デニス・カーンがUFCと契約、ついに米国にカムバック
11月3日(月・現地時間)、ズッファがデニス・カーンと契約したという発表があった。スピリットMC、PRIDE、HERO’S、そしてDREAMと日韓での活躍が目立っていたカーンが、ついに北米PPVでその雄姿を現す。
【写真】韓国のスピリットMCでヘビー級王座に君臨するデニス・カーン。コリアン&フレンチのカナダ人はキャリア31勝10敗1分、10月25日にカナダで戦い、2年11ヶ月振りに北米での試合を終えたばかりだ (C)MMAPLANET
人材の集中が進むUFCにあって、やや層が薄いといわれてきたミドル級にワールドクラス・ファイターの参加が決定した。北米でのキャリアアップに一度は失敗したものの、その後、韓国のスピリットMCを経てPRDIDE武士道でブレイクしたカーンが、本格的に北米へと戻る時がやってきた。
「いつもみんなに『デニス、いつ君の試合はUFCで見ることができるんだ?』、『PPVで君を見られないのか?』と尋ねられ、『僕は日本で戦っている。だからユーチューブで試合を確認してくれ』って答えてきたんだ」と笑うデニス・カーン。
プロMMAデビューは1998年8月2日、生まれ育ったバンクーバーのローカル大会だった。その後、日本のパンクラス、カナダ最大のMMA大会UCC(現TKO)、米国の登竜門的プロモーションであるエクストリーム・チャレンジやAFC、スーパーブロウルでキャリアを重ねたが、バンクーバー在住のブラジリアンで柔術の師でもある人物のマネージメント下では、UFCのスカウト網にかかることはなかった。
その後、父の母国・韓国での成功を足がかりに、PRIDEでワールド・トップファイターとして認められるようになり、ATTファイターとして輝きを増したカーン。
しかし、PRIDE活動停止後はHERO’S韓国大会で秋山成勲にTKO負けを喫し、心機一転を図ったDREAMミドル級GPでは優勝候補筆頭に挙げられながら、結果的には優勝したゲガール・ムサシに一本負けで初戦敗退。勢いを失ってしまったカーンは捲土重来、韓国で復帰戦に挑み、10月25日にはカナダのカルガリーで開かれたRaw大会で、UFCベテランのマービン・イーストマンを48秒で下し、復活を果たした。
UFC参戦に関し、「今、ベストファイターはUFCに集まってきている。もし、ベストになりたいのであれば、ベストファイターと戦う必要がある。だから、UFCで戦いたんだ」と、その理由を述べたカーンは、「アンデウソン・シウバが世界のベストであることは誰にも異論がないはず」と付け加えた。
他の階級と比較して、層が薄いと言われ続けたUFCミドル級戦線だが、王者アンデウソンを頂点に、ライトヘビー級と二股参戦を続けるダン・ヘンダーソン、英国のマイケル・ビスピン、クロアチアのゴラン・レジッチ、ブラジルからはデミアン・マイア、ターレス・レイチ、ホウジマール・トキーニョ、さらに米国勢はネーサン・マーコート、IFLからやってきたダン・ミラー、ATTの同門ウィルソン・ゴヘイア、来年からはWECミドル級が移管され、パウロ・フィリョやチェール・ソネンも合流する。
日本からは岡見勇信も参戦する同階級は、熾烈な激戦区に発展。この厳しい環境で、デニス・カーンがどこまで頂点に近付くことができるのか。今からオクタゴン・デビューが待ち遠しい。