【It’s Showtime】K-1後をリード!? ロスマーレン&ギタ
28日(土・現地時間)にオランダのレーワルデン、WTCエキスポで行われるバダ・ハリ引退興行=「It’s Showtime2012 in Leeuwarden」は、イッツショータイムのオールスター興行といえるイベントで、メイン以外にも注目のカードが連続している。
【写真】 22歳の欧州最強キックボクサー。9月の70キロMAXトーナメント優勝がフロックでないことを元世界王者ムラット・ディレッキー戦で実証したいロビン・ファン・ロスマーレン (C) BEN PONTIER / EFN
2011年キック界最大のイベントは、9月にベルギーが開かれたイッツショータイム70キロ・トーナメントであったことは疑いようがない。そのトーナメントを制したロビン・ファン・ロスマーレンが、今大会では元イッツショータイム世界70キロ王者ムラット・ディレッキーと対戦する。
22歳の2011年キック界最強のファイターは、典型的なファイタータイプ。ジョルジオ・ペトロシアンの代役出場ながら、シャビット、現イッツショータイム世界70キロ王者クリス・ンギンビ、さらにはアルトゥール・キシェンコを破り、ウィナーに輝いた。
殴り合い上等のシャビットを相手にパンチのプレッシャーで優り、ンギンビからは連打でダウンを奪うと、圧巻はキシェンコを一発で葬った左フックだ。
【写真】クリス・ンギンビに連敗している欧州キック界の燻し銀ムラット・ディレッキー、大舞台で復活となるか (C) BEN PONTIER/EFN
ディレッキーも同トーナメントに出場していたが、ンギンビを相手に初戦敗退となっている。キャリア80戦を越える32歳のベテランは、今も抜群のスタミナを誇り、打つ手を休めることなくパンチとヒザを使って、対戦相手を追い込むことができる。ただし、ロスマーレンは一発だけでなく、オランダ伝統の対角線コンビネーション、さらにはコーナーに詰めるフットワークなど削り合いにも強い。
イッツショータイムとしては、ライバル=ゴールデン・グローリー所属のロスマーレンを、いつまでも主役の座に就かせるつもりは毛頭ないだろうが、現時点の両者の力を判断するとロスマーレン有利は動かないところだ。
中量級注目の一番続き、セミで組まれたのは世界ヘビー級タイトルマッチだ。2010年5月に反則勝ちながら、バダ・ハリからイッツショータイム世界ヘビー級王座を獲得したヘスティ・カラケスが、ダニエル・ギタの挑戦を受ける。
【写真】安定性に欠ける世界ヘビー級王者カラケス。勝ち星39に対し、敗戦を既に10回経験している(C) WORLDKICKs
両者は昨年3月にノンタイトル戦で対戦し、カラケスがギタを5-0の判定で破っている。とはいっても、ローキックで試合を優勢に進めたのは、ギタのほうでカラケスのローを急所に受けたにも関わらず、ダウンを宣告されて敗れたという灰色決着だ。
今回こそ白黒がハッキリつくことに期待したいが、王者カラケスは昨年11月にルーマニアで開催されたスーパーコンバットという大会で、リコ・ヴァーホーベンにスプリットながら敗れるなど、安定性に欠けた面を露呈している。
一方のギタは5月&6月とイッツショータイムで連続KO勝ちを収め、王座挑戦を迎えることとなった。K-1の活動停止により、ヘビー級ファイターは試合機会が一気に減少してしまっており、試合勘が鈍るというネガティブさと、しっかりと仕上げることができるというポジティブな側面、両方を持っている。
【写真】ローキックの強さには定評があるダニエル・ギタ。K-1なきあと、ヘビー級最高峰のベルト奪取なるか(C) WORLDKICKs
ハリが去るキック界、図らずともイッツショータイム世界王者がその強さの象徴となるが、ここはギタ有利という見方をしておきたい。
■It’s Showtime主な対戦カード
<ヘビー級/3分3R>
バダ・ハリ(オランダ)
グーカン・サキ(オランダ)
<It’s Showtime世界ヘビー級選手権試合/3分3R>
[王者]ヘスティ・カラケス(オランダ)
[挑戦者]ダニエル・ギタ(ルーマニア)
<70キロ/3分3R>
ムラット・ディレッキー(ベルギー)
ロビン・ファン・ロスマーレン(オランダ)
<85キロ級/3分3R>
アミール・ゼヤダ(オランダ)
モイセス・ルイバル(スペイン)
<ヘビー級/3分3R>
エロール・ジマーマン(オランダ)
リコ・ヴァーホーベン(オランダ)
<70キロ/3分3R>v
ハルート・グリゴリアン(ベルギー)
クリス・ンギンビ(オランダ)
<ヘビー級/3分3R>
ミシェール・ドゥット(オランダ)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)
<ヘビー級/3分3R>
メルビン・マヌーフ(オランダ)
タイロン・スポーン(オランダ)
<It’s Showtime世界73キロ級選手権試合/3分5R>
[王者]ヨハン・リドン(フランス)
[挑戦者]ロシネ・オグズニ(オランダ)
<ヘビー級/3分3R>
リカルド・フォン・デンボス(オランダ)
ベン・エドワーズ(豪州)
<95キロ/3分3R>
ムラッド・ボウジディ(オランダ)
シャーク・パラパーヤン(アルメニア)
<70キロ/3分3R>
日菜太(日本)
アンディ・リスティ(オランダ)