【OFC03】必見!! ラカイ・ウシュー勢フォラヤン&ベリンゴン
シンガポール・インドアスタジアムで、31日(土・現地時間)に開催されるONE FC03「War of the Lions」。日本から川尻達也を始め4名のトップファイターが出場することで注目されている同大会だが、彼同様に注意を惹いているのがフィリピンのラカイ・ウシュー勢だ。
【写真】足を使って、距離を測りながら試合を進めるエドゥアルド・フォラヤンだが、パンチを受けると拳には拳を――という気性の激しさを見せる (C) MMAPLANET
昨年9月のOFC旗揚げ戦のクォン・アソル戦で、その確かなポテンシャルが明らかになったエドゥアルド・フォラヤン。フィリピンの散打チーム代表の彼は、打撃と抜群の腰の強さを見せつけ、日本でKO勝ちを連続していたアソルに打ち勝った。
独特のサイドキックと、強烈な左フック、テイクダウンにも強く、フィリピンMMAの可能性をまざまざと見せつけた。そのフォラヤンは今回、デンマーク育ちタイ在住のフィリピン人=オーレ・ローセンと対戦する。
元K-1ファイターで、2月のOFCジャカルタ大会では、フィリップ・エノモトのリアネイキドチョークに敗れたローセンだが、打撃の強さは脅威そのもの。ただし、元トップレベルの立ち技系ファイターは、MMAでも殴られると殴り返して戦いのリズムを取り返そうとする習性を持つことが多い。ローセンもその典型的なファイターで、柔術やレスリングがベースのファイターが組み技に行くのと大きく異なる点だ。
【写真】とにかくアグレッシブなオーレ・ローセン。2月のフィリップ・エノモト戦では、序盤にパンチを振り回し過ぎ、スタミナをロス。KO必至のパンチ力を持っているので、落ち着いてスマートに戦えば、よりその打撃の強さが生きてくるに違いない(C)OFC
ローセンと比べると、フォラヤンは足を止めての打ち合いを好むファイターではないが、打撃戦でパンチを被弾すると、次の展開では意地でも拳を返していくパターンも。一部の情報によると、フィリピン政府はMMAに出場する散打ファイターの金銭的援助を取り止めるらしく、十分なファイトマネーを得ることができるとは限らないMMAでの成功を諦めるファイターが出てくることも予想される。
そんな中、ラカイ・ウシューの面々は、ラカイMMAタップチームと名乗り、引き続きMMAで戦うことを選択した。故にフォラヤンにとって、ローセン戦は負けられない一戦となる。
ラカイ・ウシュー勢にあって、フォラヤン以上の実力者と目されているのが、今成正和と戦うケビン・ベリンゴンだ。母国フィリピンのURCCや香港のLFCを経て、OFCに上がることを選択したベリンゴンは、これまで9勝0敗のレコードを残している。
【写真】MMAファイターとして完成度の高さでは、フォラヤンを上回るという評判のケビン・ベリンゴン。今成戦では、そのオールラウンダー振りを封印した方が勝利に近づく(C)LFC
フォラヤンと比較すると、より組み技を取りいれたスタイルで、オールラウンダーといえる。とはいっても、散打流の構えから強烈な右ミドル、至近戦ではエルボーやヒザ蹴りを多用し、よりMMAに適応しているのがベリンゴンだ。離れても近づいても打撃でペースを握ることができる彼はテイクダウンはおろか、スイープにも光るモノを持っている。
とはいっても、組み技では今成が1枚も2枚も上。ベリンゴンが組み技で勝負しようものなら、今成はパウンドの警戒心を持って対処すれば、足関も柔術的な流れで攻撃も仕掛けることができるだろう。一方でベリンゴンが勝利するには、オールラウンダーな部分を捨て、立ち技に集中し、組み合わないこと。
打撃で試合を支配すれば、今成はどうしても遠い距離からテイクダウン、あるいは組んでから引き込みという攻撃手段を取らざるを得ない。ベリンゴンが足関節に注意し、組み技には付き合わないで、スタンドをキープすると、ジャッジの判断は打撃のアグレッシブネスを取ることは十分に予想できる。今成に必要な攻撃は、汗をかく前に一瞬の交錯のなかで極めること、そんな展開も今成だからこそ可能になる。
■OFC03対戦カード
<ライト級/5分3R>
フィリップ・エノモト(スイス)
ゾロバベル・モレイラ(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
川尻達也(日本)
ドナルド・サンチェス(米国)
<ライト級/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
オーレ・ローセン(デンマーク)
<ウェルター級/5分3R>
白井祐矢(日本)
ファブリシオ・モンテイロ(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
メルヴィン・マヌーフ(オランダ)
中西良行(日本)
<ライト級/5分3R>
エディ・ニグ(香港
ジアン・カイチー(マレーシア)
<バンタム級/5分3R>
今成正和(日本)
ケビン・ペリンゴン(フィリピン)
<女子/5分3R>
ジート・トッシ(インド)
ニコール・チュア(シンガポール)
<ライト級/5分3R>
ケク・キンホック(シンガポール)
ジュアン・ウエンジェ(シンガポール)
<バンタム級/5分3R>
ヤン・ジョンルン(中国)
ヨーサナン・シッチョートン(タイ)
<ライト級/5分3R>
ダニー・ファン・ベルゲン(オランダ)
リッチー・ウィトソン(米国)