【UFN】大流血のべノアが激戦を制す
<ウェルター級/5分3R>
ランス・ベノア(米国)
Def.判定3-0:29-28、29-28、29-28
マット・リデル(米国)
サウスポー同士の対戦。歩幅が拾いベノアのパンチがリデルの顔面を捉える。シングルレッグを仕掛け、自ら距離を取ったベノアは掛け蹴りのようなキックを見せる。組んでケージにベノアを押し込んだリデルだが、ヒザを急所に受け悶絶。インターバルを終え、ベノアの突進に右フックをかぶせるリデルの急所蹴りのダメージはなさそうだ。
変則的なベノアの蹴りをかい潜り、テイクダウンを決めたリデル。インサイドからエルボーを落としたリデルに対し、ベノアはバタフライガードからクローズドへ。アームロックを仕掛けると、そのままスイープに成功する。
マウントからハーフになったベノアが、リデルの顔面に強烈なパウンドを落としていく。首を殺して、リデルを立たせないベノア。ハーフからワールドを狙い、すぐに上体を起こしてパウンドで攻め立てる。強烈な左のエルボー、さらにエルボーを見せたベノアは、ワキを差して起き上がろうとするリデルの頭を押して、再び勢いのあるパウンドを落とし、UFC最初の5分を戦い終えた。
2R、右ハイを見せたベノア。右ストレートにリデルも右を合わせていくが、素早くステップバックしたベノアは、踏み込んでワンツーからローを蹴り込む。右アッパーを放つも、組みつかれてテイクダウンを奪われたベノアは、バックを預けながら立ち上がると、胸を合わせて首相撲へ。ヒザをボディに突き上げるが、今度はリデルが首相撲へ。と、ベノアはダブルでテイクダウンを奪い返す。
長いリーチを生かし、右から左とパウンドを落とすベノアだが、リデルのヒザで鼻をカットし、真っ赤な鮮血で顔面を染める。クローズドガードからエルボーを見せるリデルだが、再びベノアがパウンドで攻める。体を起こしたベノアにリデルはペラダーダを見せるが、パウンドの連打を受ける。
リデルの腕十字をかわし、パウンド+エルボーで攻めるベノアだが、鼻の頭から流血が酷い。リデルは観客を煽る。最終回が始まるとベノアがパンチを打ち込み、テイクダウンを狙う。これを切ったリデルは、ベノアのヒザ蹴りをキャッチして、テイクダウンからそのままサイドを奪取する。
ハーフに戻したベノアは、さらにフルガードに戻す。しっかりとした寝技も心得ているベノアに、リデルがエルボーを落とす。ケージを蹴り上げるなど、立ちあがりたいベノアを担ぎ、再びサイドを奪ったリデル。しっかりと押さえ込んで、ヒザをボディに見舞う。ここでもエルボーを見せたリデルに対して、ベノアは再びラバーガードへ。
リデルはクローズドに戻ったところで、エルボーを見せる。ベノアは執拗にラバーガードを狙う。残り30秒、エルボーを連続で落とすリデル。ミッションコントロールに持ち込めないベノア。最後は下から抱き着くような形で試合終了の時を迎えた。
1Rはベノア、最終回はリデル。2R、トップから攻めたベノアだが、リデルはヒザ蹴りで大流血に追い込んでいる。ジャッジの裁定は、3者とも29-28でベノアが逃げ切った。ブーイングを受けたベノアは勝利をアピールするリデルに拍手を送り「みんな、誰が勝ったか意見を持つと思うけど、とにかく僕らは必死で戦った。マットのようなタフなファイターと戦う機会をくれたUFCに感謝している」という言葉で激戦を結んだ。