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【BFC55】ベラトール初、世界王者がノンタイトル戦で敗北

2011.10.23

<ライトヘビー級/5分3R>
トラビス・ビュー(米国)
Def.判定3-0:30-27, 29-28, 29-28
クリスチャン・ンプンブ(フランス)

肩回りなど一回り大きなビューは、試合開始早々にンプンブにシングルレッグを決めてテイクダウンに成功する。ハーフガードのンプンブは、腿を押してフルガードに戻していく。引き続き右側へパスを試みるビューに対し、バタフライガードからフックガードを仕掛け、ずっと背中をつけた状態のンプンブ。1Rは残り2分を切っても状態は変わらない。

レフェリーのビッグジョン・マッカーシーが、動くよう指示を与えると、ビューが体を起こしてパウンドを落とす。腰を切ったンプンブが腕十字を仕掛けるも、これを耐えたビューが再びパウンドから、しっかりと上体を固めていく。


残り1分でブレイクが掛かり、試合はスタンドで再開。パンチを振るいながら、真っ直ぐ距離を詰めたビューがンプンブに組みつき、ケージに押し込む。そのまま動きが非常に少ない1Rが終了した。

2R、ンプンブの左ジャブに右を見せたビューが前に出てきたところで右ショートをヒットさせる。組みついたビューだが、ンプンプは前出てくる力を利して、ヒザを突き上げる。一瞬、動きの止まったビューだったが、右を振るい組みつくとテイクダウンし、危機を乗り切る。すぐに一本足を引抜いたビューが、このラウンドもトップキープを続ける。

1分半ほどトップから抑えるビューに対し、ンプンブは右足でケージを蹴って隙間を作ると左足を掛けて、三角絞めへ。すぐに対処できず、タイトに固められそうになったビューは、パワーを利したスラムで逃れる。

フルガードに戻したンプンブを相手に、細かいパンチを纏めるビューだが、如何せんスピードに欠けている。ライトヘビー級として小柄なBFC同級世界王者は、立ち上がる方向に動くことなく背中をつけたまま、このラウンドも凌ぎ切った。

最終回、右ストレート、左ジャブを伸ばすビューに対し、ンプンブは距離を取って、右を打ち込む。左ジャブを放つが、テイクダウンを警戒し、なかなか踏み込むことができないンプンブだったが、右ショートアッパーをヒットさせ、ビューの動きを止める。組みついてきたビューに、首相撲からヒザを2発突き上げたンプンブは、再び右アッパーから、続いて右ストレートを打ち込む。

左ジャブから右フックに繋げたンプンブに組みついたビューは、ケージに押し込みテイクダウンを狙う。距離を取ったンプンブは、右ストレートを打ち込む。ダメージを受けたビューが、後方に倒れ込みそうになるのを耐え、真正面からテイクダウンを仕掛ける。

かなり手前で失速したように崩れ落ちたビューに、パウンドを集中させるンプンブ。ここでビューが底力を見せるように、ガードから起き上がりざまにシングルレッグダイブでテイクダウンを奪取。パス狙いのビューに対し、耐えるンプンブがフルガードに戻して、トップキープというこれまでと同じような試合展開が続く。残り20秒、トップから鉄槌、パンチをビューが落とすも、勢いはそれほど感じられないまま、試合はタイムアップに。

ジャッジの裁定は30-27が一人、29-28が二人でビューが勝利。打撃のダメージ、サブミッションよりもテイクダウンからトップキープが有利という米国流ジャッジの典型的な裁定で、BFCの歴史で初めて世界王者がノンタイトル戦で敗れる試合となった。

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