【WEC37】米国初見参、世界二冠へ 田村彰敏
12月3日(水・現地時間)、ラスベガスのハードロックホテル&カジノで行われるWEC37。65kg以下の世界のベストが集結しつつ同プロモーションの同大会に、日本からトップを究めた男が出場を果たす。前プロ修斗世界ライト級チャンピオン、田村彰敏。WECデビュー戦で、IFL世界フェザー級王者だったヴァグネイ・ファビアーノと戦う田村に、その意気込みを訊いた。
【写真】世界二冠目へ、WECに初出場する前修斗世界ライト級チャンピオン田村彰敏 (C) GONG KAKUTOGI
――いつごろからWEC出場へ動いていたのですか。
「いつでしょうね? 10月になる少し前ぐらいからですかね、動き出したのは」
――修斗で一度は頂点を究めた田村選手が、WECを目指した理由はどのようなものなのでしょうか。
「僕自身、ルミナさんとの試合を終えて、結婚するなどドタバタしていたのですが、少し落ち着いた時、これからどうしようかと考えたんです。客観的にプロ修斗のランキングを見ても、それほど変動がなかったですし――、これは僕の勝手な思いなんですけど、田村彰敏という選手の試合はプロモーターも組み難いなぁと。その時ですね、アメリカもいいなぁって思ったのは」
――では、田村選手の方からWECに出たいという意思を持ってコンタクトをしたのですね。
「そうです。今はベルトもないし、出るべき時期だと判断したんです。ケージは2回、ロシアとDOGで戦っていたんで、きちんと想定して練習していれば大丈夫だと思うし。ヒジもしっかり練習しています。ミャンマー・ラウェイと比べると、もう怖いものはないです。そういう気持ちでいます(笑)。アレを経験していれば、大抵のことは大丈夫です」
――修斗の世界王者だったときにWECを意識することはなかったですか。
「ベルトを持っている間は、ずっと防衛し続けることが目標でした。その間に高谷さんがWECへの出場が決まったので、高谷さんがWECを獲って、津田沼が世界を制するっていう感じになればいいと思っていました。でも、僕がこけちゃって。その時は、正直、高谷さんの後追いでアメリカに行くのは気が引けていたんですけど、でも修斗のライト級でも同じところを目指していた時があったんだし、これはもう自分の我ままを通させてもらおうと」
――高谷選手がWECで、あんなKO負けをするとは思いもしなかったのではないですか。
「思いません、思わないですよ。エェってビックリしました。でも、ガルシアはあのパルバーをKOしているから、やっぱり強い奴だったんですよ。只者じゃなかったですね」
――WECに出場を決めたとき、ユライア・フェイバーが王者でした。やはりユライアのことは意識していましたか。
「それは――。修斗に出ていれば修斗のチャンピオンを目指すのは当たり前のことですし、WECならWECのチャンピオンになると思いますよね。だから、ベルトを持っているのがユライア・フェイバーなら、彼が一番の目標になります。だから今はマイク・ブラウンが標的です」
――ユライアやブラウンのファイトを見ていると、WECフェザー級と修斗ライト級はほぼ同じ体重でも、フィジカルに差があるように思うのですが。田村選手はどう感じますか。
「ユライアは荒いんですが、5Rスタミナが持つところが凄いですね。だから力でやっているように見えて、ちゃんと力を抜いて戦っていると思います。それができないと5Rは持たないですね。だからフィジカルが強いといっても、力を抜いて落ち着いて戦えば問題なくて、彼らのフィジカルを恐れる必要はないと思います。それよりも、自分がしっかりと力が入らないよう戦うことのほうが大切だと思います」
――対戦相手のファビアーノに関して、どのような印象を持っていますか。
「ビデオで見たんですが、寝技系ですね。典型的なノヴァウニオンのスタイルで。ガッと組ついてきて、寝技でしつこく離さないタイプ。まぁ、向こうの得意分野にはいかないよう戦いたい――、タックルを切って、寝技にはいかないように。でも、どういう風になっても戦えますよ」
――米国での試合は初めてとなります。
「高谷さんも一緒に行くし、アメリカのこともケージのことも教えてくれているので、初めてなのに心強いです」
――今も高谷選手と練習を一緒にしているのですか。
「以前よりは、減りましたけど、ちょくちょくやっています」
――WECでは、日本人が苦戦を強いられていますが、頑張ってください。
「はい。ベルトを持っている奴を目標にして、頑張ります。独占契約なんで、しばらくはアメリカでやっていこうと腹を決めていますので、応援よろしくお願いします。対戦相手を選ばない試合は慣れているので――、良い試合をして勝ってきます!」