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【M-1C30】ヤスベイ・エノモト、ギロチンでM-1王座奪取

2011.12.10

<M-1世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
ヤスベイ・エノモト(スイス)
Def.5R4分10秒 by ギロチンチョーク
シャミル・ザフロフ(ロシア)

細かいステップを踏むヤスベイが、右を打ち込むと、ザフロフが距離を取る。左から大振りの右を放つザフロフは、距離が近づくとダブルレッグにトライするが、ヤスベイは簡単にバービーでカットする。スイッチを織り交ぜるヤスベイは、オーソから左ジャブを伸ばし、後ろ回り蹴り。冷静に距離を取るザフロフは、左を打ちながら前に出るが、直後の展開でヤスベイの右を被弾し尻もちをつく。

深追いはしないヤスベイ。立ち上がったザフロフとの距離をいたずらに詰めることはない。残り2分を切り、思い切ってローを蹴り込んだザフロフだが、リーチの差に自分の距離では戦えないようだ。ザフロフの右ローに、右を合わせるヤスベイは距離が縮まると、右の打ち終わりにザフロフのフックを受けそうになる。

フック系のパンチが多く、大振りが目立つザフロフが、距離を詰めようとしたところで冷静にアッパーを振り上げたヤスベイ。ここでゴングが鳴り優勢のまま初回を戦い終える。


2R、打撃でプレッシャーを与えるのはヤスベイの方で、ジリジリと詰め寄る。打ち出しがハッキリしているザフロフのフックをステップバックでかわすと、前蹴りにパンチを合わされ、目に指が入ったとアピール。

再開後、前に出たヤスベイだが、今度はザフロフが距離を取る。打撃一辺倒の試合だったが、残り2分を切って、首相撲か差しに行くのか、やや中途半端な組みを見せるザフロフ。それでも、組みに切り替えたザフロフは、ヤスベイの左足をキャッチし、テイクダウンに成功した。

ハイガードを担ぎ、パスを狙うザフロフに対し、ヤスベイは足を戻してフルガードへ。そのヤスベイの両足を畳み、コーナー際でパンチを落とすザフロフだが、勢いのあるパンチは落とせない。

細かいパンチを落とすザフロフ。レフェリーはブレイクを命じ試合はスタンドへ戻る。再びザフロフはシングルレッグを仕掛けると、ヤスベイがアームロックを仕掛けながら引き込む。一進一退の攻防は、トップを奪ったザフロフが取りかえしたか。

3R、テイクダウンのフェイントを見せるザフロフは、踏み込んで右フックを見せる。両者のパンチがリング中央で交錯するが、ともにすぐ距離を取り直す。ヤスベイの前進に、変わらず大振りの右フックを合わせようとするザフロフだが、パンチの精度は低い。対するヤスベイも左ジャブこそヒットするが、決して手数は多くない。

右アッパーのフェイントから、左ジャブを当てたヤスベイに対し、ザフロフはシングルからダブルに移行し、テイクダウンに成功する。尻もち状態からヤスベイが立ち上がるが、腰をコントロールして引き倒すと今度はしっかりと背中をつけさせた。

ヤスベイの頭がロープの外に出て、ザフロフはなかなかパンチを落とせない。レフェリーはここでもブレイクを命じると、このラウンドはそのままタイムアップとなった。

4R、一進一退の攻防というよりも、膠着状態が続く両者。ヤスベイの右、ザフロフの左が同時に空を切る。ヤスベイは左ミドルをヒット、テイクダウンを警戒して蹴り技は余り出さなかったが、すぐに2発目を見せる。しかし、直後に距離を詰めたザフロフはダブルレッグでテイクダウン。今回はリング中央で寝技の展開になったが、ヤスベイが蹴り上げからスクッと立ち上がる。

いつの間にか、ザフロフのフックは、テイクダウンのためのフェイントとなり、組み技狙い一辺倒に作戦を変更したようだ。直後のダブルレッグに、ヤスベイはギロチンを仕掛け、立ち上がる。すぐにシングルを仕掛けたザフロフが、アームロック狙いで下になったヤスベイに右のパウンドを放っていく。

ハーフからパスを狙うザフロフを潜りから、リバーサルしたヤスベイ。ザフロフはロープを掴むが、レフェリーはノーチェック。さらにパンチを受けそうになり、頭をエプロンに出しても、注意もなくブレイクからスタンドでの再開を命じる。

試合は両者決め手のないまま、最終ラウンドへ。ガードが下がったザフロフは、打撃を出すことなく組みついていく。離れ際に右を見せたヤスベイだが、組み一辺倒のザフロフに距離を詰められ、有効な打撃を出せない。

執拗なテイクダウン狙いのザフロフだが、頭が下がり両膝もついているため、組みつくこともできない。そんなザフロフのローシングルを切って、ヤスベイはスタンドをキープする。疲れたザフロフは、右を受けて顔を背けるように組みつくが、ヤスベイは立ち上がって息を整える。

ザフロフが組みつこうとしては、ヒザをついてがぶられ、立ち上がるという展開が続く最終回。残り2分を切って、ヤスベイが左を伸ばすが、このパンチも勢いはない。ザフロフはヒザをついてのテイクダウンを狙い、ヤスベイが切るという展開が続くが、残り1分をきったところで、がぶったヤスベイがギロチン一閃。この仕掛けにザフロフは成す術なくタップ。スタミナ切れしたザフロフが、自滅したような形で、ヤスベイにM-1ウェルター級王座を譲ることとなった。

「凄くハードな試合で、5分×5Rの試合を戦うには、僕のコンディションが十分じゃなかった。でも、ペルーとスイスを代表するつもりで戦ったよ」と、スクランブル発進ながら気持ちで負けなかったヤスベイは、息を切らしながら勝利のコメントを残した。

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