【UFC130】ストーリーがウェルター級戦線に風穴を開ける
<ウェルター級/5分3R>
リック・ストーリー(米国)
Def.判定3-0:29-28、29-28、29-28
チアゴ・アウベス(ブラジル)
アウベスの打撃のプレッシャーに負けず、組みついてテイクダウンしたストーリー。立ち上がり際にバックコントロールし、頭を入れ替えてテイクダウンを狙う。ここはアウベスにトップを取られてしまうと、すぐに起き上がってバックに回り込もうとしたが、相手に距離を取られた。
打撃戦の距離にならないよう、すぐに組みついたストーリー。ケージに押し込むがレフェリーがブレイクを命じる。距離ができるとボディーから組みつきたいストーリーに、アウベスが首相撲からヒザを見せる。
ストーリーはそのまま組みついて、再びケージ際までドライブ。姿勢を一、二度と入れ替えるとショートフックを連打。パンチで打ち返そうとするアウベスにすかさず組みついて距離を潰す。
距離が開くと、ストーリーは右から左を放つアウベスに首相撲の態勢からヒザを突き上げ、ドライブしたところで初回が終了した。
2R、左目を腫らしたアウベスが切れのある右ローを見せ、ワンツーを放っていく。 ストーリーはハイキックから組みついて、再びバックへと回り込む。腿にヒザを入れて胸を合わせてくるアウベスにいったん自ら距離を取ると、再び一気に距離を詰めてダブルレッグでテイクダウンに成功。
アウベスは立ち上がると、外掛けから逆にテイクダウン。背中をマットにつけたストーリーは、ブリッジから立ち上がり、またもアウベスをケージに押し込む。首を殺すことができないアウベスに対して、ストーリーは頭が下がっておらず、体力の消耗も少ない。
攻防の際で、一瞬間を空けるアウベスとは対照的に、その間を利用して組みつくストーリー。ブレイクが掛かりようやく距離を取ることができても、ストーリーが打撃のプレッシャーで下がることがないので、アウベスはパンチを放つたびに距離を詰められてケージへと押し込まれてしまう。
残り20秒、打ち合いの距離になるハイキックを見せたアウベスだったが、既にスピードに欠けており、ストーリーは臆することなく拳を振るい、このラウンドを闘い終えた。最終回、「蹴りでなく、距離を作ってパンチを打て」と指示を受けたアウベスは、頭を下げて左右のフックを、ストレートを繰り出す。
それでも前に出てくるストーリーにニーがヒットして、ようやくリズムを掴むと左フックを叩き込む。一気呵成に攻めたいところだが、2Rに及んだ削り合いの影響からかアウベスは手が出ない。パンチを餌に距離を詰めたストーリーは、アウベスがテイクダウンを警戒している間は打撃を見せて、気を逸らすと組みつくという抜群の試合の組み立てを見せる。
残り2分を切り、ストーリーの前進にサークリングで距離をとり、体捌きで距離を取ったアウベスのパンチが適格にストーリーを捉えるようになる。右ストレートを打ち込み、ヒザもヒットさせた。ストーリーはダメージをごまかすようにテイクダウンを狙うが、彼もまた体力を消耗しており、序盤のようなプレッシャーはない。
残り10秒、前に出てパンチを振るうストーリーに、アウベスもヒザ、キックを見せ、無酸素の殴り合いのなか試合終了。ジャッジの裁定は3者とも、29-28でストーリーに。無敵の王者、盤石のトップ陣というウェルター級にストーリーが風穴を開ける勝利を挙げた。