド人ファイター養成のためにチーム・インディアに招き入れたデニス・ホールマン。
彼の目にインドという国、国民、そしてこの国のMMAファイターはどのように映っているのか。特集アジア、チーム・インディアのコーチとして活躍するデニス・ホールマンのインタビュー第2弾をお届けしたい。[第1弾はコチラ]
――将来有望なファイターもいるようですが、計量に苦労するファイターも多いような印象を受けます。
「それも含め、今、教育中なんだ(笑)。とても難しいよ。強い意志を持つことを備え付けている」
――暖かい国の人は、どこか約束ごとにルーズなイメージがありますね。
「それは暖かい国だからでなく、どこにでも少しレイジーな人間はいるし、努力家もいる。なぜなら、彼らはファイターであって、マジョリティ・ピープルではないからね。
日本人や米国人、それぞれの国民性はあるけど、ファイターは国民性とは別のところにある」
――では、交通事情や記者の取材姿勢をみて、とてもアグレッシブな印象を受けることもあるインドの人々ですが、ファイターもあのように自己主張が激しいのでしょうか。
「インドに道路交通法はない(笑)。規律がないんだ。ただし、デリーやチャンディガールという北部は、ムンバイのような南部とは違ってマナーが良い」
――あのデリーで……ですか?
「ムンバイじゃ、人に当たっても車はそのまま行ってしまうからね。ヒットなんて、1日中起こっている。それがインド人の性格なのかどうか分からないけど、ムンバイのストリートを歩いていて、車にぶつけられても僕が悪いことになる(笑)。
クレイジーさ。メディアもそうだけど、ホント、こっちの人はボリウッド映画のショーみたいだよ。でも、性格がアグレッシブというわけじゃないんだ。そうだな、パパラッチ。野次馬根性って感じなんだよ。
僕の下で練習している人間は、まぁ、それぞれだよ。凄く大きくて力のあるヤツが、練習を始めて3日目には泣き出して、家に帰ってしまったこともある(笑)。まぁ、人それぞれで小さかろうが、大きかろうが、一生懸命なヤツは一生懸命だよ」
【写真】現在のところ勝たせマッチメイク的な試合が多いインド勢、とりあえずホールマンは5月いっぱいで一度インドを引き上げることになっている (C) MMAPLANET
――これから、ずっとチーム・インディアでコーチをしていく予定ですか。
「最初の3カ月は必ずやり遂げる。その後のことは、話し合い次第だ。日本人の君には分かると思うけど、やはり開発途上国にずっといると、凄くストレスを感じてしまう。
本当、良い人間ばかりなんだけど、結局のところ米国ではないってことなんだよ。習慣も文化も違う。ワシントン州で一番大きな街シアトルは、人口100万人だ。ナーシク、彼らはビレッジと呼んでいる街に100万人が住んでいる。
やっぱりね、自分の場所が恋しくなる。インド人ほど、礼儀正しい人々はいないよ。彼らは好きでもない人間にも、礼儀正しいんだ(笑)」
――インドのMMAファイターは、米国のローカルショー・レベルになるまで、どれほど時間を要するでしょうか。
「それもファイター個々の違いがある。アヌップは半年で、相当なレベルに達するだろう。米国で練習すればね。他のファイター達は、もう少し時間が掛かるだろうね」
――ではチーム・インディアのコーチではなくて、現役MMAファイターとして、デニスは今後、どのようにキャリアを積み重ねていこうと考えていますか。
「UFCライト級で戦っていく。本当は5月に試合がしたかったけど、ちょっとしたケガがあったから、次のファイトは8月になった。今190ポンドあるから、ちょっと体重を落としていかないとね。ケガで走れなかったから、オーバーウェイト気味なんだ」
――ところでデニスといえば、ビキニ・ショーツが評判になりました。
「チャンスがあれば、またアレをはくよ(笑)」