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【RFC15】スープレックス男キル・ヨルボック、梅田戦へ向けて

Gil Young-bock's Back Suplex

【写真】キル・ヨルボックの代名詞、豪快なバックスープレックス(C)MMAPLNAET

31日(土・現地時間)、韓国ウォンジュのチアック体育館で開催されるRFC15で、日本から参戦する梅田恒介と対戦するキル・ヨルボック。豪快なスープレックスが代名詞で、デビュー直後から注目を集めていたが、減量失敗で試合の機会を失うなど、今回が11ヵ月振りの実戦となる。

チーム・フォース& RFCジョン・ムンホン代表の秘蔵っ子を初インタビュー。失地回復へ向け、その意気込みと過去のレスリング歴を尋ねた。

――キル・ヨルボック選手といえば、豪快なバックスープレックスが印象に残っているファイターです。レスリングでは、どのような結果を残しているのか、教えていただけますか。

「主な成績としては2005年にパシフィック国際レスリング大会MVP、同大会フリースタイル66kg優勝、全国大学レスリング大会3位、大韓民国大統領旗(※注01)優勝、大韓民国文化体育観光部長官杯3位です。高校時代はランキング1位、大学時代はランキング2位でした」

――それだけレスリング結果を残しながら、レスリング界で生きるのではなく、MMAファイターになろうと思った理由を教えてください。

「決定的な理由は軍隊です。大学を卒業しレスリングの特待生として国軍体育部隊(※注02)に行こうとしましたが、惜しくも脱落し、陸軍に入隊しました。陸軍を除隊し、家に帰っている途中、偶然チーム・フォースの看板が目に入り、そのまま直接館長(ジョン・ムンホン代表)へ指導を仰ぎに行きました。とにかく練習をし続けたかったからです」

――つまりMMAの練習を始めたのは、現在も所属するチーム・フォースだったのですね。

「ハイ、2009年4月13日に軍隊を除隊し、5月からジムで練習を始めました。代表が生活面の問題を解決してくれました。その当時はレスリングを長く学んだ人間が自分しかいなかったので自分がキム・スーチョル選手、キム・ソクモ選手にレスリングを指導してきました」

Gil Young Bock【写真】1985年1月生まれの29歳。MMA戦績は5勝2敗、11ヵ月間でどれだけ総合力が上がったかが試される梅田戦となる(C)MMAPLANET

――チーム・フォース、そしてRFCのジョン・ムンホン代表は指導でも厳しいイメージが付きまとっていますが、キル・ヨルボック選手にとって、どのような存在でしょうか。

「ジョン代表はやはり自分にとっては師匠であり、館長です。練習中はとても厳しいですが、些細なことでも一つ一つ指導してくれて有難く思っています。格闘技以外の部分でも他人事であるのにも関わらず、自分の事のようにしてくれました。弟子の為に自分のすべてを捧げられる方……でしょうか……。それほど格闘技、そして私たち弟子に対する情熱が凄い人です。去年結婚したのですが、その際もサイパンへ新婚旅行として送って頂きました。それ以外でも実の父のようにいつも見守ってくれています」

――今回、梅田選手との対戦となります。梅田選手の印象を教えてください。

「自分より年が上で、写真を見た時はパワーが無さそうに見えたのですが、試合動画を見ると自分よりもノウハウがあるな、と感じました。そしてなによりも“コリアンキラー”のイメージがあります」

――そんな梅田選手に対し、どのような試合を心掛けていますか。

「梅田選手の試合動画を観たのですが、頭を左右に振りながら向かってくるスタイルだと感じました。またグラップリングスタイルで相手を倒し、そのまま押さえ込むスタイルですね。グラウンドでの攻防に少し注意していますが、100%勝てるという自信があります」

――昨年10月は体重を落とせず、不戦敗となりました。今回、その失敗を踏まえて減量方法など工夫してきたことはあるでしょうか。

「前回の減量失敗について言い訳、弁明は一切致しません。自分自身に大きな怠情がありました。自分自身に腹が立ち、当時の自分は本当におかしかったのだと思います。今回の減量は順調に進んでいます。」

――1年振りの試合です。この間、キル・ヨンボック選手自身、一番伸びたところはどこだと思いますか。

「打撃力だと思います。この部分は重点的に練習してきました」

――最後に自分をアピールすることを踏まえ、ファンへのメッセージをお願いします。

「これからはチャンピオンへの道を進んでいきたいです。応援してくれる人達へ感謝の気持ちをお伝えすると共にこの試合で自分がどれだけ成長したかをお見せします。応援宜しくお願いします」

【※01国軍体育部隊】
大韓民国国軍の体育能力向上と体育振興を目的に、それまで陸軍、海軍、空軍などが個別的に管理してきた所属スポーツチームを統合して1984年発足させた部隊。団体競技の他にも、射撃、陸上、体操、闘技などいろんな種目の選手が所属しており、服務中に国家代表としてオリンピックなどに出場してメダルを獲得した選手も多くいる。

兵役を満了していない男子のスポーツ選手の場合、国家代表クラスのスポーツ選手として特別扱いされ、兵士の身分でありながら軍事訓練はほとんど行わず練習に打ち込めるため、兵役を遂行しながらもその競技力を維持するほぼ唯一の道であり、入隊を巡る競争率もかなり高い。

【※02大韓民国大統領旗】
日本では天皇杯などにあたる。

■RFC15対戦カード

<チュモギオンダスペシャ・ヘビー級/5分2R>
パク・ヒョンウ(韓国)
キム・ジェフン(韓国)

<フェザー級/5分5R>
ソ・ドゥウォン(韓国)
ヨアキム・ハンセン(ノルウェー)

<ミドル級/5分3R>
ミノワマン(日本)
パク・ジョンギョ(韓国)

<バンタム級/5分3R>
田村一聖(日本)
キム・スーチョル(韓国)

<フェザー級/5分3R>
キル・ヨンボック(韓国)
梅田恒介(日本)

■Young Guns14対戦カード

<バンタム級/5分2R>
キム・ホジュン(韓国)
チョ・ヨンスン(韓国)

<フライ級/5分2R>
キム・ソクヨン(韓国)
クァク・ジョンヒョン(韓国)

<ミドル級/5分2R>
キム・デソン(韓国)
イ・チャンホ(韓国)

<フェザー級/5分2R>
タイロン・ヘンダーソン(米国)
オ・ホテク(韓国)

<バンタム級/5分2R>
キム・ソンモク(韓国)
ユ・ジェハク(韓国)

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