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【GRANDSLAM】伊藤健一、ナム・ファン相手に一矢報いるか

2014.07.11

Nam

【写真】3月のリー戦では、サウスポーに左ボディばかりを繰り出すという、ミスを犯したナム・ファン。グランドスラムから日本の老舗プロモーションを通してUFCカムバックを狙う。伊藤のことを試し切りの相手のように考えているが、勝負に絶対はない(C)GONGKAKUTOGI

13日(日)に東京都江東区のディファ有明で開催されるGRANDSLAM「Way of the Cage」。メインイベントで所英男とジョシュ・バーネットの愛弟子ビクター・ヘンリーと対戦する今大会に、元UFCファイターのナム・ファンが参戦を果たす。

2009年に戦極フェザー級GPに出場したナムは、UFC参戦後も定期的に日本で練習を積むなど、日本に縁のあるファイターだ。今年3月のUFN37でヴァウアン・リーに敗れて3連敗となり、UFCをリリースされる憂き目にあったが、パラエストラ八王子に籍を置く形で日本、そしてグランドスラム旗揚げ戦で再スタートを切ることになった。

そのナムと対戦するのはZSTを主戦場にしているジェントルマンファイター最強=伊藤健一。デビューからZST一筋のキャリアを積み、ZSTフェザー級では王座決定トーナメントや2度のタイトル戦を経験、タイトルには手が届かなかったが、同団体の看板選手として活躍してきた。伊藤にとってはキャリア最大の相手を迎えたことになる。

元UFCファイターの参戦という部分で注目が集まるナムだが、2012年8月のコール・ミラー戦での判定勝利を最後に勝ち星から見放されており、最近の試合ではボクシングに特化したファイトスタイルが目につく。長身のミラーにはインファイトを仕掛け、左ボディを起点にしたショートのコンビネーションで戦況を打開したが、デニス・シヴァーには蹴り&テイクダウンを織り交ぜた試合運びに完敗し、水垣偉弥戦では水垣にパンチで打ち負けて星を落とした。直近の試合でもサウスポーのリーのリーチを活かしたパンチ攻撃と、ローや後ろ回し蹴りという足技に、ペースを掴めないまま、全ラウンドでポイントを失うという内容で敗れてしまっている。

ミラー戦のようにショートレンジの距離で打ち合うことが出来れば強さを発揮するが、一方で蹴りやテイクダウンを使われるとペースを取れず後手に回らざるをえない。水垣戦の3Rに逆転を予感させる左フックを叩き込んだこともあったが、5分3Rをトータルで考えれば、ボクシングに特化したスタイルはリスクの方が大きいといわざるをえないだろう。

今回の試合に関しても一本・KO以外は時間切れドローというZSTルールでキャリアを積んだ伊藤は右のオーバーハンドという武器があり、グラウンドでもアキレス腱固めやヒールホールドなど試合をフィニッシュする足関節を持っている。ナムは最近では封印してしまっているが、柔術でも黒帯で、数々のノーギトーナメントでも結果を残してきた。ナムとすればボクシングだけで伊藤に勝てると踏んでいるだろうが、パンチ勝負で押し切るのではなく、元来の組み技の強さも活かせられるファイトスタイルにシフトチェンジすることが確実に勝利するためには求められるだろう。

いずれにしても実力・キャリア的にも上と見られるナムがどんな戦い方をチョイスするかで試合の流れが決まる一戦だ。一世一代の対戦相手を迎える伊藤は、相手の動きを気にすることなく、自身が積んできたモノを最初から出す――そんな戦いを見せて欲しい。

■GRANDSLAM – way of the cage –

<バンタム級/5分3R>
所英男(日本)
ビクター・ヘンリー(米国)

<フライ級/5分3R>
清水俊一(日本)
飛猿 No.2(日本)

<64キロ契約/5分3R>
ナム・ファン(米国)
伊藤健一(日本)

<フェザー級/5分3R>
森興二(日本)
佐々木郁也(日本)

<ミドル級/5分3R>
ボブ・アームストロング(ニュージーランド)
YOUSUKE(日本)

<ライト級/5分3R>
岡澤弘太(日本)
星野大介(日本)

<フライ級/5分3R>
井口摂(日本)
梶川卓(日本)

<バンタム級/5分3R>
柏崎剛(日本)
間木崇宏(日本)

■GRANDSLAM サバイバー

<フライ級/5分2R>
二之宮徳昭(日本)
宮城友一(日本)

<73キロ契約/5分2R>
ランドルフ・フィールズ(米国)
サクラザワマサキ(日本)

<フェザー級/5分2R>
金子大輝(日本)
三原宏樹(日本)

<バンタム級/5分2R>
丸山耕平(日本)
平野拓也(日本)

<バンタム級/5分2R>
杉山晋哉(日本)
藤原悟史(日本)

<フライ級/5分2R>
田丸慶輔(日本)
八王子オブザデッド(日本)

<ウェルター級/5分2R>
布川雄士(日本)
水島雅明(日本)

<54.4キロ契約/5分2R>
駒沢孝行(日本)
石綱テツオ(日本)

<65.8キロ契約・特別ルール/5分2R>
大村朗(日本)
川頭広卓(日本)

■GRANDSLAM 第一部オープニングスラム

<アマMMAライト級/3分2R>
小淵佑志郎(日本)
幡野進也(日本)

<アマMMAフェザー級/3分2R>
山内雄輔(日本)
関大安(日本)

<アマMMAフェザー級/3分2R>
秋山昌利(日本)
藤田貴士(日本)

<BJJ茶帯ペナ級/8分1R>
三井一正(日本)
武田雷馬(日本)

<BJJ紫帯ペナ級/7分1R>
照沼和行(日本)
岩崎英明(日本)

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