【WEC36】前田吉朗、KIDを追い込んだ強豪と対戦
5日(水・現地時間)、フロリダ州セミノール・ハードロックカジノで行われる『WEC(ワールド・エクストリーム・ケージファイティング)36』に、軽量級世界一を目指す前田吉朗がチャレンジする。
【写真】6月1日には2度目のWEC登場ながら、世界バンタム級王者ミゲール・トーレスに挑んだ前田。3R終了時にTKO負けとなったが、ベストバウトの声も多い激闘でマエダの名は米国のファンに一気に浸透した (C) MMAPLANET
2008年度、5度目の開催となるWECにあって、日本人ファイターはその全大会に出場している。中でも2月のチャーリー・バレンシア戦でデビューを飾り、6月にはミゲール・トーレスの持つ世界バンタム級王座に挑戦を果たした前田吉朗は、8月大会で世界ウェルター級王者カーロス・コンディットに挑戦した三浦広光と並ぶ、トップ戦線で活躍しているファイターだ。その前田が今大会で3度目のWEC出場を果たす。
トーレス戦では3R終了時にTKO負けを喫したが、年間ベストバウトと称される名勝負で彼の知名度は一気に上がった。しかし、ファイターには、まるで優しくないマッチメイクをするのがズッファ=WECの特徴、前田の今大会の対戦相手はあのハニ・ヤヒーラだ。
ADCC2007で、レオナルド・ヴィエイラを下し66kg級で組技世界一の座を獲得すると、WECデビュー。日本では70kgで戦っていたが、フェザー級で1勝を挙げると、そのままバンタム級に階級を下げ王座挑戦を果たした。
初めての厳しい減量でスタミナをロスした彼は、序盤の速攻をしのがれるとチェイス・ヴィービに敗北を喫してしまったが、昨年の大晦日では日本のリングにおいて、あの神の子・山本KID徳郁を相手に、最後は反則さながらのグラウンド状態での蹴りを出させるにまで追い込んでいる。
パンクラス王座を返上し、WECの頂点を目指す前田。打撃では完全に有利だが、テイクダウンとポジションではヤヒーラに軍配が上がると判断しても良いだろう。両者にとって厳しい戦い、そして見ている者にとっては、好勝負必至の一番になることが予想される。