【Interview】BAMMAタイトル戦へ、レオ・サントスの柔術
10日(土・現地時間)に英国マンチェスターのNIAアリーナで行われるBAMMA07で、BAMMA世界ライト級王者ロブ・サンクレアに挑戦するレオ・サントス。
【写真】5月のBAMMA6に続き、英国登場を果たすレオ・サントス (C) MMAPLANET
2000年代前半、ブラジリアン柔術パウンドフォーパウンドと謳われた稀代の柔術家は、日本の戦極を離れ英国での王座奪取に賭ける。そんなレオをリオデジャネイロの名門ノヴァウニオン恒例、プロMMAスパーリング・セッション後にインタビューした。
――約10日後にマンチェスターでBAMMA世界ライト級王者ロブ・サンクレアに挑戦するレオですが、まだ随分と大きいように見えます。155ポンドまであとどれくらい体重を落さないといけないのですか?
「10キロぐらいかな……。1日に1キロ、火曜日にブラジルを出て水曜日に英国に着く。計量は金曜日だから、まぁ、何とかなるんじゃないかな(笑)。
どうやって落とすか――、実のところ僕には分かっていない(笑)。でも、デデ(アンドレ・ペデネイラス)の言いつけを守っていると、スケールの上に乗った時には155ポンドになっているんだ」
――ノヴァウニオンをリードするのは、柔術家ではなくMMAファイターに変わりましたね。
「僕は今も道着を着て練習しているけど、多くのファイターにとってはMMAの方が魅力あるスポーツになっているから、ブラジリアン柔術の練習をメインする者は少なくなったよ。
午後は打撃の練習だけど、午前中はレスリングとグラップリングのクラスがあり、そこでは3本ほど道着を着てトレーニングを続けている。それからは道着を脱いで、ノーギでやっているんだ」
――レオはなぜ、MMAで戦うようになった今も道着を着て練習をするのですか。
「ギを着て練習すると、柔軟でテクニカルな動きができる。MMAではホールドとパンチが主体になるから、柔術本来の動きを忘れないためにも道着の練習を欠かせないんだ。
僕は柔術を使って戦っている、自分の動きをなくしたくない。ポジションもテクニックも体に染み込ませておきたいんだ。一時、ノーギの練習に集中していたんだけど、今はもう誰もが柔術を知っている。そういう相手をホールドし、寝技をキープすることは簡単じゃない。
寝技で疲れている自分がいたんだ。信じられなかった。柔術の感覚を失っているように感じ、デデに相談したら、彼が『ギをもう一度着て練習しよう。もっと道着の練習をしよう』って言ってくれたんだ」
――道着を着て練習すると、また以前の感覚が戻ってきたということですか。
「自然に動けて、自信を取り戻すことができたよ。今、MMAはMMAとして何でもできないといけない。そんななかで、例え3試合連続KO勝ちしようとも、僕は自分の柔術を忘れてはいけないと思うんだ。
もし、試合中にピンチに陥ったらどうする? 柔術だ、柔術の技術が僕を助けてくれる。MMAで戦うために、ずっとレスリングとボクシングの練習に時間を割いてきた。でも、柔術は僕の人生なんだ」
――去年の8月までSRCでファイトしてきましたが、現在は主戦場を英国のBAMMAに置いています。英国なら飛行時間が日本の半分ぐらいですみますね。
「ロンドンまで10時間だけだ。日本へ行くことと比べると、本当に楽だよ。日本で戦うほど、厳しい環境はない。ホントに大変なんだ。ファンの応援は最高だけど、試合に臨むという面では本当にハードだった。
35時間掛けて日本に着き、時差ボケのなか、少しだけ睡眠を取り、中1日を挟んで、すぐに計量だ。で、翌日にはリングに上がる。そこにイージーな対戦相手は全くいない。日本で戦えば、どこで戦っても問題ないよ(笑)。
日本のリングで、日本人と戦うことは、自分を鍛える意味で最高の試練になる」
――ではマンチェスターで、ロブ・サンクレアと戦うのに日本の経験が生きるということですね。
「サンクレアはストライカーだけど、柔術も知っている。柔術の仕掛けを防ぐことができる。決して白帯と戦うわけじゃないから、用心しないと。誰もが柔術を練習し、エスケープとホールドにだけ使い、フィニッシュにいかないからね」
――そんな相手だからこそ、柔術の技で仕留めたいのでは?
「それは僕に聞く質問じゃないよ。彼がどんな機会を僕に与えてくれるのか。サンクレア次第さ。KOでも、一本でも、とにかく少しでも早く試合を終わらせる。5Rも戦いたくないからね(笑)」
――BAMMAが最終目標ということではないと思うのですが、これからの目標は?
「とにかく今は次の試合に集中している。タイトルが賭かっている。ベルトを腰に巻きたいんだ。戦極でベルトを巻くことはできなかったからね」
――不可解な判定もありました。
「分かっている。でも、僕の戦績を見ると、ヨコタ戦は敗北になっていて変えようがない。戦極のベルトが巻きたかった。でも、それは今となってはもう叶わない。今、僕が欲しているのはBAMMAのベルトさ。僕のキャリアにはベルトが必要なんだ。
もちろん将来的な夢という部分では、チームメイトのように米国、UFCで戦いたい。以前はPRIDE、今はUFC。MMAファイターなら、みんなそうだ。そのためにもBAMMAのチャンピオンになることが大切なんだ」
■BAMMA7主な対戦カード
<ミドル級/5分3R>
ジム・ウォルヘッド(英国)
フランク・トリッグ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ポール・デイリー(英国)
ジョーダン・ラデフ(ブルガリア)
<ライト級/5分3R>
ジェイソン・ボール(英国)
アンドレ・ウィナー(英国)
<BAMMA世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者]ロブ・サンクレア(英国)
[挑戦者]レオ・サントス(ブラジル)
<BAMMA英国ミドル級王座決定戦/5分3R>
ジャック・マーシュマン(英国)
カール・ヌーン(英国)