【It’s Showtime】新設73キロ級はKO必至、マラット×リドン
It’s Showtime、初のフランス大会が14日(土・現地時間)にリヨンのパレデスポールで開催される。バダ・ハリの復帰戦に加え、ダニエル・ギタ、タイロン・スポーンというヘビー級トップファイターが名を連ねる同大会では、世界選手権試合が2試合組まれている。
【写真】3月のブリュッセル大会では、圧倒的なパンチ力を見せたマラット・グリゴリアン。そのパンチのコンビネーションは見事な、新世代It’s Showtimeファイターといる(C) BEN PONTIER/EFN
新設される73kg級の世界王座決定戦=ヨハン・リドン×マラット・グリゴリアン戦は、ある意味、リヨンのキックファンにとってメインイベントといえる試合だ。マラットはアルメニア系ベルギー人で、3月26日(土・同)のベルギー大会に参戦。オランダのセビリアーノ・リセールを2RKOで下した。その攻撃力は、全盛期のラモン・デッカーを彷彿とさせる強さで、この階級の台風の目になりそうだ。
一方のリドンは、地元リヨンのサンフォンにあるチーム・ナーセルK所属で、キャリア12年を誇り、今回の世界戦が90戦目というベテランだ。フランス・ムエタイ界の名伯楽ナーセル・カセム門下には、3月It’s Showtime61キロ級世界王者になったカリーム・ベノーイや、現在タイで最も成功している非タイ人ナックモエ=ファビオ・ピンカなどもいる。
パワフルなKOパンチが武器のリドンは、WBCムエタイ世界ミドル級王座、WKN世界76キロ級王座に続き、3本目の世界のベルトを狙う。互いにハードパンチャーだけに、攻撃力よりもディフェンス能力が問われる一戦、となればムエタイ歴も長いリドンが、地元ということもあり一日の長があるかもしれない。
【写真】王座初防衛戦に挑むクリス・ンギンビ。攻撃が単調的になりがちだが、実力未知数のベテラン=ウィリー・ボレルとアウェイの地でどのように戦うのか(C) BEN PONTIER/EFN
もう1つの世界戦は、昨年12月にムラット・ディレッキーを長期政権から陥落させたクリス・ンギンビの初防衛戦となる70kg級タイトルマッチだ。王者ンギンビに対するチャレンジャーは、地元フランスの35歳ベテラン、ウィリー・ボレルだ。ンギンビはバネがあり、躍動感のあるファイトスタイルが特徴的で、その身体能力の高さは、誰もが認めるところだ。
一方のボレルだが、この選手に関しては、非常に情報が少ない。当大会を主催するカダーウ・マルーフの下、A-1などでキャリアを重ねてきた。ヒザやハイキックでKO勝ちをしているが、フランス人ファイターに多い、ムエタイ系ではなさそうだ。いずれにせよ、母国で最後の大勝負に挑むボレルが、若いンギンビの勢いを経験で消すことができるかが、鍵となりそうだ。
■It’s Showtimeリヨン大会主な対戦カード
<ヘビー級/3分3R>
バダ・ハリ(オランダ)
トニー・グレゴワー(フランス)
<ヘビー級/3分3R>
タイロン・スポーン(オランダ)
イゴール・ミハイロビッチ(クロアチア)
<It’s Showtime 73キロ級MAX世界選手権試合/3分5R>
マラット・グリゴリアン(ベルギー)
ヨハン・リドン(フランス)
<ヘビー級/3分3R>
ダニエル・ギタ(ルーマニア)
フィクリ・アメジアン(オランダ)
<It’s Showtime 70キロ級MAX世界選手権試合/3分5R>
ウィリー・ボレル(フランス)
クリス・ンギンビ(オランダ)
<70キロ/3分3R>
シャヒッド・エルハジ(オランダ)
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)
<65キロ・フルムエタイルール/3分5R>
モサブ・アムラーニ(オランダ)
フシネ・ベノーイ(フランス)
<73キロ・フルムエタイルール/3分5R>
ミカエル・ピスチテーロ(フランス)
ヨハン・フォーボー(フランス)